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【勝ち組?】ジャフコグループの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ジャフコグループは、ベンチャー投資・バイアウト投資・ファンド運営などを手掛ける大手ベンチャーキャピタル。1973年にベンチャー投資を目的として野村證券日本生命・三和銀行の合弁会社として設立。以来、日本最古かつ最大のベンチャーキャピタルとして君臨してきた。主力事業はベンチャー企業投資とバイアウト投資であり、累計投資先数は4,167社にも上る。日本を代表するベンチャー企業群にも投資実績があり、チャットワーク・マネーフォワード・UUUMなどが株式上場を果たしている。

POINT

・日本最古かつ最大のベンチャーキャピタル、旧野村グループ
・売上高・利益は横ばい傾向が強い、金融環境の悪化で直近の業績は暗雲
・平均年収1,278万円、新卒でVC業界に入社できる稀有な企業

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:76(最高峰)

日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

総合職の採用人数は年間たったの5人~8人ほど。国内最高峰のベンチャーキャピタルとして著名であり、ハイレベル大学からの応募が多い。高待遇かつ貴重な経験を得られる企業だけあって競争は激しい。
採用大学:【国公立】東京大学・東京工業大学・京都大学・大阪大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・東京理科大学など(出典:ジャフコYourPartners

業績動向

✔売上高と営業利益

ジャフコグループの売上高は通常の事業会社とは異なる収益構造ゆえに上下変動が激しい*2。2022年には売上高140億円に沈んだ一方、2024年には296億円まで回復。営業利益は長期的に120億~190億円ほどで推移しているが、2022年のみ営業損失44億円を計上*2。
*1:当社の売上高は主にファンド管理報酬・成功報酬・キャピタルゲインから構成される。それゆえ金融マーケット、特に株式市場の好不況により業績を大きく左右される事情がある。
*2:2022年は世界的に金融引き締めが進んだことで事業環境が悪化。キャピタルゲインが大きく減った他、将来の業績悪化に備えた投資損失引当金を繰入したことで赤字転落。

✔セグメント別の状況

ジャフコグループは、ファンド運用事業(ベンチャー投資・バイアウト投資・投資ファンド運営・投資先への経営アドバイザリーなど)のみの単一事業会社である。
当社の主力事業は国内外における未上場株式への投資。当社が設立した投資ファンドがベンチャー企業へ投資するビジネスモデルであり、①ファンド管理報酬・成功報酬、②キャピタルゲインの分配、を得ている。当社のファンドには金融機関・事業会社も参画しており、過去の出資金の総額は1兆円以上に及ぶ。

✔最終利益と利益率

ジャフコグループの純利益は、2020年・2022年に大きく増加*3しているが、同年を除けば74億円~242億円ほどで推移している。営業利益率は平常時には40%~60%で推移しており、極めて高利益率である。2022年のみ営業利益率▲31%まで急悪化したが、これは一過性の要因。
*3:2022年は本業は赤字転落していたが、有価証券売却による特別利益で純利益を確保。長年に渡って保有していた野村総合研究所の株式をすべて売却して特別利益637億円を計上。

✔自己資本比率と純資産

ジャフコグループの自己資本比率は80%以上の高水準で推移しており、大いに健全な水準にある。ベンチャー投資は自己資金とファンド資金で賄っており、有利子負債は頼っていない。純資産は2020年に2,152億円まで増加したが、同年以降はピークアウト。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ジャフコグループの平均年収は長年に渡って1,040万~1,270万円ほどで推移している。2022年には1,365万円まで上振れたが、同年以降は微減している。大卒総合職であえば30歳で1,000万~1,250万円、課長職レベルで1,500万~1,800万円ほど。総じて、大手金融機関をも上回る給与水準を達成している。

✔従業員数と勤続年数

ジャフコグループの単体従業員数は100人規模に過ぎず、極めて少数精鋭の組織体制となっている。平均勤続年数は14年(2023年)まで微減しているが、これは採用強化による従業員数の増加の反動減である。

総合評価

企業格付け:AAA

日本最大のベンチャーキャピタルであり、非上場株式への投資においては日本屈指の実績を有する名門企業。50年以上に及ぶ歴史において累計投資先数は4,000社を優に上回り、うち1,000社以上を株式公開まで導いてきた。業績においては2021年から伸び悩む状況だが、これは世界的な金融引き締めによって当社が得意とする未公開株式の投資先としての魅力が低下したことが主要因。未公開株式への資金流入が減少したことでファンド関連報酬やキャピタルゲインが低下する状況にある。あくまでも金融環境の逆風による業績悪化であり当社の投資手腕が鈍っているわけではないが、事業環境は楽観視できないだろう。財務体質においては自己資本比率80%レベルと極めて堅実であり、負債に依存しない投資スタンスを貫いている。倒産リスクとはまず無縁といえるだろう。

就職格付け:S

日本・アジア・アメリカでベンチャー投資を実践する日経最大手のベンチャーキャピタル。新事業を開拓する新興企業に対して投資することで事業成長を支えてきた歴史があり、最近ではUUUMやマネーフォワードなどの著名企業も当社が創業初期から投資を実行して支援してきた。一般知名度は高くないものの、新興企業への支援を通じた日本経済への貢献度合いは絶大である。給与水準は平均年収1,000万〜1,200万円ほどで安定しており、30歳前後で年収1,000万円は優に超える。外資系ベンチャーキャピタルと比べると薄給であるが、当社は平均勤続年数15年近くをキープしており従業員の定着が良い点が強み。福利厚生も極めて恵まれており、家賃補助制度では最大10万円/月までを支援。日系最大手企業のなかでもトップクラスの補助額である。そもそとベンチャーキャピタル自体が新卒採用をしない企業が多数を占めるなか、新卒採用・中途採用いずれも取り組んでいるだけでも珍しい。メガバンクとは異なりドサ周り営業を経験せず、最初からダイナミックなベンチャー投資に携われるキャリアパスも極めて恵まれている。総じて、日本企業トップクラスの優良企業である。。

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出典:ジャフコグループ株式会社(有価証券報告書)