カテゴリー
IT コンサルティング シンクタンク

【勝ち組?】三菱総合研究所の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

三菱総合研究所は、経営コンサルティング・政策研究・システムインテグレーションを主力とする三菱グループのシンクタンク・IT会社。1970年に三菱創立100周年記念事業として、三菱グループ27社の共同出資によって設立。設立直後は政策・経済・金融シンクタンクとして機能していたが、2009年の上場を経て営利企業へ転換。現在では、経営コンサルティング・システムインテグレーションを主力とする。所属研究員数は760名に及び、政治・経済・自然科学あらゆる領域への提言が可能。

POINT

・官公庁・三菱UFJグループと親密なコンサル会社、システム開発も強い
・売上高・利益いずれも横這い、財務体質は自己資本比率50%以上
・平均年収1,000万円以上で福利厚生も良好だが、平均勤続年数は低下傾向

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:77(最高峰)

日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:最難関級

総合職の採用数は年間40人~60人ほど。総合職の出身大学は海外大学も含めてトップレベル大学が大半であり、入社難易度は著しく高い。難関企業。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・大阪大学・九州大学・北海道大学・東京工業大学・名古屋工業大学・電気通信大学・オックスフォード大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・国際基督教大学・学習院大学・ハーバード大学・イェール大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

三菱総合研究所の売上高は2020年まで900億円前後で推移していたが、同年以降は増加傾向*1。2023年には過去最高となる1,221億円に到達している。営業利益は2022年に過去最高となる91.6億円に到達したが、2024年には70.6億円にやや後退。
*1:2020年から売上高の増加している理由は、①先端IT分野・AI分野・ローカル5G分野におけるコンサルティングの受注好調、②ITサービス事業における金融機関向けの大型システム案件による増収増益、など。

✔セグメント別の状況

三菱総合研究所は、シンクタンク・コンサルティングサービス事業(経営コンサルティング・ITコンサルティング、政策・一般事業の調査研究など)、ITサービス事業(ソフトウェア開発・運用・保守、情報処理サービスなど)、の2事業を有する。
当社はシンクタンク・コンサルティング会社としてのイメージが強いが、実際にはITサービス事業が売上高の約60%を稼いでいる。全社利益においてはコンサルティング事業とITサービス事業が半々を稼いでおり、特定事業に依存しない事業構造となっている。

✔最終利益と利益率

三菱総合研究所の純利益は2022年に過去最高となる77億円に到達したが、同年以降はやや停滞傾向がみられる。営業利益率は5%~7%ほどの水準に留まっており、コンサルティング業界・IT業界の企業と比べると利益率は高くない状況が続いている。

✔自己資本比率と純資産

三菱総合研究所の自己資本比率は長年に渡って55%前後での横ばい推移が定着している。負債に依存しすぎない事業運営ができている。純資産は増加傾向が続いており、2024年には763億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三菱総合研究所の平均年収は、長年に渡って1,000万円ほどの水準で安定的に推移。外資系コンサルティング会社には及ばないが、業界上位級の給与水準となっている。35歳頃に主任研究員に昇格すると年収950万~1,100万円、課長職クラスで1,300万円~1,500万円が目安となる。

✔従業員数と勤続年数

三菱総合研究所の単体従業員数は2018年頃から増加傾向にあり、直近では1,200人ほどの企業規模。平均勤続年数は12.2年(2023年)と、コンサルティング会社としては従業員の定着が良い。2019年まで15年前後で推移していたが、同年以降はやや減少傾向がみられる。

総合評価

企業格付け:AAA

官公庁向けコンサルティングに強い三菱グループの総合シンクタンク。主要顧客は内閣官房・総務省・経済産業省・厚生労働省・デジタル庁などの他、三菱UFJフィナンシャルグループとの取引関係が深い。現在では売上高の半分以上をIT領域で稼ぐまでにシステム開発が事業のコアとなっているが、これは2000年代に三菱銀行系システム会社であったダイヤモンドコンピューターサービス(現・三菱総研DCS)を連結子会社化してIT領域へと進出したことに起因する。業績においてはよく言えば安定しているが、実際には横ばい傾向が強い状況。2022年・2023年に過去最高圏となる売上高・利益を記録したが、2024年には元の業績レンジへと回帰している。財務体質においては自己資本比率50%以上で安定的であり、負債に依存しすぎない事業運営ができている。総じて優良企業ではあるが、成長性はそこまで高くはない。世間でイメージされるほど利益率は高くはなく、営業利益率は5%~7%と大手メーカーと互角レベルである。

就職格付け:S

企業としての成長性・利益率はパッとしないが、就職先の『格式』としては日系企業トップクラスとして一目置かれる企業。日系の民間シンクタンクとしては最高峰の名門の1社であり、霞が関の中央官公庁向けの政策提言・経済分析を手掛けることから国家的政策決定の過程にも影響力を及ぼすことができる。システムインテグレータとしても一流であり、官公庁・三菱UFJフィナンシャルグループ向けの大規模システム開発をも得意とする。平均年収は1,000万円前後と外資系コンサルティング会社には及ばないが、注目すべきは平均勤続年数の長さ。高離職率×高収入なコンサルティング会社は巷に溢れるが、低離職率×高収入なコンサルティング会社は多くはない。福利厚生においても恵まれており、高い給与水準に関わらず家賃補助を最大4.5万円/月まで支給。在宅勤務も普及しており、通勤ラッシュの無用な苦痛を緩和できるうえ、子育てもしやすい環境。総じて、従業員として働くには極めて恵まれた環境である。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社三菱総合研究所(有価証券報告書)