カテゴリー
電機メーカー

GSユアサの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

GSユアサ(正式表記:ジーエス・ユアサコーポレーション)は、自動車用鉛蓄電池・リチウムイオン電池・産業用電池などを製造する大手蓄電池メーカー。2004年に世界シェア6位の日本電池と世界シェア4位だったユアサコーポレーションが合併して誕生。現在でも日系首位の鉛蓄電池メーカーであり、自動車用鉛蓄電池で世界シェア2位・オートバイ向け鉛蓄電池でも世界シェア2位を誇る。大株主にはトヨタ自動車・本田技研工業が名を連ねており、大手自動車メーカーとも懇意。これまでリチウムイオン電池ではシェアが低かったが、2023年には本田技研工業などから増資を受けて研究開発・生産能力の拡張に意欲。

POINT

1.鉛蓄電池で世界的大手、自動車向け鉛蓄電池が最主力商品
2.売上高利益いずれも安定性が強い、財務体質も優良
3.大卒総合職で30歳600万円が目安、福利厚生はかなり良心的

業績動向

✔売上高と営業利益

GSユアサの売上高は概ね3,500~4,200億円で安定推移してきたが、2021年からは増加傾向に転換して過去最高を更新*1。営業利益は200億~300億円ほどの水準で極めて安定的。
*1:2021年以降の売上高の急増は、①世界的な物価高騰を受けた値上げ改定による増収、②大手自動車メーカーの新車生産台数の増加による販売数量の増加、が主要因。

✔セグメント別の状況

GSユアサは、国内事業(国内向け自動車用鉛蓄電池)、海外事業(海外向け自動車用鉛蓄電池)、産業電池・電源事業(産業用電池・電源システム)、車載用リチウムイオン電池事業(EV・PHEV・ハイブリッド車向けリチウムイオン電池)、その他事業(特殊電池など)、の4事業を有する。
GSユアサは売上高の約65%・営業利益の約60%を自動車向け鉛蓄電池で稼いでおり、鉛蓄電池がコア事業。EV・PHEV向けのリチウムイオン電池も手掛けるが、売上高に占める割合は精々10%強に過ぎない。

✔最終利益と利益率

GSユアサの純利益は80億~130億円ほどの水準で極めて安定*2。COVID-19感染拡大期など景気後退局面でも利益が安定している底堅さが強み。営業利益率は5~6%ほどの水準であり、大手メーカーの標準的な水準。
*2:GSユアサの主力製品である自動車用鉛蓄電池は定期交換部品として安定需要がある点が強み。低走行車も含めて2~3年おきの交換が必ず発生するため、景気後退局面にも強い。

✔自己資本比率と純資産

GSユアサの自己資本比率は長年に渡って40%台で安定的に推移。安定的な利益体質と堅牢な財務体質を両立している。純資産も増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産2,709億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

GSユアサの平均年収は850万~1,100万円と高水準だが、これは持株会社の14名(平均年齢29.3年)のみの平均年収なので参考にはなりにくい。大卒総合職は30歳で550万~600万円、課長職レベルで年収800万~900万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

GSユアサの単体従業員数は長年に渡って15人ほどの組織規模であり、大半の社員がグループ会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.36万人ほど。平均勤続年数は直近で29.3年と長いが、持株会社の14名(平均年齢29.3年)のみの平均勤続年数なので参考にならない。

総合評価

企業格付け:CCC

自動車用鉛蓄電池における世界的大手であり、日系メーカーとしては断トツ首位。日本における新車製造時の装着率は約70%を優に上回ると言われる。海外でも著名な企業であり、合併以前の「YUASA」ブランドや「GS」ブランドでも浸透している。売上高・利益はいずれも極めて安定的であり、電機メーカー・自動車部品メーカーとしては類稀な安定感がある。完成車メーカーの新車生産が激減したCOVID-19感染拡大期にも減収・減益はあまり起こしておらず、業績の安定感はピカイチである。財務体質も自己資本比率40%以上を長年に渡って維持し続けており、業績の安定感も合わせて考えれば超安定企業。

就職格付け:CCC

京都に本社を置く企業として有名な電池メーカー、主力事業における競合は古河電池やパナソニックなどだが知名度・ブランド力いずれもGSユアサが頭一つ抜けている。平均年収は850万~1,100万円と高水準だが、あくまでこれは持株会社の14人から算出された平均年収。この14人は持株会社勤務かつ平均勤続年数29年なので相当なベテランエリートである。一般社員の平均年収は650万∼780万円ほどと推定され、大卒総合職は30歳で550万~600万円、課長職レベルで年収800万~900万円ほどが目安。福利厚生は中堅メーカー上位級であり、とりわけ社員食堂の安価さには定評がある(カレー200円以下)。社員寮の寮費も5000円未満と格安。勘違いしがちだが、GSユアサの主力商品は”鉛”蓄電池であって、電気自動車などに搭載されるリチウムイオン電池はそこまで得意とはしていない。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!