本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
マキタは、電動工具・園芸用機器・充電式家電などを主力とする大手工具メーカー。1915年に牧田茂三郎がモータ修理業者として創業し、1930年代には発電機・モータの自社生産に進出。1958年には国産初となる携帯用電気カンナを発売し、高度経済成長を追い風に急成長を果たした。1969年には充電式の電気ドリルを発売し、充電式工具へと進出。1970年代には欧州・北米・英国などに進出し、1980年代以降は海外生産も本格化した。2005年にはリチウムイオン電池を採用した充電工具を発売し、高出力化・小型軽量化を推進。2010年代には掃除機・園芸機器・アウトドア用具などにも進出し、一般消費者向けビジネスを拡大。現在では、世界180ヶ国で『makita』ブランドの電動工具を販売、出荷台数の90%以上を海外生産する。現在では電動工具業界で世界シェア2位を確立、国内シェアは約60%で断トツ首位。世界中どこでも3日で修理する「修理3日体制」を標榜。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:62(中堅上位)
電動工具分野のトップメーカーとして認知され、最近では家電領域への進出で一般知名度も大きく向上。中部地方では上位レベルの待遇を得ることができ、海外経験のチャンスも豊富。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用数は年間140人~190人とかなり多め。メーカーとしては珍しく、事務系採用枠が約半分を占めており文系にも優しい。中部地方出身者が多い。
採用大学:【国公立】名古屋大学・九州大学・信州大学・静岡大学・信州大学・岐阜大学・三重大学・福井大学・名古屋市立大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】青山学院大学・立命館大学・日本大学・南山大学・名城大学・芝浦工業大学・金沢工業大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
マキタの売上高は2022年まで右肩上がりの増加*1が続いていたが、同年以降は横ばい傾向。2024年は売上高7,531億円となっている*1。営業利益は2022年は282億円に急落*2したが、同年以降は回復傾向。2024年には過去最高となる営業利益1,070億円に到達している。
*1:2022年まで売上高の拡大が続いた理由は、①バッテリー式電動工具から派生した掃除機・園芸・アウトドア領域への事業拡大、②為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2022年は人民元高・ユーロ安の同時進行により、中国生産品を欧州で販売する当社のビジネスモデルが逆風に。欧州事業の採算悪化により大幅減益に沈んだ。
✔セグメント別の状況
マキタは、日本事業、欧州事業(ドイツ・英国・ロシア・フランス・フィンランドなど)、北米事業(アメリカ・カナダなど)、アジア事業(中国・タイなど)、その他事業(上記以外の国・地域)、の5事業を有する。
当社の事業構造は、充電式の電動工具・園芸用機器・清掃機器・アウトドア製品などを中核として成立している。最大の特徴は、「同一規格のリチウムイオンバッテリー」で顧客を囲い込んでいる点にある。マキタのバッテリー・充電器を一度購入すれば、本体のみを追加購入することでドリル・インパクトドライバ・丸ノコ・草刈機・チェンソー・掃除機などへ利用範囲を広げることができる。特にプロ向け電動工具では、製品性能だけでなく、迅速な修理対応・部品供給などが求められる。特に工事現場では工具の故障が作業停止に直結するため、当社は世界中どこでも3日で修理する「修理3日体制」を掲げることで、高いブランド信頼性を構築してきた。また、売上高の約80%以上を海外市場が占めるグローバル企業であり、最大の稼ぎ頭は欧州市場となっている。北米市場でも健闘しているが、電動工具で世界シェア1位のブラック・アンド・デッカー社の御膝元であるだけに競争は激しい。
✔最終利益と利益率
マキタの純利益は2022年には人民元高・ユーロ安による為替レートの不利により大幅減益に沈んだが、同年以降は回復傾向。2024年には過去最高となる純利益793億円に到達している*3。営業利益率は2022年・2023年を除けば10%以上の水準で安定推移、大手メーカーとしてはやや高めの水準。
*3:2024年に純利益が増加した理由は、①調達コスト・物流コストの削減による採算改善、②地盤の欧州市場における景気回復、③為替レートの円安・ユーロ高による為替効果、など(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
マキタの自己資本比率は長期的に70%~85%台で推移しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。大手メーカーとしては卓越して高い水準*4であり、安定した利益体質を加味すれば財務健全性は十分以上。純資産は右肩上がりで増加しており、2024年には9,324億円に到達。
*4:当社はサービス性向上に継続投資をすることが顧客満足の観点から重要であるとし、業績悪化した局面でもサービスに安定投資を続けられる自己資本の蓄積を重視している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
マキタの平均年収は700万円前後で推移しているが、2023年には前年の利益急減によって647万円までの後退を強いられている。大卒総合職の場合、30歳で年収480万~550万円ほど、課長職レベルで年収750万~850万円ほど。平均年齢は39.9歳(2024年)と大手企業の標準的な水準を下回る。
✔従業員数と勤続年数
マキタの単体従業員数は2022年まで緩やかな増加傾向がみられたが、同年以降は横ばい傾向。2024年は3,431人ほどの組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.76万人ほど。平均勤続年数は16.5年(2024年)と大手企業の標準的水準。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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