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SBI新生銀行の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

SBI新生銀行は、カードローンなどのノンバンク事業を得意とする普通銀行。1960年に長期信用銀行法により設立された日本長期信用銀行がバブル崩壊で破綻、国有化されたことで誕生した銀行である。2000年に国有から民間に売却された際に新生銀行の社名へ一新され、アプラスやレイクなどの消費者金融事業を相次いで傘下に収めた。2022年には紆余曲折を経ながらSBI地銀ホールディングスが同行株式の47.7%を取得。SBI新生銀行へと社名変更され、経営体制も一新された。

POINT

1.かつての長期信用銀行、大手銀行の一角だが稼ぎ頭はノンバンク事業
2.業績は斜陽傾向だが、SBIホールディングス傘下入りで変化の兆しも
3.平均年収は750万程度、金融業としては物足りない水準

業績動向

✔経常収益と経常利益

SBI新生銀行の売上高は約4,000億円レベルが過去8年間に渡って継続しており、成長も衰退もない横這い推移。ただし、営業利益は衰退トレンドが顕著であり、2014年比で半減以上の減少。

✔セグメント別の状況

SBI新生銀行は法人業務(法人営業、ストラクチャードファイナンス、プリンシバルトランザクションズ、昭和リース)、個人業務(リテール、新生ファイナンシャル、アプラスなど)、海外その他事業(海外事業、トレジャリーなど)の3事業を有する。
SBI新生銀行は個人業務が稼ぎ頭となっており、粗利益・利益いずれも個人業務が中心的存在で、個人向けローンの新生フィナンシャル・アプラスが稼ぎ頭。法人業務やトレーディングが稼ぎがシダの大手メガバンクとは性質を異にする点には注意が必要。

✔最終利益と利益率

SBI新生銀行の純利益は、経常利益と連動して右肩下がりで減少。自己資本利益率も下降トレンドが継続しており、直近では2.2%台と金融業としてはかなり低い数値に転落。

✔自己資本比率と純資産

SBI新生銀行の自己資本比率は8.9%と低めだが、銀行業であれば健全な水準。銀行業は顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は右肩上がりでの増加が続いており、1兆円に迫る。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SBI新生銀行の平均年収は直近で774万円と金融業としては凡庸な水準だが、公的資金の注入を受けた過去と今なお残る3500億円規模の返済目標を考えれば妥当な待遇。

✔従業員数と勤続年数

SBI新生銀行の従業員数は過去8年間に渡って5,000人規模で推移。支店数が少ない銀行であるため、窓口対応の余剰人員を抱える必要がない点は強み。他方、平均勤続年数は10年前後と大手銀行としては短めの水準。

総合評価

企業格付け:B

かつての長期信用銀行の時代は名門企業であったが、経営破綻と公的資金の注入で企業イメージが崩壊。8兆円にも上る巨額の公的資金で救済され、約4兆円が国民負担となったことで救済当時は非難が溢れた。約25年の時間が過ぎたことで企業イメージは回復しつつあるが、現在では個人向けカードローンが事業の柱となっている。業績は振るわず公的資金の返済が長期化してきたが、SBIホールディングスによる敵対的買収で経営陣が入れ替わり、これからどう変わるかが期待される局面。

就職格付け:BB

個人向けノンバンク事業(レイク・アプラスなど)のイメージが強いことから企業イメージはそこまで素晴らしくもないが、大手銀行の一角であることは事実。SBIホールディングスに買収され社名が改められたことで、SBI傘下のイメージは付き纏うが公的資金完済に向けた再出発と思えば悪くはないか。給与水準は年収700万円台と物足りない印象だが、公的資金の完済ができていない以上はやむを得ない。銀行にありがちなドサ周り営業や僻地支店への転勤リスクが少ない点は魅力で、支店が首都圏や政令指定都市に限られる点は入行を前向きに考える一因となろう。