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トランス・コスモスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

トランス・コスモスは、コールセンター・ECサービス・事務作業などの業務受託を主力とするBPOアウトソーサー。1966年にデータ入力代行会社として創業、1990年代にはコールセンター受託事業へと進出してバブル崩壊後のアウトソーシングブームを牽引。現在では、アウトソーシングとデジタルトランスフォーメーションをコア領域として、マーケティング・ECサービス・コールセンターなどの受託を幅広く展開。顧客企業には、三井住友銀行・みずほ銀行・日産自動車・アップルジャパンなどがある。

POINT

1.BPOアウトソーサーとして国内首位、コールセンター受託に強み
2.売上高は成長基調で利益も堅調、財務体質も自己資本比率が優良
3.平均年収489万円だが一般職が多い為やむなし、福利厚生は特筆事項なし

業績動向

✔売上高と営業利益

トランス・コスモスの売上高は過去8年間に渡って右肩上がりでの増加傾向が続いている。直近の2022年には過去最高となる売上高3,738億円を達成*1。営業利益は必ずしも売上高と連動しないが、2021年には営業利益233億円を記録。
*1:トランス・コスモスが長期的な成長を継続している理由は、低コスト・高品質な業務オペレーションを構築することで顧客企業からの受注を拡大し続けている点に起因。最近ではIT技術活用による価値創出にも取り組み、受注拡大につながっている。

✔セグメント別の状況

トランス・コスモスは、国内サービス事業(デジタルマーケティング・ECワンストップサービス・コンタクトセンターサービス・ビジネスプロセスアウトソーシングなど)、国内関係会社事業(ネット動画配信・コンテンツ制作・ITコンサルなど)、海外関係会社事業(北米・韓国・中国・フィリピン・ベトナム・マレーシアなどの関係会社)、の3事業を有する。
当社のビジネスモデルは大企業からアウトソーシングされたコールセンター等の運営業務において高効率・高品質なオペレーションを実現する点にある。コンタクトセンターサービスではチャットボット等を活用によるコスト削減・24時間対応に取り組んでいる。

✔最終利益と利益率

トランス・コスモスの純利益は2020年まで▲20億〜100億円であったが、同年以降は純利益が増加。2020年には純利益215億円に到達して過去最高を更新*2。営業利益率は年度によりまちまちだが1%〜7%ほどでの推移が長く、IT企業としてはかなり低め。
*2:2019年・2020年に利益が急増した理由は、①COVID-19関連の大型公共案件・スポット案件の受注に成功した点(ワクチン問い合わせ対応等)、②スマートフォン決済ブームにおいて各社からコールセンター業務を受注した点、に起因。

✔自己資本比率と純資産

トランス・コスモスの自己資本比率は長期的に50%前後の水準で推移しており、財務体質は大いに健全。純資産は長年に渡って700億~900億円ほどで推移していたが、2021年には1,209億円まで急増。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

トランスコスモスの平均年収は450万〜490万円とかなり低めな水準て低空飛行しているが、これは同社のビジネスモデルが理由*3。総合職エンジニアであれば35歳で550万円~750万円ほど、課長職レベルであれば650万~750万円に達する。
*3:トランス・コスモスはコールセンター業務や経理業務などの事務作業を受託するため、一般職・事務職を大量採用している事情がある。そのため、平均年収が上がりにくい社員構成となっている。

✔従業員数と勤続年数

トランス・コスモスの単体従業員数は2016年頃から急増傾向にあり微増傾向にあり、直近では1.67万人規模の組織体制。平均勤続年数は直近で9.33年とそれほど長くはないが、これも同社のビジネスモデルからして伸びにくい事情がある。

総合評価

企業格付け:DDD

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)分野で国内首位・世界17位の大手。国内におけるライバルは、ベルシステム24・KDDIエボルバ・りらいあコミュニケーションズなど。大企業・官公庁からノンコア業務を引き取って効率化・付加価値化するビジネスモデル。多くの企業にとってノンコア業務を外部委託することは、「自社リソースをコア事業へ専念させる」ことに繋がるため大きな需要がある。当社はBPOの専門企業として顧客対応・経理・事務などの高効率化ノウハウを有しているため、多くの大企業にとって当社へのアウトソーシング=効率化となるパターンが多い。そうした背景もあって業績は過去最高圏での推移が続いている。売上高は右肩上がりで増加しており事業拡大ペースは早い。利益は年度によりまちまちであるが、直近3年間は純利益100億〜200億円を確保。財務体質も自己資本比率50%以上を確保し続けており堅実である。

就職格付け:D

一般知名度はそこまで高くないものの、アウトソーシング分野においては傑出した存在。人材派遣業の会社と勘違いされがちだが、当社は各企業から業務を丸ごと外部委託される側の企業。最近では、各企業から委託された業務をデジタル技術によって「標準化・品質向上・プロセス改革」する取り組みにも熱心。平均年収は直近で489万円とかなりの低水準であるが、これは当社が株多くの事務スタッフを擁していることが理由。従業員数が1万人を超えており、なかでもコールセンター業務や経理業務などに従事する女性を数多く雇用しているため、平均年齢が下押しされる事情がある。総合職に限れば30歳で年収500万~600万円ほどには到達する。福利厚生については特筆に値する事項は特段ないが、家賃補助制度では最大2万円/月が支給される。総じて、傑出した待遇はないものの、業界首位の成長企業で利益も長期的に増加傾向あるために今後に期待。

◆地方において
都市部においては評価が低めだが、当社は地方都市においては大いに優良な勤務先となる。BPO業界は数多くの社員数を抱える必要があるため、賃金が安く人が集められる地方都市に数多くの拠点を設置している事情があり、北海道・東北・沖縄などにも拠点が多い。大企業が少ない地方都市においては、業績安定的かつ上場企業の福利厚生が整った当社の待遇は非常に恵まれたものであり、地方版の就職偏差値ランキングでは評価を積み増している。

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