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半導体製造装置メーカー

レーザーテックの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

レーザーテックは、半導体マスク欠陥検査装置やレーザー顕微鏡をコア製品とする半導体検査装置メーカー。1960年に内山康が創業した日本自動制御を源流とし、1986年に現社名のレーザーテックに社名変更。世界初の技術を先んじて開発し、世界シェア100%を確立することで成長。同社が生み出した世界初には、LSIフォトマスク自動欠陥検査装置や走査型レーザー顕微鏡などがある。近年では、2017年に極端紫外線EUVを用いたパターンマスク欠陥検査装置を完成させ、世界シェア100%を確立。

POINT

1.世界初の技術で世界シェア100%製品多数の半導体検査装置メーカー
2.売上高は2018年から急成長、利益率も高いうえ実質無借金経営
3.平均年収1400万円程度と高待遇、ただし入社は極めて狭き門

業績動向

✔売上高と営業利益

レーザーテックの売上高は長らく100億円規模で推移してたが、2018年頃から急成長に転じて2022年には904億円に到達*1。営業利益も売上高に比例して急成長を遂げており、直近では325億円に到達。
*1:レーザーテックが2019年に極端紫外線EUVによるパターンマスク検査装置が急成長。世界シェア100%かつ5GやAIに用いられる微細化半導体の製造工程に不可欠の装置であったことから急成長。

✔セグメント別の状況

レーザーテックは検査測定機器事業(検査装置、クリーニング装置、レーザー顕微鏡など)のみの単一事業会社である。

✔最終利益と利益率

レーザーテックの純利益は売上高に連動して2018年頃から急成長、直近では249億円を記録。自己資本利益率は直近で34.2%と極めて高い利益率となっている。

✔自己資本比率と純資産

レーザーテックの自己資本比率は右肩下がりの下落傾向にあり、直近では40.7%に低落。ただしこれは販売急増による前受金が負債として計上された為であり、有利子負債はほぼゼロ。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では727億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

レーザーテックの平均年収は増加傾向にあり、直近で1,448万円に到達。業界首位の東京エレクトロンに勝るとも劣らない給与水準を実現している。ファブレスメーカーのため採用の大半は研究職、そのため社員の平均年収も高めになる。平均年齢は40歳を上回っており、社員の年齢構成も高め。

✔従業員数と勤続年数

レーザーテックの従業員数は右肩上がりで増加を続けて2022年には662人に到達したが、少数精鋭の小規模組織となっている。平均勤続年数は9.2年と短いが、これは急激に社員数を増やした反動。

総合評価

企業格付け:AAA

社員数1000人規模の半導体検査装置メーカーでありながら、世界初のニッチトップ製品を次々と生み出す革新的メーカー。世界最先端の分野で世界シェア100%を奪い取る戦略により、高収益を確立。更に、工場を持たず研究開発に特化するファブレス経営により財務体質も堅牢。強引に問題提起するとすれば、やはり売上高1,000億円に満たない企業規模。栄枯盛衰が激しく好不況サイクルも厳しい半導体業界で永続できるかはやや不安。とはいえ実質的な無借金経営、歴史も意外と古く50年以上に渡って激動の半導体業界で生き残っている為、余計な心配かもしれない。

就職格付け:AAA

世界最先端の技術力で世界初を生み出す、まさしく人類の技術開拓の最前線で戦うテクノロジー企業。従業員1,000人に満たない少数精鋭の組織であるため、従業員1人1人の存在意義も抜群。好業績を高い給与水準で社員に還元しており、平均年収は1400万円オーバー。拠点は神奈川県横浜市の1拠点のみであり、大手メーカーや大手金融にありがちな高年収と引き換えの僻地勤務・連続転勤とも無縁。ただし入社は極めて狭き門であり、新卒採用人数は積極採用を強める昨今でも20名/年ほど。おまけに募集対象は理工系の大学・院卒のみであり、入社ハードルが著しく高い。また知名度の低さもネックで、一定のリテラシーがある知識層であれば超有名企業とはいえ一般社会での認知度は絶望的に低い。

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