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飲料メーカー

雪印メグミルクの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

雪印メグミルクは、牛乳・チーズ・バター・ヨーグルトなどの製造・販売を主力事業とする乳製品メーカー。1950年に過度経済力集中排除法によって北海道酪農協同から分割設立された雪印乳業を源流とし、1990年代には売上高1兆円を越える巨大食品グループに発展。が、2000年代に集団食中毒事件・産地偽装事件を引き起こしたことで瓦解。現在では乳製品に特化した企業に変革しており、バター・マーガリン・チーズで国内シェア首位を誇る。牧草・飼料種子も手掛けており、国内シェアは50%以上。

POINT

1.大手乳業メーカー4社の一角、最近はチーズ・バターが利益の柱
2.売上高・利益いずれも安定的、財務体質は健全で安定的
3.平均年収723万円で業界中堅上位クラス、住宅補助がかなり充実

業績動向

✔売上高と営業利益

雪印メグミルクの売上高は長年に渡って6,000億円前後の水準で極めて安定的だが、2021年のみ5,500億円まで急後退*1。営業利益は130億~190億円レベルで安定的に推移しており、景気後退局面にも利益をしっかりと確保。
*1:雪印メグミルクの売上高が2021年に急落したのは、会計基準の変更が主要因であり事業不調によるものではない。2020年3月31日から収益認識に関する会計基準が新たに適用され、同基準に従ったことが変化点となっている(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

雪印メグミルクは、乳製品事業(チーズ・バターなど)、飲料デザート事業(牛乳・ヨーグルトなど)、飼料種苗事業(雪印種苗)、その他事業(共同配送センター運営・不動産賃貸など)、の4事業を有する。
雪印メグミルクは牛乳のイメージが強いが、実際には乳製品事業と飲料デザート事業がほぼ互角の売上高。利益では乳製品事業が全社利益の約75%を占めており、チーズ・バターなどが利益のコアとなっている。

✔最終利益と利益率

雪印メグミルクの純利益は90億~150億円ほどの水準で推移しており、こちらも非常に安定的な推移。営業利益率2%~3%ほどの水準で安定推移しており、飲料メーカーとしては利益率は低め。

✔自己資本比率と純資産

雪印メグミルクの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2021年には50%台に到達。利益が安定しているのみならず、財務体質も極めて良好である。純資産も長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には2,159億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

雪印メグミルクの平均年収は2017年に700万円台に上昇して以降は、705万~720万円ほどの水準で安定。食品・飲料メーカーとしては中堅上位クラス。大卒総合職は30歳で480万~550万円、課長職レベルで900万~1,000万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

雪印メグミルクの単体従業員数は長期的に3,000人レベルで推移しており、増えも減りもしない横這いが続く。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,700人ほど。平均勤続年数は直近で15.4年と大手企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:B

明治・森永乳業・よつ葉乳業と並ぶ、大手乳業メーカー4社の一角。雪印メグミルクの業績は過去10年間は極めて安定的であり、景気後退局面においても着実に利益を積み上げてきた。少子高齢化の影響で牛乳の需要は緩やかな縮小傾向にあるが、最近では健康志向の高まりで乳製品の売上高が拡大。チーズやバターなどが利益の柱として育ってきている状況。財務体質も極めて健全であり、自己資本比率50%を上回りつつある状況。成長企業ではまったくないものの、安定感においては優良企業と評価することができるだろう。

就職格付け:B

日本人ならば誰もが口にしたことがあるであろう「恵ヨーグルト」や「雪印コーヒー」などの製品を販売する大手乳業メーカー。牛乳業界は鮮度が重要であることから各地域に地場の中小牛乳メーカーが今でも健在であり、一般的な飲料業界とは異なり大手企業による支配があまり進んでいない業界。他方、ヨーグルト・バターなどの製品はマーケティング・ブランド力が重要であることから雪印メグミルクなど大手企業のシェアが高い。平均年収は700万円台前半で安定しており、食品・飲料メーカーとしては(一部の超最大手企業を除けば)高い方である。見逃せないのは福利厚生であり、住宅補助はかなり手厚い。家賃補助制度では月額家賃の60%~75%を補助してくれるうえ、年齢制限などが設けられていないのは珍しい。食品業界最大手と比べれば倍率はやや低い為、狙い目かもしれない。北海道に工場が多数立地している点には要注意。

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