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ゆうちょ銀行の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ゆうちょ銀行は、日本郵政グループに属する大手普通銀行。1890年に制定された郵便貯金法に基づき導入され、2007年の郵政民営化に伴い設立された。同じく郵政民営化にあたって設立された日本郵政の傘下にあり、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険で日本郵政グループ3社を形成。貯金残高は190兆円規模に及び、メガバンクをも突き放して国内首位。全都道府県に支店を有するのは、みずほ銀行と本行のみである。旧国有企業で巨大すぎる規模を誇るが故に、民業圧迫とならないよう上乗せ規制が課せられている。

POINT

1.預金額でメガバンクに匹敵する世界的な規模の巨大銀行
2.業績は概ね横ばいで衰退も成長もない現状維持型
3.平均年収は670万程度、金融業としては物足りない水準

業績動向

✔経常収益と経常利益

ゆうちょ銀行の経常利益は2兆円前後の推移が過去8年間に渡って継続しており、成長も衰退もない横這い推移。営業利益は5,000億円を上回って推移していた2014年頃と比較すると振るわないものの、2022年は4,909億円まで回復
*1:2022年は資金利益・経費は変わらなかったが、プライベートエクイティや不動産ファンドが好調で臨時利益1,821億円を計上したことで営業利益が好調

✔セグメント別の状況

ゆうちょ銀行は銀行業(資金運用、資金調達、手数料ビジネスなど)のみの単一事業会社である。
ゆうちょ銀行は新規事業への進出が法律で制限されており、日本郵政によるゆうちょ銀行の株式保有割合が50%以上の場合は金融庁長官・総務大臣の認可が必要。株式保有割合が下がればこの制限は緩和されるが、当面は新規業務への進出が難しい。

✔最終利益と利益率

ゆうちょ銀行の純利益は、経常利益と概ね連動しており直近では3,551億円と中庸。自己資本利益率は概ね2~3%レベルで推移しており、直近では3.46%とやや好調。

✔自己資本比率と純資産

ゆうちょ銀行の自己資本比率は4.4%と低めだが、銀行業であれば健全な水準。銀行業は顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産はほぼ横ばいで10兆円規模。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ゆうちょ銀行の平均年収は直近で677万円と金融業としては凡庸な水準だが、これは①ボーナスが郵政グループ一律であること、②多くの一般職が在籍していること、③民営化以前の賃金制度が色濃く残っていることが要因。

✔従業員数と勤続年数

ゆうちょ銀行の従業員数は緩やかな減少傾向にあるが、概ね1万人強のレベルで推移している。他方、平均勤続年数は20年を上回っており金融業としては異例の長さ。かつて公務員であった時代の名残か、安定した勤続ができる環境と推定。

総合評価

企業格付け:B

銀行としては国内首位級の規模感を誇り、世界的に見ても200兆円規模の運用を行っている金融機関は極めて希少。民営化直後は資金の大半を国債運用で賄っていたが、民営化後は積極的に名門金融機関の有識者を招き入れて、積極攻勢に転換。今では株式・債券による高度な運用に取り組んでいる。課題は日本郵政グループとの関係性であり、特に日本郵政による株式保有割合が50%以上のうちは新規事業にも進出できない。グループの楔と将来的にも共存するのか、自主独立の道を歩むのかは依然として不透明な状況。

就職格付け:BB

金融業でありながら平均勤続年数が20年を上回る終身雇用寄りの勤務環境が最大の魅力。企業イメージも良好でゆうちょ銀行を使ったことがない日本人は珍しい位。他方、最大の課題は平均年収の少なさであり、平均年齢44歳で平均年収677万円はかなり厳しい。行員の中でも給与体系への不満は燻っており、昇給スピードの遅さも相まって若いうちは給与の少なさが不満となるか。総合職であれば給与体系は純民間銀行に近づくものの、ゆうちょ銀行の総合職に採用されるポテンシャルであれば他の内定を得るのも難しくはない筈。安定・終身雇用・企業イメージと給与。どちらを選ぶかのセンスが問われる。

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