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電機メーカー

オンキヨーホームエンターテイメントの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

オンキヨーホームエンターテイメントは、オーディオ機器・ヘッドホン・イヤホンなどを主力とした電機メーカー。1946年に松下電器産業を退職した五代武がスピーカー工場として創業。1957年に東芝グループ入りを果たし、1960年代のオーディオブームで業績拡大。が、2000年代以降はオーディオ産業の斜陽化により衰退。2018年以降は事業売却を繰り返し、2021年にはシャープに祖業のホームAV事業を売却。イヤホンや車載スピーカーでの事業継続を模索していたが、2022年に破産手続を開始して事実上倒産。現在ではシャープ傘下のオンキヨーテクノロジーが「オンキヨー」ブランドを継承。

POINT

・日本を代表するオーディオブランドの一角、2022年に経営破綻
・売上高は急減少で慢性赤字体質、財務体質は債務超過で壊滅的
・破綻前後に別会社へと事業分割、シャープ傘下でホームAV事業は今なお存続

業績動向

✔売上高と営業利益

オンキヨーホームエンターテイメントの売上高は2016年に売上高644億円に急増*1したが、同年以降は急激に衰退*2。2021年には売上高88億円まで縮小。営業利益は2014年・2018年に僅かな黒字を計上したのみであり、慢性赤字状態であった。
*1:2016年に売上高が急伸した理由は、同業のパイオニアからパイオニアホームエレクトロニクスを買収したことが理由。同社はホームAV事業・ヘッドホン事業を保有しており、これらの領域でのシナジー拡大を目指していた経緯がある。
*2:2020年・2021年に売上高が激減したのは、業績不振に伴う事業売却を繰り返した影響。ホームAV事業をシャープへ売却、音楽ストリーミング配信・ハイレゾ音源配信ストアを仏・ザンドリエへ売却など。

✔セグメント別の状況

オンキヨーホームエンターテイメントは、AV事業(オーディオ・ビジュアル関連製品など)、デジタルライフ事業(イヤホン・ヘッドホンなど)、OEM事業(車載用スピーカー・家電用スピーカー・スピーカー部品など)、の3事業を有する。
当社は高級オーディオ機器ブランドとして知られていたが、2021年にホームAV事業をシャープへ売却(現在ではオンキヨーテクノロジーとして事業を継続中)。経営破綻時に残存していた事業は(ホームAVを除く)オーディオ機器・イヤホン・OEM製品などであった。これら事業はすべて赤字事業であり、事業売却による延命も図れずに残っていた経緯がある。

✔最終利益と利益率

オンキヨーホームエンターテイメントの純利益は2019年を除けば毎年のように純損失を連続計上。2020年には純損失▲98.8億円の巨額赤字を計上*3。営業利益率もマイナス圏で推移し続けており、利益確保が困難な状態であった。
*3:2020年の急激な業績悪化の理由は、①COVID-19感染拡大により自動車メーカーの新車生産が混乱したことで車載スピーカー事業が打撃を受けた点、②米国販売代理店の経営不振による貸倒引当金繰入額29億円が発生した点、③相次ぐ事業売却により利益創出できる事業を喪失した点、が主要因。

✔自己資本比率と純資産

オンキヨーホームエンターテイメントの自己資本比率は2020年からマイナス圏へと転落して債務超過へと陥っていた。純資産は2019年まで20億~30億円ほどはあったが、同年以降は債務超過によりマイナス圏へと転落。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オンキヨーホームエンターテイメントの平均年収は2019年頃まで年収590万~640万円ほどで安定しており、業績不振の割には従業員の待遇は良好であった。総合職の場合、30歳で年収400万円を超え、課長職では年収720万~790万円ほど。平均年齢は右肩上がりで増加しているが、これは業績不振により新規採用を抑制していた影響。

✔従業員数と勤続年数

オンキヨーホームエンターテイメントの単体従業員数は2020年まで増加傾向が続いていたが、同年以降は横ばい。平均勤続年数は右肩上がりで増加しており、2022年には20年を突破。が、これは業績不振により新規採用を抑制していた影響。

総合評価

企業格付け:F

■業績動向
経営破綻。売上高は2016年に644億円に到達したが、同年以降は相次ぐ事業売却と販売不振で右肩下がりで減少。財務体質の悪化を凌ぐために利益創出できる事業を続々と売却してしまったことで、2021年には黒字事業がすべてなくなる結果となった。

■財務体質
経営破綻。慢性的な赤字体質によって財務体質は毀損し続けていた。2019年までは業績悪化に苦しみつつも自己資本比率10%前後で推移していたが、2020年には巨額損失により債務超過に転落。利益創出できる事業もない状況であったため債務返済が不可能となった。

■ビジネス動向
2021年に祖業のホームAVをシャープへ売却したうえでオンキヨーテクノロジーへと社名変更。当社は消滅したものの、音響技術者80名が経営破綻後にオンキヨーテクノロジーへと迎え入れられた。現在においてもシャープ傘下でホームAVを製造し続けており、オンキヨー創立以来の血脈は今なお生き永らえている。また、当社の経営破綻の直前にブランドライセンス部門がオンキヨーの社名を冠して分離独立。こちらも別会社として存続。

就職格付け:F

■給与水準
事業継続していない企業であるため割愛。

■福利厚生
事業継続していない企業であるため割愛。

■キャリア
事業継続していない企業であるため割愛。

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