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【勝ち組?】マツダの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

マツダは、世界130ヶ国以上でMAZDAブランドの自動車を製造・販売する中堅自動車メーカー。1920年に東洋コルク工業として創業。1960年代にはキャロル360が大ヒットしたことでトヨタ自動車・日産自動車を抑えて国内首位に君臨。現代ではスカイアクティブ技術と魂動デザインを武器に商品力の高い自動車づくりに注力、世界的に熱心なファンを抱える。1980年代以降は米フォード傘下であったが2008年に関係解消、2017年からはトヨタ自動車と資本業務提携。

POINT

・年産150万台規模の中堅自動車メーカー、自動車デザインに定評
・売上高・利益は2021年から急成長、財務体質もそこそこ良好
・平均年収658万円だが課長職レベルなら900万~1,000万円に達する

就職偏差値

65(中堅上位)

日本企業における中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔売上高と営業利益

マツダの売上高は2022年まで売上高3兆円レベルでの推移が続いていたが、2023年には売上高4.82兆円まで急伸*1。営業利益は2020年まで減少傾向にあったが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には2,505億円まで増加*2。
*1:2021年以降の売上高・利益の好調は、①為替レートの円安推移による為替効果。②欧州・北米におけるラージ商品群の販売好調、が主要因。当社は年間生産台数の約60%強を日本国内で生産しており、円安による為替効果を大きく享受できる特徴がある(ただし、円高局面では大きな逆風を受ける)。

✔セグメント別の状況

マツダは日本事業、北米事業(アメリカ・カナダ・メキシコなど米州全域)、欧州事業(ドイツ・フランス・イギリス・スイス・イタリア・スペインなど欧州全域)、アジア事業(中国・台湾・タイ・マレーシアなどアジア全域)、その他事業(南アフリカ・コロンビア・ほか)の5事業を有する。
当社は世界130ヶ国以上で事業展開するグローバル自動車メーカーであり、日本事業は売上高の20%にも満たない。利益面では日本事業が大きな貢献を果たしており、利益の約53%を日本事業で確保している。

✔最終利益と利益率

マツダの純利益は2020年に赤字転落*2したものの、同年以降は増益傾向へと転換*3。営業利益率は0~4%ほどの水準で推移しており、そこまで高くない水準。
*3:2020年は世界的なCOVID-19感染拡大によりマツダの新車生産・販売は大きく混乱。主力工場が操業停止したことによる特別損失が発生、純損失に転落した。

✔自己資本比率と純資産

マツダの自己資本比率は長期的に40%レベルでの推移が続いており、十分な健全性を維持できている。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2023年には純資産1.76兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

マツダの平均年収は630~680万円ほどの水準が長年に渡って継続。大卒総合職であれば30歳で480万~580万円ほど、課長職レベルで900万~1,000万円ほど。平均年齢は増加傾向が続いているが、直近でも平均年齢42.2歳であるため大手メーカーの標準的水準。

✔従業員数と勤続年数

マツダの単体従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2020年には2.26万人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4.8万人ほど。平均勤続年数は直近で17.2年と、大手メーカーの標準的な水準。

総合評価

企業格付け:B

■業界ポジション
日系自動車メーカーにおいて売上高で5位に位置する中堅自動車メーカー。世界シェアは約1%ほどだが、日本・北米・欧州などの先進国市場に強い他、東南アジアでもそこそこ存在感を放っている。世界的に熱心なファンを抱える自動車メーカーであり、魅力的な自動車づくりには定評。広島県を代表する企業でもあり、中四国エリアでは地元経済を牽引する名門企業の位置づけ。

■業績動向
急増。2020年まで売上高・利益いずれも伸び悩んだが、2021年以降は急増傾向に転換。2022年から為替レートが対ドルで円安に振れたことは大きく、為替効果で売上高・利益いずれも急伸。最近は新開発のラージ商品群によって北米市場での攻勢を強めており、高付加価値・高単価な市場を取りに行く意向。

■財務体質
まずまず良好。過去8年間に渡って自己資本比率は40%強で横ばいであり、自動車メーカーとしては標準的な水準。2000年代には販売不振と迷走で自己資本比率20%前後まで低落していたが、2010年代以降は盛り返している。

就職格付け:CC

■給与水準
直近の平均年収は658万円と中堅自動車メーカー中位級。大卒総合職でも、30歳で480万~580万円ほど、課長職レベルで900万~1,000万円ほど。地盤の広島県では十分な給与水準であるためか、企業規模・業績の割には低めの感は否めない。

■福利厚生
凡庸。家賃補助制度はなく、広島県外からの移住者にとって住宅コストが完全自己負担になるのは地味に痛い。実家から片道1時間以上の通勤者かつ独身であれば独身寮に入寮でき、家賃は月額1.5万円ほど。が、二段ベットに複数人が大部屋に居住する他、風呂トイレ洗面台は共有スペース。プライバシーはあまりない。

■キャリア
事務系総合職・技術系総合職の2職種制。事務系職種は、商品企画・購買・営業・経理・総務・人事に配属され、技術系職種は開発・設計・生産技術・生産管理・品質保証などを担当する。基本的には入社時の職種において経験を蓄積して専門性を高めるキャリアが主である。海外売上高比率は極めて高いが、年間生産台数の半分以上は広島・山口エリアでの生産であり、意外と海外赴任のチャンスはそれほど多くない。

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出典:マツダ株式会社(有価証券報告書)