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【勝ち組?】ベイカレント・コンサルティングの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ベイカレント・コンサルティングは、デジタル戦略策定・システムインテグレーションを主力とするコンサルティング会社。1998年にIT技術者派遣を主力とするピーシーワークスとして創業、2006年に現社名へと社名変更。戦略・業務・ITなど多種多様な領域に対応する日系コンサルファームであるが、最主力はITコンサル領域。顧客企業のITプロジェクトの進捗管理を支援するPMO領域に強み。現在では、時価総額1兆円を突破、日系コンサルティング会社としては野村総合研究所に次ぐ業界2位の時価総額を誇る。

POINT

・IT領域に強みを持つ日系コンサルティング会社、PMO案件が多め
・売上高・利益いずれも急成長、財務体質も自己資本比率70%以上で優良
・30代で年収1,000万円超えも可能だが、平均勤続年数は4.0年と短い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:69(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。急激な業績成長と業界上位の給与水準で、評価を年々高めている。終身雇用は望み難いが、キャリア価値の高さから次の転職先を探すのも困らない。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

急激な事業拡大を追い風に積極採用を継続中。新卒採用は年間100人~200人ほど、中途採用でも数多くの求人が常時掲載されている。門戸は広いが、入社後に生き残るには相当の能力が必要。
採用大学:非公開

業績動向

✔売上高と営業利益

ベイカレント・コンサルティングの売上高は右肩上がりの成長が続いており、2024年には過去最高となる1,160億円に到達*1。過去8年間でも売上高を5倍以上に拡大している。営業利益も右肩上がりで増加しており、2024年には過去最高となる426億円に到達している。
*1:当社の業績拡大が続いている理由は、①デジタル投資ブームによるITコンサル・ITプロジェクトの需要増加、②競争力ある賃金設定とワンプール制による積極的な人材採用、③営業専門チームによる積極的な大型案件の受注、など。

✔セグメント別の状況

ベイカレント・コンサルティングは、コンサルティング事業(戦略コンサルティング・業務コンサルティング・ITコンサルティングなど)、のみの単一事業会社である。
当社は前身企業(ピーシーワークス)の時代からIT分野におけるコンサルティングを得意としてきた。が、最近では総合・戦略ファームとしての認知拡大を模索しており、戦略コンサルティング案件にも積極的。外資系戦略ファームからの転職者も数多く受け入れることで、対応領域の拡大を進めている。

✔最終利益と利益率

ベイカレント・コンサルティングの純利益は右肩上がりの増加が続いており、2024年には過去最高となる307億円に到達。営業利益率も増加傾向にあり2020年以降は30%以上の高利益率を確保している。事業拡大と利益率向上を両立しているうえ、業界トップクラスの利益率を誇っている。

✔自己資本比率と純資産

ベイカレント・コンサルティングの自己資本比率は75.7%(2024年)と極めて高水準にある。事業拡大・高利益率のみならず、実質的な無借金経営をも実現しており、非の打ち所がない。純資産も右肩上がりで増加が続いており、2024年には944億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ベイカレント・コンサルティングの平均年収は2019年から1,030万~1,100万円ほどで推移している。2024年には平均年収1,349万円に上振れているが、これは持株会社制への移行が主要因。平均年齢は31.2歳(2024年)と若い組織であり、若くして高収入を得られる。
*2:当社は従業員の給与水準を戦略的に高く設定することで良質な人材を確保することに注力してきた企業である。コンサルタント職における新卒初任給は600万円(2024年)に設定されており、外資系コンサルティング会社にも引けを取らない(参考リンク)。

✔従業員数と勤続年数

ベイカレント・コンサルティングの単体従業員数は2023年に4,321人に到達したが、2024年には持株会社制への移行により急減。2024年は593人ほどの企業規模となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,467人ほど。平均勤続年数は4年(2024年)と極端に短い。

総合評価

企業格付け:A

日系コンサルティング会社としては歴史が非常に浅い会社ではあるが、昨今の目覚ましい業績拡大によって株式投資家から高く評価されている企業。業績においては、過去8年間で売上高を5倍以上・営業利益を10倍以上に拡大しており、圧巻の成長率を誇る。そのうえ、営業利益率30%以上と同業他社よりも著しく高水準であり、規模拡大と利益率向上を同時並行で実現している類稀な企業でもある。財務体質においても自己資本比率70%以上で実質無借金経営と極めて優良な経営を続けている。成長性・利益率・財務体質どの角度で見ても非の打ち所がなく、まさに模範的な経営を実践している。それもあって2016年の上場から僅か8年で株価は35倍以上に上昇、今や時価総額は1兆円を超えている(日系コンサルティング会社としては野村総合研究所に次ぐ業界2位である)。株式投資家を沸かせた2010年代における伝説の企業である。

就職格付け:BBB

総合コンサルティングファームを標榜し、戦略・業務・ITなど多くの領域でコンサルティング事業を展開…するが、実際にはITコンサルが主力であり、客先常駐形式を多くとる。故に、戦略コンサルティングを夢見て入社した場合には想像と違うプロジェクト案件が多いことに気が付く可能性が大。とはいえ、業績拡大による利益を従業員へ還元することで平均年収1,100万円台にまで到達させているため、給与水準は大きな魅力である。平均年齢が32歳と若いため「若くして稼げる」企業であることは間違いなく、日系コンサル会社としてみても上位級の待遇である。ただし積極的な賃上げにも関わらず、平均勤続年数が5年にも満たない状態が長らく続いている。企業としての成長性は断トツで優良であって平均年収も大いに魅力的であるが、終身雇用を期待できる会社ではない。…が、当社におけるハードなコンサルティング経験は、仮に転職するとしても『キャリアの箔』として大いに有効であるから、挑戦する価値は大いにある。

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出典:株式会社ベイカレント(有価証券報告書)