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事務用品メーカー

コクヨの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

コクヨは、オフィス家具・オフィス用品・文房具の製造・販売を主力事業とする事務機器メーカー。1905年に和式帳簿の製造を目的に創業後、戦前から「國誉」ブランドで書簡・帳簿類・バインダーなどを製造。1960年にはスチールキャビネットの製造を開始して、事務用機器にも進出。現在では祖業の文房具のみならず、オフィス家具においてもオカムラ・イトーキと並んで業界上位級。代表的製品には大学ノートの「Campus」シリーズがあり、販売実績は累計26億冊にも及ぶ。

POINT

1.大手事務機器メーカー、文房具で著名だが主力はオフィス家具
2.売上高・利益いずれも安定的、財務体質は極めて健全
3.平均年収777万円で福利厚生も良好だが、入社倍率が相当に高い

業績動向

✔売上高と営業利益

コクヨの売上高は長年に渡って3000億円前後の水準で極めて安定的。COVID-19感染拡大期においても売上高の減少は軽微であった。営業利益も150億~200億円レベルで安定的。

✔セグメント別の状況

コクヨは、ファニチャー事業(空間デザイン・コンサルティング、オフィス家具の製造・販売など)、ビジネスサプライ流通事業(オフィス用品の仕入・販売)、ステーショナリー事業(文具の製造・販売など)、インテリアリテール事業(インテリア・生活雑貨の販売など)、その他事業(アンテナショップなど)、の5事業を有する。
コクヨといえば文房具メーカーのイメージが強いが、ステーショナリー事業が売上高に占める割合は25%にも満たない。売上高の約70%はオフィス家具・用品で占められており、対企業のBtoB取引がコア。とりわけファニチャー事業の利益は全社利益の約60%を支えており、稼ぎ頭である。

✔最終利益と利益率

コクヨの純利益は60億~180億円ほどの水準で推移している。年度によりまちまちだが、2022年には過去最高となる純利益182億円を確保。営業利益率は4%~6%ほどの水準で安定推移しており、事務機器メーカーとしては利益率は高め。

✔自己資本比率と純資産

コクヨの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2020年には70%台に到達。利益が安定しているのみならず、財務体質も極めて良好である。純資産も長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には2,396億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

コクヨの平均年収は730万~770万円ほどの水準で安定。文房具・事務機器メーカーとしては首位級、事務用機器メーカー首位のオカムラをも上回る。大卒総合職は30歳で530万~600万円、課長職レベルで850万~950万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

コクヨの単体従業員数は2020年に一時的に増加したが、長期的には2,000人レベルでの推移。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は6,800人ほど。平均勤続年数は直近で18.0年とかなり長めの水準であり、従業員の定着は良い。

総合評価

企業格付け:B

文房具において国内トップシェアの一角でありながら、事務用機器メーカー大手でもありオカムラ・イトーキと並んで業界最上位級。大企業をターゲットとしたオフィス空間設計やオフィス家具販売に注力することで、単なる文房具メーカーでは到達不可能だった企業規模にまで成長を遂げた。業績はかなり安定的であり、売上高・利益いずれも横ばいに近い推移。が、2022年には純利益が過去最高を更新しており、地味に業績好調。財務体質は極めて優良であり、自己資本比率は驚異の70%以上。負債に頼らない堅実な財務戦略によって、倒産とは当面無縁といえる領域にまで到達している。最近ではペーパーレス化・デジタルトランスフォーメーションが活況だが、文房具の売上高は約25%ほどに過ぎないため大きな脅威とはならない。いち文房具メーカーに過ぎなかった1960年代にオフィス家具事業への進出を決断した経営判断が現在に至るまで大きな財産を残したと言えるだろう。

就職格付け:B

日本人ならば学生時代に誰もが文房具でお世話になった企業であり、就職後にもオフィス家具・事務用品でお世話になるであろう企業。誰もが知る有名企業であることに加えて、文房具で著名であることから企業イメージもクリーンで良好。給与水準は事務機器メーカーとしてはトップクラスであり、平均年収730万~770万円ほどの水準で安定。自己資本比率70%以上の堅実すぎる財務体質から、終身雇用への期待度も高く持つことができる。福利厚生においても恵まれており、若手社員であれば家賃補助制度で最大7万円/月が支給される。独身寮・社宅はないものの、今どきは同じ会社の社員同士で暮らしたくない人間も少なくない為、寧ろメリットとも捉えられる。さすがに大手メーカーと比べるのは酷ではあるが、中堅メーカーとしてはトップクラスの待遇を得られる企業だろう。が、最大のネックは入社難易度。就職人気ランキング上位級かつ知名度抜群であるにもかかわらず、新卒採用人数は例年35人~50人に過ぎず、中途採用の門戸も広くない。

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