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【勝ち組?】NTTコムウェア(NTTドコモソリューションズ)の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

NTTドコモソリューションズ(旧社名・NTTコムウェア)は、NTTグループのシステムインテグレータ。1985年に日本電信電話・中央ソフトウェアセンタとして設立。1997年にはNTT再編・分社化によってNTTコミュニケーションウェアとして分社化。2022年には法人ビジネス強化を目的としてNTTドコモの子会社へと移管。現在ではNTTドコモ・NTTコミュニケーションズと共に『ドコモビジネス』ブランドを展開。システム開発における企画・開発・基盤構築・運用までのプロセスを一気通貫で提供している。2025年7月にはNTTドコモソリューションズへと社名変更。

POINT

・NTTグループのシステム開発会社、2022年にNTTドコモの子会社へ移管
・売上高・利益は緩やかな増加傾向、財務体質は良好で問題ない
・総合職・30歳で年収520万円〜と業界中位、平均勤続年数は20年以上と良好

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用実績は年間200名~250名と相当の大量採用となっている。多種多様な大学から採用があるが、さすがにNTTグループの中核企業だけにハイレベル大学からの採用数が多い。
採用大学:【国公立】北海道大学・筑波大学・岡山大学・静岡大学・熊本大学・信州大学・名古屋工業大学・室蘭工業大学・長岡技術科学大学など、【私立】明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・立命館大学・日本大学・成蹊大学・創価大学・芝浦工業大学・東京電機大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

NTTコムウェアの売上高は2020年まで1,700億円規模で推移していたが、同年以降は増加傾向がみられる*1。2022年からは売上高2,400億~2,500億円レベルで推移している。営業利益は95億~165億円ほどでの横ばいが続いている。
*1:当社の売上高が増加した理由は、①2022年7月にドコモ・システムズを吸収合併、②2022年7月にドコモ・データコムを子会社化、③大手企業のデジタル投資の増加によるシステム開発案件の受注好調、など。

✔セグメント別の状況

NTTコムウェアは、ソフトウェア事業(会計・CRM・金融・産業向けソフトウェア開発・運用・保守、NTTドコモ向け顧客情報管理・料金システムなどのサービスインフラの開発・運用など、NTTグループ向け契約管理・開通工事システムの開発・運用)、のみの単一事業会社である。
当社はNTTグループにおけるシステムインテグレータとしてグループ内外に向けたシステム開発・運用を担っている。2022年にはNTTドコモに子会社化され、同社が展開する法人向けブランド『ドコモビジネス』の一翼を担っている。NTTドコモは2025年に法人向けビジネスを売上高2兆円レベルに拡張することを目標としており、当社はグループ外からのシステム開発案件の受注拡大を目指している。

✔最終利益と利益率

NTTコムウェアの純利益は2023年まで65億~80億円ほどで推移していたが、2024年には122億円まで上振れしている。営業利益率は4%~6%ほどで推移しており、システムインテグレータとしては高くもなければ低くもない水準にある。

✔自己資本比率と純資産

NTTコムウェアの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2024年には40.3%に到達している。安定的な利益体質を加味すれば、当面の財務健全性には心配がない。純資産は2022年に1,333億円まで急増、同年以降も微増傾向がみられる。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

NTTコムウェアの平均年収は非公開だが、長期的に710万円~750万円ほどで推移していると推定される*2。総合職の場合、30歳で年収520万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円に達する。平均年齢は2020年までは45歳以上で推移していたが、同年以降は低下傾向。2024年には平均年齢43.6歳と大手企業の標準的な水準となっている。
*2:この平均年収は求人情報・企業口コミ情報をベースに当組織が業績・平均年齢・平均勤続年数を加味して推計した数値である。

✔従業員数と勤続年数

NTTコムウェアの単体従業員数は5,083人(2024年)となっており、2020年の単体従業員数5,766人から減少がみられる。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は1.16万人ほど。平均勤続年数は20.7年(2023年)と大手企業の標準的な水準を上回っており、従業員の定着は良好である。

総合評価

企業格付け:CCC

NTTグループにおけるシステム開発中核会社として知られ、NTTグループ内外に向けて多種多様なシステム開発を担っている企業。年間500件以上ものプロジェクトを同時開発しており、大企業・官公庁向けの大型案件は勿論のこと、少人数開発による小型案件までを機動的に対応している。業績においては緩やかな増加傾向がみられるが、これはNTTドコモが推進する『ドコモビジネス』ブランドにおける中核会社として当社が位置付けられたことが理由。NTTドコモは2025年に法人向けビジネスを売上高2兆円レベルに拡張することを目標としており、当社はグループ外からのシステム開発案件の受注拡大を進める状況にある。財務体質においては自己資本比率40.3%(2024年)と良好な水準にあり、当社の安定的な利益体質を加味すれば財務健全性への心配はまずない状況だろう。

就職格付け:CCC

システムインテグレータ業界においては業界上位25社に数えられる売上高を有している有名企業。日本屈指の巨大情報通信企業グループであるNTTグループの企業ゆえに事業運営は安定しており、システム開発を志す求職者であれば候補に入りやすい。が、2025年からは『NTTドコモソリューションズ』へと社名変更するために、世間一般においても高い知名度を誇っていた『NTTコムウェア』の社名が失われることは残念。給与水準においては平均年収710万円~750万円ほどで推移していると推定され、システムインテグレータとしては中堅上位クラスの待遇だろう。総合職の場合、30歳で年収520万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円に達する。さすがに当社以上の給与がある同業他社は少なくないが、給与よりも「NTTグループの安心感」を求める場合ならば軍配は上がるか。福利厚生においてもNTTグループなりの制度が充実しており、家賃補助制度(月額4万円)や借上げ社宅制度(自己負担1.5万円/月)により住宅コストは格安で済ませられる。IT業界の企業ゆえにフレックス勤務・リモートワークも整備されており、ワークライフバランスも高く保ちやすいだろう。総じて、給与水準においては業界中堅でありつつも、「NTTグループの安心感」や「ワークライフバランスの充実」を重視するのであれば有力候補たるポテンシャルがあるだろう。

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出典:エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(決算公告)