本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
日本電解は、自動車向け・回路基板向けの電解銅箔を主力とする素材メーカー。1958年に日立製作所・住友ベークライト・高速電機鋳造の3社が共同出資し、電解銅箔メーカーとして創業。1960年代にはテレビ・家電・電子機器の普及を追い風に、回路基板向け電解銅箔で業績を伸ばした。1980年代には電解銅箔の用途拡大を進め、その後は半導体パッケージ用途やLiB負極集電用途などに販路を拡大。2016年には三井物産・三井住友銀行・日本政策投資銀行などが関与し、法人格を再編。2020年代からは電気自動車の需要拡大を捉え、車載電池向け電解銅箔の販売を急速に伸ばした。2020年には米国の電解銅箔メーカーを買収し、米・テスラの電気自動車にも当社製品が採用された。が、米国子会社の業績悪化やスマートフォン需要低迷・設備投資負担などによって収益が急速に悪化。2024年11月には民事再生法の適用を申請し、経営破綻に至った。なお、電解銅箔事業は2025年4月に新法人へ譲渡され、現在は新たな日本電解株式会社が事業を継続している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:選外(経営破綻)
2024年11月27日に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、経営破綻に至った。現在は旧法人として通常の採用活動を行う企業ではないため、就職偏差値の判定は不可能。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:選外(経営破綻)
茨城県筑西市に本社を置く唯一の上場企業として、同市内におけるネームバリューは高かった。現在は旧法人として通常の採用活動を行う企業ではないため、就職難易度の判定は不可能。
採用大学:非公開
業績動向
✔売上高と営業利益
日本電解の売上高は2022年に過去最高となる205.5億円に到達したが、同年以降は160億~170億円に後退*1。営業利益は2022年に過去最高となる10億円に到達したが、2023年・2024年には大幅赤字に転落*2。
*1:2022年に売上高が増加した理由は、①世界的な電気自動車の販売増加による需要高騰、②銅材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収効果、③北米・日本における5G通信機器向けの需要増加、など。
*2:2023年に赤字転落した理由は、①主力の車載電池用銅箔のシェア低下、②中国を筆頭にスマートフォン需要が世界的に低迷したことによる回路基板用銅箔の販売数量減少、③米国新工場の建設に向けた先行投資の費用増加、など。
✔セグメント別の状況
日本電解は、電解銅箔製造事業(半導体パッケージ用途・LiB負極集電用途・FPC基板用途などの電解銅箔の製造・販売)のみの単一事業会社である。
当社の事業構造は、電解銅箔を自動車用リチウムイオン電池向けと電子回路基板向けに供給する素材メーカーとして成立している。電解銅箔は、銅を電気分解によって極薄の箔状に加工した素材であり、リチウムイオン電池では負極集電体として、プリント基板では電気回路を形成する導体として使用される。いずれも最終製品からは見えにくい部材であるが、電気自動車・スマートフォン・半導体・電子機器などの性能を左右する重要素材である。電解銅箔の生産には大型設備・大量の電力・原材料となる銅が必要であり、生産能力拡大には多額の設備投資を伴う。また、原材料価格・電力料金・為替変動の影響を受けやすく、稼働率が低下すると固定費負担が急速に重くなる。このため、需要急増期には売上高を大きく伸ばせる一方、需要減速や顧客の生産調整が発生した際には収益が急激に悪化しやすい。
✔最終利益と利益率
日本電解の純利益は2020年に過去最高となる19.8億円に到達したが、同年以降はピークアウトしている。2023年・2024年は純損失を連続計上する状況にあった。営業利益率は2022年まで3%~7%ほどで推移しており、素材メーカーとしては悪くはない水準。
✔自己資本比率と純資産
日本電解の自己資本比率は25%~36%ほどで長期的に推移しており、製造業としてはやや低めの水準*3。純資産は2019年から右肩上がりの増加傾向が続いており、2023年には74.5億円に到達している。
*3:自己資本比率は経営破綻直前まで極端に低い水準ではなかったが、米国子会社の赤字拡大・設備投資負担・販売減少によって資金繰りが急速に悪化。外部スポンサーによる支援も得られず、米国子会社への貸付金回収も困難となったことで自主再建を断念した経緯がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
日本電解の平均年収は2022年に595万円まで増加したが、2024年には541万円にやや減少している。総合職の場合、30歳で年収400万〜450万円ほど、課長職レベルで年収650万〜800万円ほど。平均年齢は44.8歳(2024年)と大手企業の標準的な水準をやや上回る。
✔従業員数と勤続年数
日本電解の単体従業員数は2022年まで200人レベルで横ばいであったが、2024年には173人まで減少している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は230人ほど。平均勤続年数は12.7年(2024年)とまずまずの水準であり、中堅メーカーとしては中庸。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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