本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
IHIは、航空エンジン・産業機械・防衛機器などを製造する総合重工メーカー。1853年に江戸幕府が石川島造船所として開設。戦前から航空機・船舶・産業機械における総合重工メーカーとして発展。戦後には高度経済成長を追い風として、電力・物流・交通インフラ需要へと事業の裾野を広げた。1980年代からは航空エンジン分野への注力を強め、国際共同開発への参画を通じて民間機向けで存在感を高めた。現在では航空エンジン長尺シャフトで世界首位級、車両用ターボチャージャーでも世界上位のシェアを有する。現在のいすゞ自動車・ジャパンマリンユナイテッドは当社から分離独立した企業である他、かつて造船所があった東京都・豊洲地区に多くの土地を保有する「豊洲の大家」としても知られる。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:68(上位)
かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。給与・待遇は大手企業の中でも上位クラス、満足度の高い人生を安定して歩むことができる可能性が高い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用人数は年間90人~130人だが、うち技術系採用枠が80名~90名を占める。重工メーカーとしては上位クラスかつ一般知名度も高く、選考倍率は高め。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・東北大学・九州大学・北海道大学・広島大学・静岡大学・佐賀大学・東京工業大学・長岡技術科学大学・大阪公立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・明治大学・法政大学・南山大学・日本大学・東京理科大学・埼玉工業大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
IHIの売上高は2021年まで減少傾向が続いていたが、同年以降は回復傾向に転換*1。2025年には過去最高となる売上高1.62兆円に到達している。営業利益は2024年には営業赤字701億円に転落した*2が、2025年には過去最高となる1,435億円に増加している。
*1:2022年から売上高が増加した理由は、①COVIID-19影響一服による旅客機需要の回復、②発電所・橋梁・産業機械などの受注好調、③新車生産の回復によるターボチャージャーの需要増加、④為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2024年に赤字転落した理由は、利益の屋台骨を支えてきた航空エンジン事業におけるPW1100G-JMエンジンの不具合。大規模な追加検査・保障に伴う費用負担が発生(参考リンク)。
✔セグメント別の状況
IHIは、資源・エネルギー・環境事業(陸用原動機・船舶原動機・カーボン・原子力機器など)、社会基盤・海洋事業(橋梁・水門、交通システム、建材、都市開発など)、産業システム・汎用機械事業(ターボチャージャー・機械式駐車場・産業システム・物流機械など)、航空・宇宙・防衛事業(航空エンジン・ロケット・防衛機器)、その他事業(検査・計測機器)、の5事業を有する。
当社は事業多角化が進んだ企業であり、総合重工メーカーとして航空/船舶エンジン・産業機械・原子力設備・防衛機器・交通システムなどを幅広く展開する。が、最大の稼ぎ頭は航空・宇宙・防衛事業であり、全社利益の約75%を稼ぎ出している。特にジェットエンジンには強みがあり、米・GE社を中核としたプロジェクトにおて約10%強のワークシェアを担う。日本のジェットエンジン生産の60%以上を占め、防衛省が使用する航空機のほとんどのエンジンの主契約者でもある(参考リンク)。
✔最終利益と利益率
IHIの純利益は80億〜600億円ほどのレンジで推移していたが、2024年には純損失682億円に転落。2025年には過去最高となる純利益1,127億円に増加している*3。営業利益率は2024年まで2%〜6%と凡庸な水準に留まっていたが、2025年には8%台に上振れ。
*3:2025年に純利益が伸びた理由は、①民間エンジンおよびスペアパーツの販売好調、②防衛政策の転換による防衛省向けの販売拡大、など(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
IHIの自己資本比率は15%〜22%ほどの水準で長期的に推移。大手メーカーとしては低水準であり、負債比率の高さが目立つ。純資産は2025年に5,086億円まで上振れたが、有利子負債5,147億円(2025年)と比べると微妙な水準。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
IHIの平均年収は長年に渡って730万〜810万円レベルで推移しており、大手重工メーカーとしては標準的な水準。総合職の場合、30歳で年収590万〜670万円ほど、課長職レベルで年収1,000万〜1,150万が目安。年功序列色が強いため、昇給のためには勤続年数を重ねる必要がある。
✔従業員数と勤続年数
IHIの単体従業員数は横ばい傾向が続いており、2025年は7,910人ほどの組織体制となっている。ただし子会社や関連会社が約200社にも及ぶため、連結従業員数は2.79万人ほどである。平均勤続年数は15.8年(2025年)と大手メーカーの標準的水準。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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