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食品メーカー

カルビーの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

カルビーは、スナック菓子・シリアルフードの製造販売を取得とする大手菓子メーカー。1955年に菓子製造を目的として創業。小麦原料の菓子に着目して”かっぱえびせん”を商品化して1966年には海外展開を開始。1975年には湖池屋が開拓していたポテトチップス分野へと進出。現在では同分野で国内1位のシェアを確立しており、代表的商品は「ピザポテト」や「堅あげポテト」など。シリアル食品でも大手であり、代表商品のフルグラは世界大手のケロッグを抜いて国内首位。

POINT

1.スナック菓子・シリアルフードで国内シェア1位、菓子業界のトップ企業
2.売上高・利益いずれも安定型で横ばい、財務体質は大いに優良
3.平均年収769万円と菓子業界上位、超高倍率で入社は難しいが待遇は普通

業績動向

✔売上高と営業利益

カルビーの売上高は長年に渡って2,400億〜2,600億円レベルで安定的だが、直近の2022年には過去最高となる売上高2,793億円を達成*1。営業利益は2018年の288億円をピークに微減傾向にある。
*1:2022年の売上高の拡大は、世界的な原材料高を受けた価格改定が主要因。主力商品で値上げを進めたものの、販売数量には影響が少なかったために売上高が増加した。

✔セグメント別の状況

カルビーは、スナック菓子事業(ポテトチップス・じゃがりこ・かっぱえびせんなど)、食品事業(フルグラ・シリアルフード・にゅ~みんなど)、その他事業(さつまいも等の食品製造・加工・販売など)、の3事業を有する。
カルビーの売上高はスナック菓子事業が約85%を占めており、主力はやはりポテトチップスなどのスナック菓子類である。とはいえ、シリアル食品が含まれる食品事業も売上高の約15%を占めるため、それなりの規模感。なお「マイクポップコーン」で知られるジャパンフリトレーも当社の子会社である。

✔最終利益と利益率

カルビーの純利益は長年に渡って160億〜190億円ほどで極めて安定的。景気動向にも業績を左右されにくい。営業利益率は10%ほどで安定しており、菓子メーカーとしては高めの利益率を誇る。が、2022年のみ7%まで低下している*2。
*2:2022年の利益率減少は、世界的な原材料高が主要因。⾷油・包装材・輸⼊原料・国産ばれいしょ・エネルギー価格などの高騰スピードに値上げ対応が追い付かずに利益縮小した。

✔自己資本比率と純資産

カルビーの自己資本比率は2016年から70%以上の水準で推移しており、財務体質は大いに健全。純資産は2020年から横ばいに転じており、直近の純資産は1,827億円ほど。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カルビーの平均年収は720万〜790万円ほどで推移しており、菓子メーカーとしては上位級である。総合職であれば30歳で550万円~650万円には到達し、課長職レベルであれば950万~1,100万ほど。年功序列色がそれなりに強いため昇給ペースは遅めであるうえ、管理職にならないと年収800万円程度で頭打ちとなる。

✔従業員数と勤続年数

カルビーの単体従業員数は緩やかな増加傾向にあり、直近では1,960人の組織体制。平均勤続年数は直近で15.5年と大手企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:BB

言わずと知れた大手菓子メーカーであり、スナック菓子・シリアルフードの分野において国内シェア首位を誇る。ポテトチップスの量産化に初めて成功したのは湖池屋であるが、当社は後発ながらも業界首位まで登り詰めた。ポテトチップス以外でも、「カッパえびせん」「サッポロポテト」「フルグラ」など国民食クラスの大型商品を多数擁するのが強み。業績は極めて安定型であり、売上高・利益いずれも景気動向に左右されにくいことが美点。強いて言えば、利益が2016年〜2018年頃をピークに伸び悩んではいるが、世界的な原材料高の中ではよく健闘している方だろう。財務体質も極めて健全であり、直近7年間は自己資本比率70%以上での高位推移が続いている。利益の安定性も考えれば倒産リスクとは無縁クラスか。強引に批判するとすれば海外売上高比率が24%程に過ぎない点であろうか。自社目標として「2030年までの海外売上高比率40%」を掲げるが、達成目処は不透明。。

就職格付け:B

広島県発祥の大手スナック菓子メーカー。実は菓子業界において最大規模の企業であり、売上高においてライバル菓子メーカーを大きく引き離している。給与水準も業界首位の地位に恥じないレベルであり、平均年収は720万〜790万円ほど。それほど傑出した給与水準ではないが、菓子業界自体が給与水準が低い業界である事情を考えれば健闘している方だろう。福利厚生はそこそこであり、独身寮・家賃補助などの大手企業の標準パッケージは一通りそろっている。社員食堂は1食150円と格安であるためにお得ではある。が、菓子メーカーの例に漏れず就職人気が高いために選考倍率は極めて高いうえ、採用数は例年15人ほどに過ぎない。凄まじい超高倍率を潜り抜けて得られる待遇としては、あまりにも普通である。大手電機メーカーや自動車メーカーであればこれ以上の待遇があるうえ、企業ブランドや知名度でも遜色ない。よっぽど固い決意がない限り、真剣に目指すことはコストパフォーマンスに見合わないと言わざるを得ない。

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