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【勝ち組?】カルビーの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

カルビーは、スナック菓子・シリアルフードの製造販売を取得とする大手菓子メーカー。1955年に団子・キャラメルなどの製造を目的として広島県広島市で松尾孝が創業。小麦原料の菓子に着目して『かっぱえびせん』を商品化し、1966年には海外展開を開始。1975年には湖池屋が開拓していたポテトチップス分野へと進出。現在では同分野で国内1位のシェアを確立しており、代表的商品は『ピザポテト』や『堅あげポテト』など。シリアル食品でも大手であり、代表商品のフルグラは世界大手のケロッグを抜いて国内首位。

POINT

・スナック菓子・シリアルフードで国内シェア1位、菓子業界のトップ企業
・売上高・利益いずれも安定型で横ばい、財務体質は大いに優良
・平均年収819万円と業界上位、超高倍率で入社は難しいが待遇は普通

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(中堅上位)

日本企業における中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

採用数は年間60名~100名ほど、菓子メーカーとしては採用枠は多い方。しかし有名企業だけあって応募数は多く、選考倍率は非常に高い。インターネット上では当社の採用枠が年間10人未満という情報もあるが、これは子会社のカルビーポテトの採用数である。
採用大学:非公開(出典:カルビーポテトESGデータ

業績動向

✔売上高と営業利益

カルビーの売上高は2021年まで2,400億〜2,600億円レベルで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2024年には過去最高となる売上高3,225億円に到達*1。営業利益は過去8年間に渡って220億~290億円で極めて安定しており、景気後退局面にも底堅い。
*1:2024年に売上高が増加した理由は、①世界的な原材料高を受けた価格改定、②前年度における北海道のばれいしょ収穫量の回復による供給量増加、②為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

カルビーは、スナック菓子事業(ポテトチップス・じゃがりこ・かっぱえびせんなど)、シリアル事業(シリアル食品『フルグラ』『マイグラ』『ベイクドオーツ』・機能性表示食品『にゅ~みん』など)、その他事業(さつまいも等の食品製造・加工・販売など)、の3事業を有する。
当社の売上高はスナック菓子事業が約83%を占めており、主力はやはりポテトチップスなどのスナック菓子類である。とはいえ、シリアル食品が含まれる食品事業も売上高の約10%を占めるため、それなりの規模感。なお、ポップコーン分野で国内シェア首位の『マイクポップコーン』を擁するジャパンフリトレー社も当社の子会社である。

✔最終利益と利益率

カルビーの純利益は過去8年間に渡って140億〜190億円ほどで推移しており、景気後退局面にも業績は安定している。営業利益率は7%~10%ほどで安定しており、菓子メーカーとしては高めの利益率を誇る。が、2022年のみ営業利益率7%まで低下している*2。
*2:2022年の利益率減少は、世界的な原材料高が主要因。⾷油・包装材・輸⼊原料・国産ばれいしょ・エネルギー価格などの高騰スピードに値上げ対応が追い付かずに利益縮小した。

✔自己資本比率と純資産

カルビーの自己資本比率は2022年まで70%以上の水準で推移していたが、2024年は64.3%にやや後退している。とはいえ、依然として負債への依存度は低く、財務体質は大いに健全である。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2024年は2,150億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カルビーの平均年収は2023年まで720万〜790万円ほどで推移していたが、2024年には819万円まで上振れしている。総合職の場合、30歳で500万円~600万円ほど、課長職レベルで950万~1,100万ほど。年功序列色が強いため昇給ペースは遅めであり、管理職にならないと年収800万円程度で頭打ちとなる。

✔従業員数と勤続年数

カルビーの単体従業員数は緩やかな増加傾向にあり、2024年には2,290人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,130人ほど。平均勤続年数は13.9年(2024年)と大手企業の標準的な水準をやや下回る。

総合評価

企業格付け:BB

言わずと知れた大手菓子メーカーであり、スナック菓子・シリアルフード分野において国内シェア首位に君臨している業界の巨人。ポテトチップスの量産化に初めて成功したのは湖池屋であるが、当社は後発ながらも業界首位まで登り詰めた。ポテトチップス以外に目を向けても『カッパえびせん』『サッポロポテト』『フルグラ』など国民食クラスの大型商品を多数擁するのが強み。業績においては売上高・利益いずれも景気動向に左右されにくく、極めて安定的な推移を続けている。強いて言えば、利益が2016年〜2018年頃をピークに伸び悩んではいるが、世界的な原材料高の中ではよく健闘している方だろう。財務体質においても極めて健全であり、自己資本比率64.3%(2024年)と負債への依存度は低い。利益の安定性も考えれば倒産リスクとは無縁クラスか。強引に批判するとすれば海外売上高比率が28%程に過ぎない点であろうか。自社目標として「2030年までの海外売上高比率40%」を掲げるが、達成目処は不透明。

就職格付け:B

広島県発祥の大手スナック菓子メーカー。菓子業界において最大規模の企業であり、売上高においてライバル菓子メーカーを大きく引き離している。給与水準においても業界首位の地位に恥じないレベルであり、平均年収は819万円(2024年)と他社を突き放す水準にある。他業界の大手企業と比べれば超高給とも言い難いが、菓子業界自体が給与水準が低い業界である事情を考えれば健闘している方だろう。福利厚生においても優良であり、独身寮・家賃補助などの大手企業の標準パッケージは一通りそろっている。特に、社員食堂は1食150円と格安であるために、相当にお得ではある。が、菓子メーカーの例に漏れず就職人気が高いために選考倍率は極めて高いうえ、採用数は例年15人ほどに過ぎない。凄まじい超高倍率を潜り抜けて得られる待遇としては、あまりにも普通である。大手電機メーカーや自動車メーカーであればこれ以上の待遇があるうえ、企業ブランドや知名度でも遜色ない。純粋なコストパフォーマンスという観点ではかなり不利である為、己の志望度としっかり向き合っておきたい。

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出典:カルビー株式会社(有価証券報告書)