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【勝ち組?】サイバーエージェントの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

サイバーエージェントは、インターネット広告・スマートフォンゲーム・ネットメディアを主力とするIT企業。1998年に藤田晋らが設立され、創業当時からインターネット広告事業に取り組んできた歴史を持つ。スマートフォン黎明期からスマートフォン向けの広告に着目、早期シフトを図ったことで日系IT企業として国内トップシェアを確保することに成功した。事業多角化・新規事業にも熱心であり、AbemaTV・Cygames・マクアケ・WinTicketなどの優良子会社を多数擁する。

POINT

・ネット広告・ゲーム・メディア事業を主力とする国内首位級のメガベンチャー
・売上高は右肩上がりで増加、大ヒットゲームで利益急伸するも直近は失速
・平均年収882万円、新卒初任給42万円への引き上げが話題に

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:69(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

採用人数はビジネスコース・エンジニアコースを合わせると年間200人以上と門戸は広い。ただし、大卒総合職の出身大学は有名私立大学が多数。メガベンチャーといえども今や有名大企業並みの難関となっている。
採用大学:【国公立】東京大学・筑波大学・千葉大学・横浜国立大学・電気通信大学、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・同志社大学・明治大学・青山学院大学・東京理科大学など(出典:ダイヤモンドオンライン

業績動向

✔売上高と経常利益

サイバーエージェントの売上高は右肩上がりの成長トレンドにあり、2024年には過去最高となる8,029億円に到達。とりわけ2021年には著しい売上高の増加を遂げている*1。営業利益は2021年・2022年に急増したが、長期的には245億~410億円ほどで推移している*2。
*1:2021年の売上高・利益の急増は、スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の大ヒットによるもの。ゲーム事業の売上高は1,558億円(2020年)から2,627億円(2021年)へと1,000億円以上の増加となり、利益も303億円(2020年)から964億円(2021年)に急増)
*2:2023年の利益急減は『ウマ娘 プリティーダービー』の減速によるもの。ゲーム事業の営業利益が964億円(2021年)から227億円(2023年)まで減少しており、痛手となった。

✔セグメント別の状況

サイバーエージェントはメディア事業(ABEMA、WINTICKET、Amebaなど)、インターネット広告事業(広告、AI・DX事業など)、ゲーム事業(スマートフォン向けゲーム)、投資育成事業(ベンチャーキャピタル運営)、その他事業(クラウドファンディング・スポーツ事業など)、の5事業を有する。
当社はネット広告から事業多角化に成功した企業であるが、今なおネット広告事業が売上高の約51%を占めている。ゲーム事業はヒット作の有無による浮き沈みが激しいが、2024年は全社利益の約57%を稼ぎだしている。メディア事業は『ABEMA』の黒字化がなかなか果たされず、赤字推移が続いている。

✔最終利益と利益率

サイバーエージェントの純利益は2021年・2022年はゲーム事業の好調に牽引されて急増したが、同年以降は再び減益傾向となっている。営業利益率は2021年・2022年を除けば3%~7%ほどでの推移が定着しており、企業イメージの割には利益率は高くない。

✔自己資本比率と純資産

サイバーエージェントの自己資本比率は30.6%(2024年)とやや低めの水準。2017年までは50%前後の高水準で推移してきたが、2018年に急落して30%台となった経緯がある*3。純資産は2021年から右肩上がりの増加をみせており、2024年には2,542億円に到達している。
*3:当社は2018年にAbemaTVに関わる新規投資・M&Aへの資金調達として総額400億円のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行(参考リンク)。これにより自己資本比率が低下した。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

サイバーエージェントの平均年収は882万円(2024年)とメガベンチャーとしてはトップクラスの給与水準。平均年齢は33.7歳(2024年)とかなり若く、若くして高い給与水準を得られる。2023年から新卒初任給を42万円に上げたことで話題となった。

✔従業員数と勤続年数

サイバーエージェントの単体従業員数は2021年から増加しており、2024年には2,364人に到達している。平均勤続年数は5年~6年と短いが、平均年齢34歳の若い組織であることを考えれば違和感はない。ただし、安定した終身雇用をも期待できるかは企業年齢が若いため不透明。

総合評価

企業格付け:BBB

メガベンチャーの代表格ともいえる企業だが、売上高や営業利益などの指標から言えば立派な大企業。祖業はインターネット広告だが、CygamesやAbemaTVなど様々な分野に積極的に進出して事業を育て上げており、事業運営は巧み。今ではベンチャーキャピタルを事業として持ち、シード・アーリーステージのスタートアップへ投資、新たなビジネスチャンスを伺っている。業績においては売上高を長期的に伸ばし続けており、売上高1兆円の達成もそう遠くはなさそうな状況。ただし営業利益・純利益はゲーム事業のヒット作の有無に左右されやすく、同事業が不振だと営業利益率5%前後と凡庸な水準になる側面もある。とはいえ、最近では最終赤字への転落は起こしておらず、不安定さを抱えつつも着実に事業規模を拡大しつづけているとも評価できよう。財務体質においては自己資本比率30.6%(2024年)とそれほど高くはないが、有利子負債463億円(2024年)に対して手元の現預金は2,111億円(2024年)と圧倒的にキャッシュリッチである。

就職格付け:BBB

今では一般知名度が高い有名企業のため世間体も良く、広告・ゲーム・メディアなど幅広いサービスが支持されている企業。給与水準においては平均年収882万円(2024年)とメガベンチャーとしてもトップクラスの待遇。2023年から新卒初任給は年棒制504万円(月給42万円)とコンサル会社並みの給与体系となった。固定残業制80時間/月(職種によっては46時間/月)のため、ほぼ残業代コミコミの年収だが、それでも高い。福利厚生においては家賃補助制度に独特の『2駅ルール(オフィスの最寄駅から2駅圏内に住んでいると月額3万円を支給)』と『どこでもルール(5年以上継続勤務すると無条件で月額5万円を支給)』が導入されている。女性支援の福利厚生には力を入れており、①妊活休暇(月1回)、②体調不良時の特別休暇(月1回)、③卵子凍結補助(40万円)、④妊活コンシェル(無料)、などが導入されている。

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出典:株式会社サイバーエージェント(有価証券報告書)