本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
INPEXは、グローバルで石油・天然ガスの開発・生産・販売を展開する大手石油開発会社。1966年に石油資源開発が設立した北スマトラ海洋石油資源開発を源流とし、2006年に国際石油開発と帝国石油が合併して誕生。石油依存度が高いうえ全量を輸入に頼る日本のエネルギー確保安定化・効率化を目的に設立された国策企業であり、現在も筆頭株主は経済産業大臣。全上場企業において黄金株(買収に関する決議事項に拒否権を発動できる特殊株式)が存在する唯一の企業であり、当該1株は経済産業大臣が保有。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:75(最高峰)
サラリーマンとしては最高峰クラスの勝ち組。石油資源の確保を通じて日本国のエネルギー供給を支える社会的使命は絶大。給与水準も良好であり、国策企業ゆえの安定性も魅力。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用数は年間40人ほどのため門戸は非常に狭い。出身大学は旧帝大・早慶クラス・東京外大などが主であり、相当以上の海外経験・外国語力は必須レベル。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・筑波大学・静岡大学・滋賀大学・東京外国語大学・東京都立大学・大阪公立大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・同志社大学・中央大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
INPEXの売上高は2021年まで0.7兆~1.2兆円ほどで推移していたが、同年以降は急増*1。2022年には過去最高となる売上高2.31兆円に到達している。営業利益も売上高に連動して急成長を遂げており、2022年には過去最高となる1.5兆円に到達。
*1:当社の売上高は原油価格と為替レートによって大きく左右される。2022年には原油価格が1バレル62ドルから128ドルまで急騰したうえ、為替レートが1ドル130円以上の円安で推移したことで業績が急激に上向いた。外部環境に業績が極端に左右されることが特徴。
✔セグメント別の状況
INPEXは、国内O&G事業(南長岡ガス田・成東ガス田の開発)、海外O&G事業(豪州イクシスにおける探鉱・開発プロジェクト、東南アジア・欧州・アブダビなどにおける探鉱・開発プロジェクト)、その他事業(CCUS・水素・アンモニア・再生可能エネルギー、森林保全、原油販売代理仲介事業など)、の3事業を有する。
当社はオーストラリア・東南アジア・中東などグローバルに原油・天然ガスなどを開発しており、売上高の約89%を海外O&G事業が占める。収益の中核は、国内外の油ガス田権益から得られる原油・天然ガスの販売収入であり、特に豪州・イクシスLNGやアブダビ海上油田をはじめとする海外大型案件の寄与が大きい。一方、近年はCCUS・水素・アンモニア・再生可能エネルギーなど脱炭素関連分野への投資も拡大しているが、これらの新領域は売上高の1%にも満たない。利益の大半は依然として既存の油ガス開発事業に依存している。つまり当社は、油ガスの上流事業で稼ぐ収益基盤を維持しながら、そのキャッシュフローを用いて次世代エネルギーへ展開を進める二層構造の企業である。
✔最終利益と利益率
INPEXの純利益は2021年まで▲1,100億~2,200億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向。2022年には過去最高となる純利益4,984億円に到達している。営業利益率は業績不調時であっても30%を上回り、業績好調時には60%以上もの高利益率に達する。
✔自己資本比率と純資産
INPEXの自己資本比率は2021年まで減少傾向がみられたが、2024年には65.3%まで回復している。負債への依存度は低く、安定した高利益体質を加味すれば、財務健全性は大いに健全と評価できる。純資産は2021年まで3兆円規模で推移していたが、2024年には5.13兆円まで増加している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
INPEXの平均年収は2022年まで900万~970万円ほどで安定的に推移していたが、2024年には1,167万円まで増加*2。総合職の場合、30歳で年収800万~900万円ほど、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円ほど。平均年齢は39歳前後で安定しており、従業員の年齢構成はやや若め。
*2:業績好調による給与増加に加えて、為替レートの円安推移によって海外出張・赴任の外貨建て手当が増加している事情もある。
✔従業員数と勤続年数
INPEXの単体従業員数は1,100人~1,300人規模で安定的に推移していたが、2024年には889人に減少。日本のエネルギー供給を担う国策企業の割にはコンパクトな組織規模である。平均勤続年数は11.6年(2024年)となっており、高待遇&安定企業の割にはやや短め。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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