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阪急阪神ホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

阪急阪神ホールディングスは、阪急電鉄・阪神電鉄を子会社とする大手鉄道会社。2006年に村上ファンドが阪神電鉄株を大量買付したことに危機感を高めた阪神電鉄が同業の阪急電鉄と合併して誕生。阪急阪神東宝グループの中核企業であり、主要子会社は阪急電鉄・阪神電鉄・阪急阪神不動産・阪急交通社・阪急阪神ホテルズなど。関西圏の不動産を数多く保有しており、土地保有額では日系企業上位10社に数えられる。子会社139社を有する巨大グループであり、関西圏では生活と密着した存在。

POINT

1.阪急阪神グループの中核企業、鉄道と不動産が主力事業
2.売上高・利益は安定的だが、COVID-19による打撃から今だ回復途上
3.平均年収819万円だが900万円以上の時期も、関西圏での企業ブランドは絶大

業績動向

✔売上高と営業利益

阪急阪神ホールディングスの営業収益は長年に渡って0.7兆円規模で推移してきたが、2020年に0.57兆円まで激減して現在は回復途上*1。営業利益は1000億円レベルで安定していたが、こちらも2020年に急減して回復途上。
*1:阪急阪神ホールディングスはCOVID-19感染拡大による影響を被った1社。外出自粛により通勤・行楽需要が激減したうえ、主力事業である鉄道乗客数が激減。2022年には営業収益0.97兆円に急伸しているが、これはCOVID-19の自宅療養者支援業務を自治体から受注した恩恵。

✔セグメント別の状況

阪急阪神ホールディングスは都市交通事業(鉄道・タクシー・バスなど)、不動産事業(阪急阪神不動産、不動産賃貸・分譲など)、エンタテイメント事業(阪神タイガース・宝塚歌劇団・梅田芸術劇場など)、情報通信事業、旅行事業(阪急交通社)、国際輸送事業(阪急阪神エクスプレス)、ホテル事業(阪急阪神ホテルズなど)、その他事業(建設・広告・カード・金融など)の8事業を有する。
阪急阪神ホールディングスは関西圏において交通・不動産・エンタメ・旅行あらゆる分野で存在感を発揮しているが、不動産事業が特に強い企業。近年はCOVID-19による影響で鉄道事業が落ち込んだが、事業多角化が進んでいたことが幸いして鉄道業社の中では相対的に被害が少なかった。

✔最終利益と利益率

阪急阪神ホールディングスの純利益は500~700億前後の水準で安定推移してきたが、2020年を境に下落。営業利益率は12~15%程度の水準*2で安定推移していたが、COVID-19を境に一変。
*2:阪急阪神ホールディングスの営業利益率は大手私鉄の中ではトップクラスに高いが、これは不動産事業が大きな利益貢献を果たしている事情。関西圏に優良不動産を数多く所有しているため、利益率が高くなっている。

✔自己資本比率と純資産

阪急阪神ホールディングスの自己資本比率は35%前後で推移してきたが、2020年以降は業績悪化により30%前後まで後退。自己資本比率はやや低めの印象だが、これは阪神ホールディングス特有の事情による*3。純資産は2019年まで右肩上がりで増加していたが、2020年以降は停滞感が強い。
*3:阪急阪神ホールディングスは鉄道会社と不動産デベロッパーの性格を兼ね備えた企業であるが、いずれも業態も自己資本比率が高くなりにくい事情がある。鉄道・不動産は多額の投資資金を要する特性があり、自己資本比率は他業界と比べて低めとなる。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

阪急阪神ホールディングスの平均年収はかつては900万円前後であったが、2018年以降は800万円台に後退。傘下企業である阪急電鉄・阪神電鉄とは給与テーブルは異なっており、鉄道会社よりもワンランク上の給与水準となっている*4。
*4:阪急阪神ホールディングスは巨大組織である阪急阪神グループを統括する持株会社であるため、鉄道会社というよりも事業統括会社の色彩が強い。そのためワンランク上の給与水準かつ採用窓口も別となっている。

✔従業員数と勤続年数

阪急阪神ホールディングスの従業員数は2万人前後の水準で安定的・ただし持株会社の従業員数は精々200名レベルであるため、ほとんどの従業員は傘下企業の所属である。平均勤続年数は19年前後の水準で極めて安定的、勤続年数が長い。

総合評価

企業格付け:AAA

関西圏においてトップクラスの企業ブランドを持つ、超名門企業。阪急電鉄・阪神電鉄という市民に愛される鉄道を主要子会社に持つ上、関西圏の都市部に多数の有力不動産を持ち、傘下には宝塚歌劇団・阪神タイガースも。鉄道会社のイメージが先行するが、不動産事業も稼ぎ頭である為に不動産デベロッパーの性格も兼ね備える。業績はCOVID-19による影響で都市交通事業は不調気味だが、もともと不動産事業が稼ぎ頭の企業であったために鉄道業界の中では打撃は限定的であった。財務体質は鉄道会社としては優良な水準をキッチリと維持しており、数多くの優良不動産を保有していることから業績危機とは程遠い。

就職格付け:S

関西圏における絶大な企業ブランドから人気トップ企業の1社であるうえ、もともと就職人気が高い鉄道会社と不動産デベロッパーの性格を兼ね備える超難関企業。給与水準もかなり恵まれており、大卒総合職であれば30代初頭には年収700~850万、30後半には1,000万円に到達する。傘下企業の阪急電鉄・阪神電鉄などは別で採用活動を行っている為、採用人数は50名程度とかなり少ない。未来の阪急阪神グループを統括・牽引する役割を期待されることから採用ハードルはかなり高め。入社後は傘下企業への出向を経ながら人脈・経験・スキルを蓄積するキャリアパスを歩むこととなる。採用サイトには「将来的には各事業やグループ全体を牽引する経営者・事業リーダーになっていただくことを期待しています」との文言がある通り、阪急阪神グループにおけるエリート街道を歩むことが期待されている。

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