本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
ローランドは、電子ドラム・電子ピアノ・シンセサイザーなどを主力とする電子楽器メーカー。1972年に梯郁太郎が楽器メーカーとして大阪府大阪市で創業。1970年代にはシンセサイザー・ギターアンプを発売し、その後は電子ピアノ・エフェクトへと事業領域を広げた。1980年代には『TR-808』『TR-909』などのリズムマシンや各種シンセサイザーを相次いで投入し、パソコンと電子楽器を組み合わせたDTMという新たな音楽制作市場も開拓した。2000年代には鍵盤・管打楽器・ギター機器・シンセサイザーを幅広く展開する現在の製品ポートフォリオを確立。現在では総合電子楽器メーカーとして知られ、ソフトウェア音源やクラウド型サービスなどデジタル領域を強化している。欧米市場において高いブランド力を誇り、海外売上高比率は約90%にも達する。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:61(中堅上位)
世界的知名度を有する総合楽器メーカー。音楽関連業界としてはトップレベルの給与水準を得られ、従業員の定着も極めて良好。音楽を職にしたい場合には有力な候補となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間10人~15人ほど。数少ない上場企業の大手楽器メーカーかつグローバル企業ゆえに人気は高い。採用人数も少ないために選考倍率は高め。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・静岡大学・熊本大学・岐阜大学・静岡県立大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・青山学院大学・関西学院大学・関西大学・東洋大学・名城大学・愛知大学・工学院大学など(出典:リクナビ2026)
業績動向
✔売上高と営業利益
ローランドの売上高は2020年まで600億円レベルで推移していたが、2021年からは増加傾向に転換。2023年には過去最高となる売上高1,024億円に到達*1。営業利益は長期的に50億~120億円ほどで推移しており、2023年には過去最高となる営業利益118.7億円に到達している。
*1:2021年から売上高の増加が続いた理由は、①COVID-19感染拡大期に自宅で余暇を楽しめる電子楽器需要の増加、②製品ラインナップの見直しによる高価格帯モデルの強化、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
✔セグメント別の状況
ローランドは、鍵盤楽器事業(電子ピアノ・電子アコーディオン・ポータブルキーボード・MIDIキーボードなど)、管打楽器事業(電子ドラム・パーカッション・電子管楽器など)、ギター事業(エフェクター・ギターアンプなど)、クリエーション事業(シンセサイザー・DJ機器など)、映像音響事業(ビデオ・ヘッドホンなど)、その他事業、の6事業を有する。
当社の事業構造は、電子楽器を中核とする総合楽器メーカーとして成立している。鍵盤楽器・管打楽器・ギター関連機器・シンセサイザー・音楽制作機器を幅広く展開しており、電子ピアノ『Roland』、電子ドラム『V-Drums』、ギターエフェクター『BOSS』など、それぞれ異なる市場で強いブランドを持つ。最大の強みは、電子楽器分野における高い技術力とブランド資産にある。『TR-808』『TR-909』などのリズムマシン、『BOSS』のエフェクター、『V-Drums』など、音楽制作や演奏スタイルそのものに影響を与えた製品を長年にわたって生み出してきた。地域別に売上高を分解すると、国内市場が約9%に留まる反面、北米・欧州市場が最大の稼ぎ頭となっている。
✔最終利益と利益率
ローランドの純利益は2022年には過去最高となる89.3億円に到達したが、同年以降はやや減少傾向がみられる*2。営業利益率は8%〜13%まで推移しており、楽器メーカーとしては高めの利益率を安定的に確保できている。
*2:2025年に純利益が減少した理由は、①2022年に買収した米国ドラムメーカー・ドラムワークショップにおける減損損失▲38.6億円の計上、②米国関税政策への対応遅れやサプライヤー品質問題、③競合他社の新製品の拡販による電子ドラムの販売減速、など。
✔自己資本比率と純資産
ローランドの自己資本比率は40%〜56%のレンジでの横ばいが続いている。安定的な利益体質を加味すれば、財務健全性に特段の問題はない水準だろう。純資産は2020年まで180億~200億円で推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2024年は純資産466億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ローランドの平均年収は2022年には790万円に達したが、長期的には690万〜720万円ほどで推移している。総合職の場合、30歳で年収480万~580万円ほど、課長職レベルで年収850万~950万円が目安。音楽業界としては高めの給与水準を安定的に得られるのは強み。
✔従業員数と勤続年数
ローランドの単体従業員数は850人~890人ほどでの横ばいが続いており、一般知名度の割には少数精鋭の組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,897人ほど。平均勤続年数は19.9年(2025年)と大手企業の標準的水準を上回っており、従業員の定着は大いに良好である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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