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【勝ち組?】TBSテレビの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

TBSテレビホールディングスは、TBSテレビ・TBSラジオ・BS-TBSなどを傘下に持つ大手テレビ局。1951年にラジオ東京(現・TBSラジオ)として創業。1955年にはテレビ放送へと進出して『ラジオ東京テレビジョン』放送を開始し、日本テレビに続く民間2番目のテレビ局となった。1960年にテレビ送信所を東京タワーへと移転したのち、社名を東京放送(略称・TBS)に変更。1994年には現本社のTBS放送センターを東京都赤坂に建設。現代においても民放キー局5社の一角として君臨。

POINT

・民法キー局3位、時価総額・純資産だけならば業界首位
・売上高は過去最高を更新、保有株売却で特別利益が爆増中
・平均年収1,459万円だが総合職でも30歳850~950万円ほど、福利厚生は微妙

就職偏差値

78(頂点)

日本企業における頂点の1社であり、まさしくトップクラスの勝ち組。誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。しかしそれゆえ、入社できるのは同世代の極一握りに限られ、超人的な能力・努力・運がすべて必要となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔売上高と経常利益

TBSホールディングスの売上高は横ばい傾向が強いものの、直近では3,943億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益は長期的に100億~200億円で安定しているが、過去最高を記録した2000年の営業利益358億円からは低空飛行が続く。
*1:大手キー局5社のうちTBSは売上高の拡大に成功している数少ない事例。祖業のメディア・コンテンツ事業においても売上高を伸ばしている他、2023年には教育業界のやる気スイッチグループを買収することで売上高を伸ばした。
*2:テレビ業界は典型的な斜陽産業であり、本業のメディア・コンテンツ事業の利益停滞が厳しい。理由は、①インターネットの普及による動画サイト・SNSへの顧客流出、②娯楽の多様化によるテレビへの関心低下、③規制強化によるコンテンツ制作の制約増加、など。

✔セグメント別の状況

TBSホールディングスは、メディア・コンテンツ事業(テレビ放送・番組制作・カメラ取材・CATV投資など)、ライフスタイル事業(通信販売・雑貨小売・化粧品製造販売など)、不動産・その他事業(不動産賃貸・不動産保守・スタジオ管理・冷暖房管理・駐車場管理・保険代理店など)、の3事業を有する。
当社は売上高の約70%前後をメディア・コンテンツ事業であり、テレビ・ラジオ事業が中核事業。しかしながら、利益面ではメディア・コンテンツ事業の割合はたったの26%に過ぎず、ライフスタイル事業・不動産事業などが過半数を稼ぐ構造となっている。

✔最終利益と利益率

TBSテレビホールディングスの純利益は、右肩上がりでの増加傾向にあり、直近では純利益381億円に到達。しかしこれは、本業の好調ではなく有価証券売却益による増加*3であるため、持続性はない。営業利益率は3%~5%ほどで長期的に停滞、世間が思うような高利益率ではまったくない。
*3:当社は長年に渡って保有してきた政策保有株式の売却を進めており、2018年頃から投資用有価証券売却益を毎年計上している。具体的には、2018年(128億)・2019年(273億)・2020年(297億)・2021年(188億)・2022年(206億)・2023年(349億)、と毎年100億~300億円規模の特別利益を計上。政策保有株の処分が完了すれば、こうした特別利益の計上はなくなるため減益に沈む。

✔自己資本比率と純資産

TBSホールディングスの自己資本比率は70%~73%ほどの高水準で安定的。純資産は長期的に増加傾向が続いており、直近では1.15兆円に到達*4。財務体質は極めて堅実であり、倒産リスクとはおよそ無縁。
*4:純資産が急激に増加している理由は、政策保有株として保有してきたリクルート東京エレクトロン・東宝・東映・松竹・電通グループなどの株価変動が理由。とりわけリクルート・東京エレクトロンの株価上昇は当社の純資産急増に大きな貢献を果たしている

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

TBSホールディングスの平均年収は1,450万~1,650万円程で推移しているが、これは持株会社の133人のみの平均年収。大卒総合職であれば30歳で850万~950万円、課長職レベルで1,400万~1,700万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

TBSホールディングスの単体従業員数は長期的に80人~130人で横ばい。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は6,500人ほど。平均勤続年数は19年~25年ほどで推移しているが、これは持株会社の133人のみの平均勤続年数。

総合評価

企業格付け:SS

■業界ポジション
民放キー局5社の一角。売上高においてはフジ・メディア・ホールディングスと日本テレビホールディングスに続く業界3位の立ち位置。売上高・利益においては上位2社に水を開けられるが、当社は時価総額においては業界1位という側面も(24年5月時点)。これは長年に渡って保有してきた政策保有株の株価上昇によって純資産は1兆円を上回り業界首位という事情に起因しており、とりわけ大量に保有してきたリクルート株・東京エレクトロン株の株価上昇が当社株価の評価上昇に貢献している。

■業績動向
可もなく不可もなし。テレビ業界の衰退が続く中でも、売上高は過去最高を更新。が、これはやるきスイッチグループの買収・連結子会社によるものであり、テレビ・ラジオの好調によるものではない。純利益は右肩上がりで増加しているが、これも政策保有株の売却による特別利益によるものであり本業好調でもない。

■財務体質
良い。自己資本比率は70%前後で安定しており、純資産も増加傾向。長年に渡って利益を安定的に蓄積してきたことで、著しく堅実な財務体質を実現。有利子負債はたったの50億円以下にすぎず、まさしく「金融機関とのお付き合い」程度の有利子負債しかない。多少の業績悪化に見舞われたとしても余裕で耐え凌げるだろう。

就職格付け:S

■給与水準
現在においては世間が思うほど高給でもない。持株会社の133人に絞っても平均年収は1,459万円程。大卒総合職であれば30歳で850万~950万円ほどであり、課長職レベルで1,400万~1,700万円ほど。かつてのテレビ全盛期には卓越した給与水準によって全業界トップクラスの人気企業であったが、テレビ産業衰退によって給与水準にも陰りが見えつつあるか。

■福利厚生
微妙。家賃補助制度では月額3万円強が支給されるが、支給額としては多くない。それ以外の福利厚生は日系大手と大差なく、特筆すべき福利厚生制度もない。いずれの職種も34時間分の固定残業代が乗っており、残業代込みでの初任給表記でもある。採用サイトにおける福利厚生としては社員食堂・保養所などが紹介されているが、今どきそれは福利厚生として誇るレベルのものではないだろう。

■キャリア
職種別採用。アナウンサー職・ジャーナリスト職・ビジネス職・技術職・デザイン職がある。アナウんサー職は言わずもがなの超難関職種であるが、そのほかの部門は普通のサラリーマンである。アナウンス部門において人気アナウンサーとして成功した場合にはフリー独立の道を歩むことも多い。いずれの職種も総合職採用でありつつも採用部門における専門性を高めていくキャリアが主。

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出典:株式会社TBSホールディングス(有価証券報告書)