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外食会社

ブロンコビリーの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ブロンコビリーは、ステーキレストラン「ブロンコビリー」を運営する外食会社。1978年に竹市靖公が愛知県名古屋市でステーキハウスとして創業。オープンキッチンによる炭火焼き調理やサラダバーが好評を博して多店舗展開に成功。2000年代には狂牛病問題と低価格競争により経営危機に瀕したが、高付加価値路線への転換で業績回復。現在では全国134店舗を直営店として運営する他、自社工場での食材加工によって高品質・低価格を実現している。

POINT

・愛知県発祥のステーキレストラン、全店直営店で他店舗展開
・売上高・利益いずれも横ばいだが、実質無借金経営で手元資金潤沢
・平均年収468万円と外食業界では標準的な水準だが福利厚生は良好

業績動向

✔売上高と営業利益

ブロンコビリーの売上高は、2020年・2021年を除けば*1、長期的に170億~230億円ほどで横ばい。営業利益は2018年までは20億円以上を安定確保していたが、同年以降は急減。近年はやや回復傾向にあるが、2022年でも営業利益16.4億円に留まる。
*1:2020年・2021年の業績後退は、COVID-19感染拡大による打撃が主要因。ステーキレストランは多人数来店を前提とする業態であるため客離れが痛手に。

✔セグメント別の状況

ブロンコビリーは、飲食事業(ステーキハウス「ブロンコビリー」運営、食材工場運営・食材加工など)のみの単一事業会社である。
当社はステーキハウスのみに特化した事業運営を志向。高品質を維持するためにフランチャイズ展開はせず全店舗直営体制を維持している。地域別売上高では創業地・愛知県が約32%を占めて断トツ首位だが、第2位は神奈川県となっている。

✔最終利益と利益率

ブロンコビリーの純利益は2018年まで17億円前後で推移していたが、同年以降は下落傾向。営業利益率は2016年頃には15%前後と外食業界トップレベルを誇っていたが、2019年に急落。2022年にも営業利益率7%までしか回復していない*2。
*2:COVID-19が一服した2022年にも利益率が低迷している理由は、①人手不足による人件費の増大、②世界的な物価高を受けた食肉価格の高騰によるコスト増加、が主要因

✔自己資本比率と純資産

ブロンコビリーの自己資本比率は2020年・2021年を除けば*3、長期的に80%前後の超高水準で安定的。実質無借金経営であり、有利子負債に頼らない志向が強い。純資産は2019年まで右肩上がりで増加していたが、同年以降は業績停滞もあって横ばい傾向。
*3:2020年・2021年に自己資本比率が低下したのは、COVID-19感染拡大の混乱に備えて一時的に有利子負債で資金調達したことが主要因。混乱が落ち着いた2022年に一気に返済した為、自己資本比率は再び元のレンジへ回帰。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ブロンコビリーの平均年収は440万~470万円ほどで安定的。総合職の場合、店長レベルに昇格した段階で年収500万円は超え、課長職では年収650万~720万円ほど。平均年齢が30歳前後と若い組織体制であるため、平均年収は低めになりやすい点には留意が必要。

✔従業員数と勤続年数

ブロンコビリーの単体従業員数は2020年まで増加傾向が続いていたが、同年以降は横ばい。平均勤続年数は5年~7年で推移しており、長期的に伸び悩む。が、年齢構成が若い組織であることも影響している。

総合評価

企業格付け:D

■業績動向
停滞。2015年頃には外食業界トップ級の利益率で知られたが、2019年のCOVID-19感染拡大により事業環境が一変して業績後退。アフターコロナに突入した2022年以降も事業環境は悪く、食肉価格・人件費高騰に苦しむ。来店客数自体は復調しており根強いファンも多いため、まずは世界的な物価高の一服を待つフェーズだろうか。

■財務体質
極めて良い。保守的な名古屋企業の気風を備えており、財務体質には相当以上に堅実志向。実質無借金経営を長年に渡って維持し続けており、有利子負債に依存していない。手元資金も直近で70億円ほど確保しており潤沢。過去に苦しい時期を経験しているため、無理な拡大路線はとらない社風。

■ビジネス動向
業績拡大に向けた戦略として、①ディナー客数増、②ランチ客単価の底上げ、③働きがい・生産性の向上、を掲げる。メニュー改定を年6回に渡り継続することで来店動機を付与しつつ、サイドメニュー充実化で客単価の底上げを狙う。2023年には公式ファンブックを発売、熱心なファン層を広げる取り組みも。

就職格付け:DD

■給与水準
平均年収468万円と外食大手としては中堅レベル。ただし、当社が平均年齢30歳前後の若い組織体制であることを考慮すれば給与水準は外食大手と大差ない水準。ただし、年功序列での昇給は希薄であるため、給与水準を上げるためには昇進を目指す必要がある。アルバイトにも賞与がある珍しい企業でもある。

■福利厚生
業界内では良い方。転勤者向けの借上げ社宅制度では自己負担は最大3万円/月で住むことができる。従業員の誕生日には食事券5,000円を付与。年末にはお歳暮として従業員に上質肉500gが配布される他、新米の季節には魚沼産コシヒカリも配布される。

■キャリア
入社後は店舗に配属され、店舗オペレーションの基礎を学ぶ。総合職ならば入社3年〜5年ほどで店長へと昇格、早ければ入社7年目にはマネージャーへと昇格する。アルバイトから正社員となり店長へと叩き上げで着任するケースも。平均年齢が若い組織であるため、若くして役職に着任しやすいことは魅力。

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