本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
ジャパンディスプレイは、自動車・スマートフォン・タブレット・ノートパソコン向けディスプレイを製造する液晶ディスプレイメーカー。2012年に産業革新機構の主導によってソニー・東芝・日立のディスプレイ事業が合併して発足。歴史的に米・Apple社との取引関係が深く、2016年頃まではiPhoneシリーズ向けディスプレイの主力サプライヤーの1社として活躍。が、発足直後から多額の損失を繰り返しており、累計純損失は6,000億円以上。経営危機に瀕しては官民ファンドの支援による延命を繰り返しており、2019年にはいちごトラストが筆頭株主となり支援中。
・かつてiPhone向けで高シェアを握った液晶ディスプレイメーカー
・売上高・利益いずれも最悪期が続く、財務体質も再び急悪化
・平均年収700万円以上かつ福利厚生も充実、社員への待遇は良好
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:59(中堅)
上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
業績不振によって採用数を減らしており、総合職の採用実績は年間0名~15名のみ。ネガティブなニュースが多いために選考倍率は高まりにくい。
採用大学:【国公立】大阪大学・筑波大学・徳島大学・東京農工大学・北陸先端科学技術大学院大学など、【私立】法政大学・立命館大学・国士舘大学・東京都市大学など(出典:マイナビ2026)
業績動向
✔売上高と営業利益
ジャパンディスプレイの売上高は著しい右肩下がりとなっており、2024年には売上高1,880億円まで減少*1。2015年には売上高9,891億円に到達したが、過去10年間で急激な縮小に見舞われている。営業利益も2017年以降は赤字が続いており、利益をまったく生みだせていない。
*1:当社は米・Apple社向けの売上高が50%以上を占める「iPhone一本足」企業として知られていた。が、2017年頃からiPhoneシリーズが有機ELディスプレイへの移行を開始、iPhone向け液晶ディスプレイが激減したことで売上高が急減した(参考リンク)。
✔セグメント別の状況
ジャパンディスプレイは、モバイル事業(スマートフォン・タブレット・ノートパソコン向けディスプレイなど)、車載事業(カーナビ・インパネ・後部座席モニター向けディスプレイなど)、ノンモバイル事業(デジタルサイネージ、産業用・特殊用途向けディスプレイ)、の3事業を有する。
当社はかつて米・Apple社向けモバイル事業が主力であったが、iPhoneシリーズの脱・液晶ディスプレイ化によって同事業は急激に衰退。iPhone向け液晶ディスプレイを生産していた茂原工場を閉鎖(参考リンク)。現在では車載事業が主力となっており、2025年には車載ディスプレイ事業を分社化(参考リンク)。
✔最終利益と利益率
ジャパンディスプレイの純利益は過去8年間に渡って▲2,396億円~▲80億円で推移している。純利益をまったく確保できておらず、巨額の純損失を恒常的に発生させている。営業利益率もマイナス圏での推移が定着しており、売れば売るほど損失が生まれる状況にある。
✔自己資本比率と純資産
ジャパンディスプレイの自己資本比率は急激な上下変動を繰り返しており、極めて不安定。2018年には一時的に債務超過に陥ったが、いちごトラストの支援によって健全化*2。が、2024年には再び自己資本比率4.5%まで低下しており、債務超過に近づいている。純資産は2022年に1,244億円まで回復したが、2024年には68億円まで減少。
*2:2022年に自己資本比率・純資産が急回復した理由は、いちごトラストによる支援が主要因。同社は発行済み株式数の75%以上を掌握する代わりに、産業革新機構からの借入金を肩代わりすることで当社の財務体質を大幅に改善した経緯がある(参考リンク)。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ジャパンディスプレイの平均年収は2021年を除けば700万円以上の水準で安定的。経営危機に瀕しても従業員の給与はしっかり守られている。年功序列型の給与制度であり、大卒総合職は30歳前後で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収800~1,000万円が目安。
✔従業員数と勤続年数
ジャパンディスプレイの単体従業員数は右肩下がりの減少が続いており、2024年は2,700人ほどの組織規模となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,500人ほど。平均勤続年数は22.4年(2024年)と極めて長い*3。
*3:平均勤続年数がここまで長いのは、①長年の業績不振によって転職志向の高い人材は抜けきっていること、②平均年齢47歳と高齢社員が多いため転職しにくいこと、③新規採用を絞っているため低勤続年数の人材が少ないこと、などが要因。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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