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半導体製造装置

【勝ち組?】SCREENの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

SCREENホールディングスは、半導体製造装置・ディスプレイ製造装置・プリント基板関連機器などを製造する半導体製造装置メーカー。1868年に石版印刷会社として創業、1930年代には写真印刷用ガラススクリーンの国産化に成功した。戦後しばらくは印刷分野を主力としたが、1975年にはエッチング技術を生かして半導体分野へと進出。現在においては半導体製造装置メーカーとして知られる。半導体洗浄装置では世界的大手であり、世界シェアは約47%と断トツ首位。

POINT

・半導体洗浄装置で世界シェアの半分を掌握する半導体製造装置メーカー
・売上高・利益は成長基調で利益率も優良、業績の浮き沈みが激しい
・平均年収1,024万円で京都企業トップクラス、福利厚生も恵まれる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:70(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用人数は年間50人~80人だが、2024年は業績好調により約180人まで急増。総合職の出身大学はハイレベル大学が多めだが、地盤である関西圏の出身者が多めである。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・東京工業大学・名古屋大学・大阪府立大学・滋賀大学・富山大学・滋賀県立大学・名古屋工業大学・京都工芸繊維大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・関西学院大学・立命館大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

SCREENホールディングスの売上高は2020年から急激な増加が続いており、2024年には過去最高となる6,252億円に到達*1。営業利益も2019年に125億円まで減少したが、同年以降は増加傾向に転換。2024年には過去最高となる営業利益1,356億円に到達している。
*1:2020年には世界的なCOVID-19感染拡大による半導体市場の混乱で失速したが、2021年以降は台湾・米国で半導体メーカーが設備投資に注力したことが業績の追い風に。当社が得意とする枚葉式洗浄機の需要拡大も業績好調に貢献している(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

SCREENホールディングスは、SPE事業(半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスなど)、GA事業(グラフィックアーツ機器の開発・製造・販売・保守サービスなど)、FT事業(ディスプレイ製造装置・成膜装置の開発・製造・販売・保守サービスなど)、PE事業(プリント基板関連機器の開発・製造・販売・保守サービスなど)、その他事業、の5事業を有する。
当社は5事業を有するが、最主力はSPE事業における半導体洗浄装置である。半導体の性能向上に欠かせない微細化においてはμミクロン単位の微細ゴミを取り除く必要があり、当社は枚葉式半導体洗浄装置において世界シェアの約45%を掌握する(参考リンク)。その他にもディスプレイ製造装置やグラフィックアーツ機器も展開するが、売上高・利益に占める割合は高くはない。

✔最終利益と利益率

SCREENホールディングスの純利益は2019年に50億円まで低下したが、同年以降は増加傾向に転換。2024年には過去最高となる994億円に到達している。良くも悪くも好不調の差が大きい推移である*2。営業利益率も不安定であるが、好調時には20%以上にも達する。
*2:半導体製造装置メーカーは世界の大手半導体メーカーを主要顧客とするが、そもそも半導体業界自体が浮き沈みが激しい業界。半導体業界が落ち込むと、半導体製造装置メーカーである当社も道ずれに業績悪化する関係にある。

✔自己資本比率と純資産

SCREENホールディングスの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2024年には62.7%に到達している。浮き沈みが激しい業界であるため、健全な財務体質を構築することで業績悪化に備えている。純資産は2020年から急激な増加が続いており、2024年には純資産4,206億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SCREENホールディングスの平均年収は長年に渡って820万~920万円ほどの水準で安定的に推移。半導体製造装置メーカーとしては中堅上位級だが、京都企業としてはトップクラスの待遇。大卒総合職は30歳で年収620万~700万円、課長職レベルで年収1,100万~1,300万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

SCREENホールディングスの単体従業員数は310人~490人ほどの水準で推移しており、従業員の殆どは事業会社に所属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,900人ほど。平均勤続年数は14.8年(2023年)と大手企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:A

半導体洗浄装置において傑出した技術を有する企業であり、同装置において世界シェアの約半分を掌握する世界的大手。ナノメートル単位の半導体パターンを高精度に洗浄する技術を有している数少ない半導体洗浄装置メーカーである。業績においては2021年から売上高・利益を急速に伸ばしており、過去最高圏にまで拡大。当社が得意としている枚葉式洗浄機が「半導体の微細化・不良削減」に有効と評価され、需要拡大していることも追い風となっている。ただし、主要顧客である大手半導体メーカーの業績が悪化すると、当社にもその影響が波及する構造的課題はある(2019年の減益もこれが理由である)。財務体質においては極めて堅実であり、自己資本比率62.7%(2024年)と相当に高水準。半導体需要が低迷する時期が到来しても耐え凌げるだけの財務基盤を確保できていると評価できよう。強いて言えば、売上高に占める半導体洗浄装置の割合がかなり高めであるため、同領域において強力なライバルが出現した場合には苦しいかもしれない(今のところは圧倒的な競争力で他社を引き離しているため杞憂かもしれないが)。

就職格付け:BBB

京都府を代表する半導体洗浄装置メーカーであり、1860年代から160年以上に渡って京都に本社を置き続けている。一般認知度は極めて低く、地元京都で多少は知られている程度。BtoBビジネスのみの企業であるうえ半導体製造装置メーカー自体がマイナー業界であるため、知名度の低さは宿命である。給与水準においては平均年収1,024万円(2024年)と、京都企業としてはトップクラス。大卒総合職であれば、30歳で年収620万~700万円、課長職レベルで年収1,100万~1,300万円ほどが目安となる。ただし半導体業界の通例として賞与比率がやはり高いため、昨今の業績好調が賞与として上乗せされている点には注意が必要。業績停滞時には平均年収800万円ほどまで後退するため、業績好調時にも調子に乗って散財することは避けたいか。福利厚生においては企業規模の割には恵まれており、通勤に90分以上かかる独身者には家賃の70%を支給(最大5万円まで)。入社1年目から23日もの有給休暇が付与され、新入社員であってもしっかり休める。事業所は京都~滋賀エリアに集中しており、関西圏の出身者であれば地元密着で高収入を得られる点は大いなる魅力であろう。

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出典:株式会社SCREENホールディングス(有価証券報告書)