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JFEスチールの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

JFEホールディングスは国内第2位・世界第12位の規模を誇る大手鉄鋼メーカー。2003年に国内第2位の日本鋼管と第3位の川崎製鉄が合併して誕生。高炉と呼ばれる大規模設備を有する数少ない鉄鋼メーカーの1社であり、鉄鉱石から鋼材までを自社完結で製造する能力を有する。持株会社のJFEホールディングス傘下に3つの事業会社(JFEスチール・JFEエンジニアリング・JFE商事)が属しており、事業会社の傘下には150社以上の孫会社が連なる巨大グループである。

POINT

1.業界2位の大手鉄鋼メーカー、国内3社しかない高炉メーカーの1つ
2.日本製鉄に次ぐ不動の業界2位だが、利益水準は安定しない
3.大卒総合職なら平均年収800万円ほど、鉄鋼市況に業績左右される点は覚悟

業績動向

✔売上高と営業利益

JFEホールディングスの売上高は概ね3兆円レベルで推移してたが、2021年からは売上高の急増に成功*1。営業利益は年度によるばらつきが大きく安定しないが、2021年には営業利益4,002億円を記録しており業績好調。
*1:2021年以降の売上高の急増は、①COVID-19感染拡大の一服による景気の持ち直しで鋼材需要の高騰、②鋼材市況の高騰による在庫評価益の計上、③原材料価格高騰の価格転嫁により売上高が急増、が主要因。

✔セグメント別の状況

JFEホールディングスは鉄鋼事業(JFEスチール傘下の鉄鋼・原材料の製造販売事業)、エンジニアリング事業(JFEエンジニアリング傘下のエネルギー・都市環境・産業機械などのエンジニアリング事業)、商社事業(JFE商事傘下の鉄鋼製品・鉄鋼原料・食品などのトレード事業)、の3事業を有する。
JFEホールディングスは鉄鋼メーカーのイメージが強いが、実際には売上高の約40%を商社事業とエンジニアリング事業が稼ぐ。ただし、営業利益の観点では利益水準が安定しない鉄鋼事業を他事業が補うこともある。

✔最終利益と利益率

JFEホールディングスの純利益は年度によるばらつきが大きく不安定だが、2021年には2,881億円を記録。2019年から2020年に渡っては純損失が続く経営不振の時期が続いていたが、黒字体質へと回帰することに成功。

✔自己資本比率と純資産

JFEホールディングスの自己資本比率は直近で38.4%と標準的な水準であるが、景気変動に敏感な業態であることを考慮するとやや少なめ。2019年までは40%台で推移していたが、2019年に巨額損失を計上したことで30%台に転落した経緯がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

JFEホールディングスの平均年収は直近で1,241万円と高めの水準だが、これは持株会社の55名のみの平均年収。事業会社の大卒総合職は30歳で年収680万~750万円ほど、30代後半以降に副課長級へ昇進すると年収1,000万円前後に達する。

✔従業員数と勤続年数

JFEホールディングスの単体従業員数は50人前後に過ぎず、連結従業員数6.42万人の殆どが事業会社に属している。平均勤続年数は21.8年と大手メーカーとしては長めの水準だが、これは持株会社の55名のみの平均勤続年数である点には注意が必要。

総合評価

企業格付け:BBB

鉄鋼業界で日本製鉄に続く第2位に位置しており双璧。第3位の神戸製鋼所に対しては売上高が2倍近い差をつけており、業界での立ち位置は不動。鉄鋼業界は高炉メーカーと電炉メーカーに大別されるが、国内の高炉メーカーは3社のみであり、鉄鋼業界での存在感は揺るぎない。が、いかんせん業績は安定感に乏しく、鉄鋼市況と景気動向に大きく左右される性質で安定的な利益確保が難しい特性。新興国の鉄鋼メーカーとの競争も激化しており、明確な差別化ができない限りは熾烈な業界競争が続くことになろう。

就職格付け:BBB

日本製鉄に比べると知名度が二歩劣りパッとしない印象だが、典型的な日系大手メーカーの待遇を得られる。ただし鉄鋼メーカーの宿命である鉄鋼市況による業績変動は過酷であり、不況時における業績悪化に耐える覚悟は必要。業績変動・待遇では大手化学メーカーの方がやや安定しているため、大手化学メーカーとの併願者は多いか。首都圏在住者であれば、千葉・川崎の巨大な製鉄所は非常に有名であるため、企業ブランドの観点ではやや上振れる。

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