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【勝ち組?】ジヤトコの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ジヤトコは、自動車向け無段変速機(CVT)・オートマチックトランスミッションを主力とする自動車部品メーカー。1943年に日産自動車の航空機部門として設立、日本陸軍向けの航空機エンジンを製造した。終戦後には自動車部品工場へと転換、1967年にはオートマチックトランスミッションの量産化に成功。1970年には日産自動車から分離独立、米・フォードやマツダからの出資を受ける。2000年代には無段変速機の大量生産を遂行、世界トップシェアの無段変速機メーカーへと躍進した。現在では無段変速機において世界シェアの約半分を掌握、軽自動車用から大型乗用車用までの無段変速機の生産に対応している。

POINT

・自動車向け無段変速機で世界シェア断トツ首位、静岡県が地盤
・売上高・利益は2017年をピークに減速、財務体質は大いに良好
・総合職・30歳で年収650万~が目安、主力拠点は静岡県内に集積

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:62(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間30人~50人ほど。静岡県に本社を置く企業としてはトップ5に食い込み、富士エリアでは最高峰の企業規模である。同県出身者には有望なUターン先。
採用大学:【国公立】九州大学・広島大学・千葉大学・静岡大学・福井大学・山梨大学・東京都立大学・九州工業大学など、【私立】明治大学・青山学院大学・東海大学・芝浦工業大学・金沢工業大学・工学院大学・静岡理工科大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

ジヤトコの売上高は2018年までは4,000億円レベルで推移していたが、同年以降は減少傾向に転換*1。2020年からは売上高2,700億〜3,200億円レベルでの推移が続いている。営業利益も2017年には333億円を記録したが、同年以降は▲20億〜130億円ほどで推移。
*1:2021年から売上高が減少している理由は、①主要顧客である日産自動車の生産台数の縮小による販売減少、②中国市場における電気自動車の販売台数の増加による無段変速機(CVT)需要の減少、など。

✔セグメント別の状況

ジヤトコは、変速機事業(自動車向け無段変速機・オートマチックトランスミッションなどの製造・販売)のみの単一事業会社である。
当社は自動車向けの変速機産業メーカーであり、主に無段変速機(CVT)とオートマチックトランスミッションを生産している。とりわけ無段変速機では世界シェアの約半分を掌握する断トツ首位の地位を築いており、主要取引先は日産自動車三菱自動車工業スズキマツダ・フォルクスワーゲン・ルノーなど。

✔最終利益と利益率

ジヤトコの純利益は2018年まで180億~240億円で推移していたが、同年以降は▲130億~130億円ほどで推移している。営業利益率は▲1%〜7%ほどで推移しており、2019年以降は営業利益の浮き沈みが続いている状況。

✔自己資本比率と純資産

ジヤトコの自己資本比率は長期的に60%~68%ほどで極めて安定的に推移しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。一時的な業績低迷であれば余裕で耐え凌げるだけの財務基盤が整っている。純資産は長期的に2,400億~2,600億円で横ばいが続いている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ジヤトコの平均年収は非公開だが、長期的に650万円~680万円ほどで推移していると推定される*2。大卒総合職の場合、30歳で年収550万~680万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円が目安。地盤の静岡県・富士エリアではトップクラスの給与水準を得られる。
*2:この平均年収は求人情報・企業口コミ情報をベースに当組織が業績・平均年齢・平均勤続年数を加味して推計した数値である。

✔従業員数と勤続年数

ジヤトコの単体従業員数は緩やかな減少傾向にあり、2023年には4,909人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.25万人ほど。平均勤続年数は18.8年(2023年)と大企業の標準的な水準を上回り、従業員の定着は良好である。

総合評価

企業格付け:CCC

かつて日産自動車の吉原工場として誕生したが、1970年に同社から分離独立した自動車部品メーカー。2000年代からは無段変速機(CVT)分野のトップメーカーとして発展、同分野において世界シェアの約50%を掌握する業界最大手である。無段変速機は自動車におけるトランスミッションの一種類であるが、きめ細かな減速比を実現できることからエンジンの効率が高い回転域を多用でき、燃費の面でも利点がある(参考リンク)。2017年にはグローバルでの累計生産台数1億台を突破しており、国内外の自動車メーカーに多数採用されている。業績においては2017年頃をピークに売上高・利益が減少していたが、これは主要顧客である日産自動車の生産台数の縮小による販売減少が主要因。他の自動車メーカーとの取引においても、(無段断変速機を必要としない)電気自動車の販売増大やオートマチックトランスミッションとの競争激化もある。財務体質においては相当に保守的であり、自己資本比率68.1%(2023年)と大いに良好。一時的な業績低迷であれば余裕で耐え凌げるだけの財務基盤であると評価できるだろう。

就職格付け:CCC

静岡県においては売上高で上位5社に食い込み、地盤である富士エリアにおいては絶大な存在感を誇る企業。一般知名度は極めて低いが、自動車業界に身を置く者ならば誰もが知るだけの業界ポジションは固めている。給与水準においては自動車部品メーカーとしては上位クラスの待遇であり、総合職なら30歳で年収650万~680万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円には到達する。福利厚生においては住宅補助が手厚く、家賃補助制度では入社後10年間に渡って最大4万円/月が補助される。本社機能・主力拠点の殆どは静岡県内に集積(一部の機能のみが神奈川県・京都府にある程度)であるため、不用意な長距離転勤を経験せずに根を下ろして生活できることは大きな強み。そして富士エリアであれば当社の給与水準でも相当にリッチな生活が送れるため、特に静岡県への就職を希望する場合には有力候補として考えることができるだろう。

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出典:株式会社ジヤトコ(決算公告)