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【勝ち組?】日本ガイシの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

日本ガイシ(正式表記:日本碍子)は、電力用ガイシ・自動車排ガス浄化部品・半導体製造装置部品などを製造する大手セラミックスメーカー。1918年に日本陶器(現・ノリタケ)から電力用ガイシ部門が独立、日本国内の電力送電網の開拓と共に成長を果たした。現在でも鉄塔用ガイシで国内シェア90%以上、自動車排ガス浄化部品で世界シェア50%以上。ノリタケTOTO日本特殊陶業と共に、世界最大級のセラミックス企業グループである森村グループを形成。2026年4月から社名を『NGK』に変更予定。

POINT

・電力用ガイシ・自動車排ガス浄化装置で世界的、森村グループ中核企業
・売上高は成長基調で利益は安定的、財務体質もかなり優良
・平均年収855万円と名古屋圏では上位水準、福利厚生は普通

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間80人〜120人と、企業規模なりの採用数。名古屋圏において著名だが他地域では然程有名でもないため、地元出身者の応募が多い。
採用大学:【国公立】名古屋大学・金沢大学・信州大学・三重大学・岐阜大学・三重大学・名古屋市立大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】慶應義塾大学・同志社大学・明治大学・中央大学・法政大学・立命館大学・東京理科大学・金沢工業大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

日本ガイシの売上高は2020年まで4,500億円前後で推移していたが、同年以降は緩やかな増加傾向に転換。2024年には過去最高となる売上高6,195億円に到達*1。営業利益は500億~830億円ほどで長期的に横這いが続いている*2。
*1:2021年から売上高が増加している理由は、①世界的な排ガス規制強化による自動車排ガス浄化部品の販売増加、②半導体業界の好調による電子部品・半導体製造装置部品の販売増加、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2022年から利益が伸び悩んでいる理由は、①世界的な原材料価格の高騰によるコスト増加、②NAS電池における海外需要の減速による販売減少、③中国・欧州・東南アジアにおけるエンバイロメント事業の販売停滞、など。

✔セグメント別の状況

日本ガイシは、エンバイロメント事業(自動車排ガス浄化用部品、排ガス用NOxセンサー、燃焼装置・対火物など)、デジタルソサエティ事業(半導体製造装置向け部品、電子工業用製品、ベリリウム銅製品など)、エネルギー&インダストリー事業(電力貯蔵用NAS電池、ガイシ、ガイシ洗浄装置・防災装置。送電・変電用機器など)、の3事業を有する。
当社は社名に”ガイシ”を掲げているが、ガイシを主力製品とするエネルギー&インダストリー事業は売上高の10%にも満たず、利益貢献もしていない。現在の最主力製品はエンバイロメント事業の自動車排ガス浄化部品・センサーであり、売上高・利益の過半を稼ぎ出している。つまり、現在の当社はガイシメーカーとしてよりも、自動車部品メーカーと捉える方が実態に近いといえる。

✔最終利益と利益率

日本ガイシの純利益は2021年に過去最高となる708億円に到達したが、同年を除けば270億~550億円ほどで横這い。年度による上下変動はあるが、赤字転落はなく着実に純利益を確保できている。営業利益率は概ね10%以上を確保できており、大手メーカーとしては良好な水準。

✔自己資本比率と純資産

日本ガイシの自己資本比率は55%以上の水準で長期的に安定しており、2024年には63%に到達している。負債に依存しすぎない事業運営ができており、財務健全性は良好。純資産は2021年から増加傾向が続いており、2024年には7,275億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本ガイシの平均年収は2021年まで760万~790万円前後で推移していたが、2024年には855万円まで上振れ。高い利益率により大手メーカーと遜色ない給与水準を確保できている。大卒総合職なら30歳で年収580万~670万円ほど、課長職レベルで930万~1,150万円が目安となる。

✔従業員数と勤続年数

日本ガイシの単体従業員数は長期的な微増傾向が続いており、2023年は4,775人規模の組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数も1.95万人ほど。平均勤続年数は15.0年(2023年)と大手企業としては標準的な水準。

総合評価

企業格付け:BB

世界最大級のセラミックス企業グループである森村グループにおいて、TOTO日本特殊陶業と並ぶ中核企業。戦前にグループ源流企業である日本陶器(現・ノリタケ)から独立したが、現在では同社を大きく凌駕する事業規模にまで拡大を果たしている。業績においては売上高は緩やかな成長基調が続いており、2024年には過去最高となる売上高6,195億円にまで到達している。営業利益は原材料価格の高騰に押されて思うように伸ばせない状況が続くとはいえ、景気後退局面にも安定的に利益を確保できている。財務体質においては自己資本比率63%(2024年)と大いに良好であり、安定的な利益創出力を加味すれば当面安泰の企業と評価できるだろう。

就職格付け:B

名古屋圏ではよく知られた地元の有名・名門企業、名古屋市南区に所在する日本ガイシホールでは数多くの展示会・コンサート・ライブなどが開催されるため知名度も全国区である。給与水準においては平均年収855万円(2023年)と名古屋圏ではかなりの高水準に位置。大卒総合職なら30歳で年収580万~670万円ほど、課長職レベルで930万~1,150万円が目安となる。実は、中部電力名古屋鉄道などの名古屋圏を代表する企業とも遜色ない給与水準となっている。当社は定年退職年齢が65歳であるため、できるだけ長く働きたい場合にはピーク年収を長く稼げる点も魅力。福利厚生においては家賃補助こそ最大2万円/月と低めだが、若手社員向けの独身寮が整備されており月5,000円程度の負担で入居できる。関連会社でゴルフ場経営を行っている為、社員向けのゴルフ割引がある。営業拠点は全国区だが生産拠点は中部地方に集中するため、転勤リスクが比較的低い点も地味な魅力である。

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出典:日本碍子株式会社(有価証券報告書)