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食品メーカー

カゴメの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

カゴメは、ケチャップ・野菜ジュース・サプリメントなどを製造販売する大手食品メーカー。1914年に蟹江一太郎がトマトケチャップの本格生産に成功したことで創業、戦前からトマトジュース・ケチャップ・ウスターソースなどを展開。現在においても野菜生活100・トマトジュース・ケチャップなどで著名。農業振興にも注力しており、日本の緑黄色野菜の18.5%を供給する農業大手でもある。トマトの保有遺伝子は約7,500種に及び、種子開発・栽培・収穫・加工・販売までを自社一貫対応。

POINT

1.トマト分野で断トツ首位の大手食品メーカー、農業・種子事業も展開
2.売上高・利益は極めて安定的、財務体質も自己資本比率50%以上
3.平均年収754万円と名古屋企業では上位、採用数が少なく入社難易度は高い

業績動向

✔売上高と営業利益

カゴメの売上高はかなり安定的であり、1,800億~2,100億レベルで推移している*1。営業利益も2015年を除けば100億~150億円ほどで安定的な推移*2。
*1:2019年に売上高が2,000億円レベルから1,800億円レベルへ下落しているが、これは同年にカゴメがIFRS国際会計基準への移行したことによる影響。売上高の認識基準の違いから売上高が一部減少。
*2:カゴメは2015年まで営業利益100億円に満たない水準で長年停滞していたが、同年以降は営業利益100億円以上に向上。構造改革によるコスト低減と健康志向の高まりによる需要拡大が追い風。

✔セグメント別の状況

カゴメは国内加工食品事業(野菜生活100・トマトジュース・ケチャップ・トマト調味料など)、国内農事業(生鮮トマト・ベビーリーフなど)、国際事業(種子開発・農業生産・商品開発・販売など)、その他(不動産など)、の4事業を有する。
カゴメは国内加工食品事業を主力としているが、海外向けのビジネス展開にも熱心。国際事業が売上高に占める割合は約27%にまで拡大しており、種子事業は世界85カ国に展開。世界にはトマトを嫌悪する地域もあり、文化的障壁とも戦いながら事業拡大を模索している。

✔最終利益と利益率

カゴメの純利益は2018年に過去最高となる115億円を記録したが、同年以降は停滞感のある推移*3。営業利益率は長年に渡って5%~7%を維持し続けており、食品メーカーとしてはそこそこの水準。
※3:2018年に構造改革の成果が結実して最高益を更新してからは減益が続いたが外部環境の逆境による影響が大。2019年には天候不順による野菜飲料の需要下落に直面、2020年にはCOVID-19感染拡大による外食需要激減で業務用出荷が減少。

✔自己資本比率と純資産

カゴメの自己資本比率は長期的に50%前後の水準で推移しており、十分に健全な水準を維持できている。純資産は2016年から緩やかな増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産1,218億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カゴメの平均年収は750~780万円前後の水準が定着。食品メーカーとしては上位級の給与水準を長期的に維持できており、名古屋の上場企業としては上位クラスに位置。平均年齢は直近で40.4歳と標準的な水準である。

✔従業員数と勤続年数

カゴメの従業員数は2016年から微増傾向が続いており、2021年には2,822人に到達。知名度の高さの割りには従業員数が少ない、少数精鋭の組織規模である。平均勤続年数は17.1年とかなり長め。

総合評価

企業格付け:BB

ミツカンや敷島製パンと並ぶ、名古屋の大手食品メーカーの代表格。トマトジュースやケチャップなどの加工食品が著名であるが、カゴメの本懐は単なる食品メーカーとしての枠に留まらず、上流にあたる品種開発や栽培方法にまで積極関与している点。特にトマトの品種開発には熱心であり、7,500種以上の遺伝子を保有。契約農家を巡回しての栽培指導までを手掛けており、農業企業としての側面も強い。業績は食品メーカーの例に漏れず安定的であり、成長も衰退もない平穏な推移が続いている。財務体質も優良であり、自己資本比率50%以上と極めて健全。2022年には新中期経営計画を策定、他社買収による事業拡大も視野に入れつつ、2025年までに売上高2,120億円~2,500億円を目標に掲げている(参考リンク)。

就職格付け:BB

日本人なら誰もがカゴメ製品を一度は口にしている著名な食品メーカー。給与水準は平均年収750万円前後と食品メーカーとしてはかなりの高水準、名古屋の上場企業としてもそこそこの高水準を保持している。福利厚生も整っており、家賃補助は最大4~7万円/月とかなり手厚い。名古屋本社のカゴメビルは2022年に新築されたばかりの美麗なオフィスビルで快適。オフィスではカゴメのジュースが飲み放題であり、地味ながらも嬉しい福利厚生も整っている。ただし従業員が少ないために採用は狭き門であり、新卒採用ですら年間30名ほどしか採用されない。有名かつ好感度が高い企業であるから、入社倍率は大量採用の大手メーカーを遥かに上回る領域。入社難易度は著しく高い為、併願先を必ず用意しておきたい。

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