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オリエンタルランドの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

オリエンタルランドは、京成グループに属する東京ディズニーリゾートを運営するリゾート企業。1960年に京成電鉄が千葉県浦安沖の埋立事業地開発を目的として創業、1979年に米ウォルト・ディズニーと業務提携契約を締結した。この契約により開業された東京ディズニーリゾートは米ウォルト・ディズニーが直営しないディズニーランドであり、オリエンタルランドは契約期間の範囲内でロイヤリティを支払い続けることで東京ディズニーリゾートを経営できる立場にある。

POINT

1.東京ディズニーリゾートを運営する京成グループのリゾート企業
2.売上高・営業利益はCOVID-19で大打撃を被るも、2022年は急回復の見込み
3.平均年収494万円と夢はないが、総合職なら650∼750万円程度と推定

業績動向

✔売上高と営業利益

オリエンタルランドの売上高は5,000億円弱で安定推移してきたが、2020年∼2021年にはCOVID-19の感染拡大による激減に直面*1。営業利益は1000億円ほどの水準で安定的に推移してきたが、2020年~2021年のみ営業損失を計上。
*1:オリエンタルランドはCOVID-19感染拡大により甚大な被害を被った1社であり、売上高・営業利益いずれも劇的に悪化。2019年2月29日から2020年7月1日までの約4か月に渡って臨時休園を継続したうえ、営業再開後も入場者数を絞っての対応を強いられたことに起因。

✔セグメント別の状況

オリエンタルランドはテーマパーク事業(東京ディズニーリゾート内におけるアトラクション&ショー・飲食店・土産物販売など)、ホテル事業(東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーランドホテルおよび東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルなど)、その他事業(イクスピアリ・モノレールなど)の3事業を有する。
オリエンタルランドのコア事業はテーマパーク事業であり、売上高の約80%を占める。利益面はホテル事業・その他事業が目立つが、これはCOVID-19の影響でテーマパーク事業が不振に陥っている為であり、通常時であればテーマパーク事業が営業利益の80%程度を占めている。

✔最終利益と利益率

オリエンタルランドの純利益は概ね700~800億円レベルで安定的に推移、直近の2022年には純利益807億円までの回復を遂げている。営業利益率は概ね20%以上で推移しており、米ウォルト・ディズニーへのロイヤリティを支払っても尚、利益率は極めて良好な水準。

✔自己資本比率と純資産

オリエンタルランドの自己資本比率は概ね60%以上の水準で推移。COVID-19以前には自己資本比率80%台に到達したこともあり、著しく健全な水準を維持していた。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では8,297億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オリエンタルランドの平均年収は491万円と大手企業としてはかなり少ない水準に留まる*2が、大卒総合職の平均年収は650~750万円程度と推定。平均年齢は右肩下がりで若年化しているが、これは早期退職者を募集した影響。
*2:オリエンタルランドは総合職の他に、テーマパークマネジメント職・調理スタッフ・ホテルスタッフなどの採用を行っている。採用数の多くが専門職である事情から、平均年収が上がりにくい事情がある。

✔従業員数と勤続年数

オリエンタルランドの従業員数は右肩上がりで増加しており、直近では9,094人に到達。2019年を境に従業員数が急増しているが、これはテーマパークマネジメント職制度の導入が要因*3。平均勤続年数は10.1年とやや短いうえ2019年に急減少しているが、こちらも同制度の導入が要因。
*3:オリエンタルランドは2019年にテーマパークマネジメント職を導入。それまでパート・アルバイトだった従業員を待遇改善・長期雇用のため、正社員に引き上げる措置を行ったことでこうした変化が起こっている(参考リンク)。

総合評価

企業格付け:BB

国内屈指のテーマパークである東京ディズニーリゾートを経営する企業であると共に、世界で唯一、米ウォルト・ディズニーからディズニーリゾート経営を委ねられている稀有な企業。開園当時はロイヤルティーの高さにより成功を疑問視されたが、卓越したテーマパーク運営で東京ディズニーリゾートを勝ち組リゾートへ転身させた立役者。年数百億単位でのロイヤルティーを支払って尚、営業利益率は20%台で高位安定。COVID-19という特殊要因を除けば、業績は安定的に推移しており財務も堅実であるため、倒産リスクはまずない。唯一の不安材料であった米ウォルト・ディズニーとの契約期間の問題も、2018年に契約更新に成功。従来は2046年までとされた契約期間を、最長2076年まで更新することが可能となり一安心。

就職格付け:BBB

言わずと知れた超人気企業。業績と財務は安定的である為、会社自体の存続は当面安泰。平均年収491万円と大手企業としては低い部類だが、総合職に限れば平均年収650∼750万円ほどはある。ただし、卓越した利益率と財務体質の割には、給与水準が微妙という印象は拭えない(筆頭株主かつ親会社の京成電鉄の給与水準を上回れないという事情はあろうが)。そのうえ、COVID-19感染拡大期には早期退職制度により55歳以上の社員が急減、平均年齢が急落する等の側面も。入社難易度だけであれば就職格付けは最高クラスだが、その先で得られる待遇を加味するとやや格付けを落とさざるを得ない点は残念。勤務地が千葉県に集約され転勤リスクがない点は意外なメリット。

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