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飲料メーカー

ヤクルト本社の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ヤクルト本社は、乳製品・清涼飲料・食品・化粧品・医薬品などを展開する大手飲料メーカー。1930年に代田稔が乳酸菌シロタ株の培養に成功、1935年にヤクルトの製造販売を開始した。1960年代からは台湾を皮切りに海外諸国へ次々と進出。現在では世界40ヶ国で事業展開するグローバル企業であり、全世界で年間3,000万本以上の乳製品を販売している。1970年には産経新聞からプロ野球球団を買収、現在まで東京ヤクルトスワローズとして経営権を掌握する。

POINT

1.乳酸菌飲料で断トツ首位、世界40ヶ国以上に展開するグローバル企業
2.売上高・利益いずれも成長基調で高利益率、財務体質も極めて良好
3.平均年収850万円だが年功序列職が強め、福利厚生もそこそこレベル

業績動向

✔売上高と営業利益

ヤクルト本社の売上高は長年に渡って3,000億~4,000億円ほどの水準で安定していたが、2022年には4,831億円に急伸*1。営業利益も長年に渡って370億~450億円レベルで安定的だが、2022年には661億円まで急増。
*1:2022年の業績好調は、①日本市場でのヤクルト1000の大ヒット、②為替レートの円安推移による海外事業の増収、が主要因。海外事業は原材料費の高騰でやや減益に沈んだが、国内市場での増益がカバーした。ヤクルト1000は単価130円(税別)と、従来品の2倍以上の価格であるため業績貢献が大きい。

✔セグメント別の状況

ヤクルト本社は、日本事業(乳製品・麺類・清涼飲料の製造販売)、米州事業(乳製品の製造・販売)、アジア・オセアニア事業(乳製品の製造・販売)、ヨーロッパ事業(乳製品の製造・販売)、医薬品製造販売事業(抗がん剤など)、その他事業(化粧品・プロ野球)、の6事業を有する。
ヤクルト本社は世界40ヶ国以上に事業展開するグローバル企業であり、現在では売上高の約半分を海外で稼いでいる。アジア地域では大きな成功を収めており、売上高の約30%を同地域で稼得する。他方で、欧州・米州での売上高はそこまで高くはない。

✔最終利益と利益率

ヤクルト本社の純利益は長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には純利益500億円を突破。営業利益率も上昇傾向が続いており、直近では営業利益率13.7%と良好な水準。営業利益率ではアサヒ・キリン・サッポロといった大手飲料メーカーを大きく凌駕する。

✔自己資本比率と純資産

ヤクルト本社の自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2022年には66.7%に到達。利益が安定しているのみならず、財務体質も極めて良好である。純資産も長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には5,400億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ヤクルト本社の平均年収は長年に渡って770万~780万円ほどの水準で安定していたが、2022年には850万円に急上昇。大卒総合職は30歳で500万~650万円、課長職レベルで950万~1,050万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

ヤクルト本社の単体従業員数は長期的に2,800人レベルで推移してきたが、2022年にはやや微減。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.92万人ほど。平均勤続年数は直近で18.7年とかなり長め。

総合評価

企業格付け:AA

乳酸菌飲料におけるトップ企業であり、競合を大きく引き離す圧倒的な存在。ヤクルトレディによる独自販売網を擁することから、大手小売企業に依存しすぎない販売流通が可能であるうえ、定期購入による安定収入も強み。海外進出においても先駆者であり、海外売上高比率は約52%にも及ぶことから飲料メーカーとしてはサントリー・アサヒに並ぶ高さである。業績は売上高・利益いずれも安定的であるうえ、2022年にはヤクルト1000の大ヒットで華々しい増収増益を確保。そのうえ、営業利益率は13.7%と飲料メーカーとしては首位級である。財務体質においても極めて健全であり、自己資本比率66.5%と高水準。総じて優良企業であり、批判的に見るべきポイントが見当たらない。

就職格付け:BBB

日本人ならば祖父母の代からお世話になってきたであろう乳酸菌飲料・ヤクルトの製造元。説明不要の超有名企業であり、日本人ならば知らぬ者はいない。給与水準はそこそこの水準であるが、大手飲料メーカーには及ばない水準。平均年収は長年に渡って780万円程度であり、業績絶好調となった2022年に辛うじて850万円に伸びた位。年功序列色が強い企業文化も相まって、大卒総合職の30歳年収は500~650万円ほどと推定される。モデル賃金としては勤続15年で年収800万円が示されており、40歳前後で800万円に届く位。業績好調で高い利益率を誇る割には給与水準が低いように感じざるを得ないか。福利厚生は大手企業なりの制度は揃うが、住宅補助は転勤者が主な対象となっており若手社員向けの家賃補助制度は低め。企業ブランドも業績・財務も良好であるため、従業員の待遇が更に底上げされれば大人気企業に化けるだろうか。

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