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外食会社

B-Rサーティワンアイスクリームの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

B-Rサーティワンアイスクリームは、日本国内においてサーティワンアイスクリームを展開するフランチャイズチェーン。世界7,600店舗を誇る巨大チェーンである米バスキン・ロビンスの日本法人であるが、1973年の創立から不二家と米バスキン・ロビンスが大株主として対等出資している。日本人に馴染みにくい”バスキン・ロビンス”ではなく”サーティワン”の愛称によって定着しており、多種多様なフレーバー展開で人気を博している。2003年に店舗数500店を達成し、2010年に店舗数1,000店に到達。

POINT

1.世界的アイスクリーム大手の日本法人、国内1,200店舗体制
2.売上高・利益いずれも過去最高圏、財務体質も大いに優良
3.平均年収814万円と外食会社トップ級、福利厚生も手厚い優良企業

業績動向

✔売上高と営業利益

B-Rサーティワンアイスクリームの売上高は長年に渡って190億~200億円ほどの水準で安定。直近の2022年には過去最高となる売上高220億円を達成*1。営業利益も緩やかな増加が続いており、2022年には営業利益17億円を記録。
*1:2022年の業績好調の理由は、①高単価なバラエティボックスの販売好調、②会員アプリの会員増加・ロイヤリティ向上による販売促進、③価格据え置きによる相対的なお得感の向上、がある。

✔セグメント別の状況

B-Rサーティワンアイスクリームはアイスクリーム製造・販売事業(アイスクリーム製造・直営店舗運営・フランチャイジー・店舗設備販売など)のみの単一事業会社である。
主力事業は国内フランチャイジーに対しての製品・設備・ノウハウの提供であり、当社は対価として製品代金・ロイヤリティー収入を得ている。国内1,200店舗中のうち直営店は14店舗に過ぎず、フランチャイジー店舗が約99%を占める。

✔最終利益と利益率

B-Rサーティワンアイスクリームの純利益は長年に渡って増加傾向が続いており、直近では純利益12.3億円まで増加。2015年のみ純損失に転落しているが、一過性の要因が強い*2。営業利益率は右肩上がりの推移を描いており、直近では営業利益率7%とまずまずの水準。
*2:2015年の業績悪化は、①日本国内における乳製品価格高騰によるコスト増、②円安による輸入材料価格の増加、③神戸三木工場の稼働開始による経費増加、が理由。

✔自己資本比率と純資産

B-Rサーティワンアイスクリームの自己資本比率は長期的に50%以上の水準で推移しており、財務体質は大いに健全。純資産は長年に渡って90億円レベルで安定していたが、2021年頃から増加傾向に転換している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

B-Rサーティワンアイスクリームの平均年収は700万〜750万円と外食業界においてはトップクラスの給与水準*3。業績好調もあって直近の2022年には平均年収814万円まで増加。総合職であれば30歳で550万円~600万円ほど、課長職レベルであれば850万~950万円に達する。
*3:B-Rサーティワンアイスクリームの本体に属しているのは本社・工場の正規従業員のみであり、それゆえ平均年収が高くなる。日本国内のフランチャイジー企業の従業員は当然それぞれの会社の従業員である点には注意。

✔従業員数と勤続年数

B-Rサーティワンアイスクリームの単体従業員数は微増傾向にあるものの、直近でも238人規模の組織体制。平均勤続年数は直近で12.2年とそれほど長くはないが、外食業界としては長い方である。

総合評価

企業格付け:CC

日本国内1,200店舗を展開する言わずと知れたアイスクリーム分野におけるトップ企業の一角。一応は不二家が出資して設立された日本法人であるが、台湾・ハワイについても管轄エリアとしているため台湾10店舗・ハワイ11店舗も直営店舗として運営。業績は2022年頃から大いに好調であり、全社売上高・1店舗あたり年間平均売上高いずれも過去最高を更新。世界的な物価高が押し寄せる中でも値上げを踏みとどまったことで相対的なお得感が増したうえ、デジタル施策であるアプリ会員証が大いに集客効果を発揮して業績拡大へと繋がっている。財務体質も自己資本比率50%以上を確保しているために大いに健全であり、倒産リスクとは当面無縁である。日本国内においては実質的にライバル不在の状態にあり、ブルーシールアイスクリームでも53店舗に過ぎない。アイスクリーム×外食の組み合わせは意外と難しく、ハーゲンダッツですら日本国内の店舗は1店舗を残してすべて閉業。コールドストーンアイスクリームも一時的に30店舗強まで伸ばしたが現在は5店舗まで減少。日本全国に浸透した当社のブランド力は圧倒的と言わざるを得ず、競合出現率は著しく低いと言えるだろう。

就職格付け:CC

日本においては”サーティワン”の愛称で親しまれる世界的なアイスクリームチェーンの日本法人。給与水準は外食業界トップレベルであり、直近の2022年には平均年収は814万円に到達。この手の外資系企業では福利厚生が手薄であるケースが多いが、当社においては福利厚生も充実。家賃補助制度・退職金制度もしっかりと存在しており、額面の平均年収だけを引き上げているような裏もない。福利厚生の極めつけは、①アイスクリーム食べ放題(本社・工場)、②USJリゾート入場券割引、③東京ディズニーリゾート・コーポレートプログラム、であろうか。こども手当として第一子には月額1.5万円、第二子には月額1.0万円が支給されることも大きい。これほどの好待遇であることもあまり知られておらず、新卒採用における採用大学のボリュームゾーンは日東駒専あたりであるため学歴フィルターの薄さと得られる待遇の手厚さのコストパフォーマンスはピカイチであろう。なお、取締役の多くは米バスキン・ロビンスおよび不二家の出身者で固められているものの、取締役副社長は当社プロパー入社の叩き上げである。

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