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製薬メーカー

小林製薬の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

小林製薬は、医薬品・衛星雑貨などを手掛ける製薬・トイレタリーメーカー。1886年に小林忠兵衛が愛知県名古屋市で創業した小林盛大堂が源流企業であり、創業当時から薬品・雑貨・化粧品を販売。企業理念として「”あったらいいな”をカタチにする」を掲げており、ニッチ需要に機敏に答える製品開発を得意とする。ヒット商品には熱さまシート・消臭元・ブルーレット・フェミニーナなどがあり、ヘルスケア・衛星雑貨品が稼ぎ頭。ユニークな商品開発と命名センスでも知られており、マーケティング戦略も巧み。

POINT

1.ニッチ需要を掴む商品開発で知られる製薬・日用品メーカー
2.売上高・利益は極めて安定的、財務体質は健全すぎるほど健全
3.平均年収733万円で業界中位級、福利厚生もそこそこ充実

業績動向

✔売上高と営業利益

小林製薬の売上高は2017年からは1,500億円レベルで非常に安定的な推移。2016年のみ急落しているが、これは決算月の変更が理由*1。営業利益も2017年以降は250億円前後で極めて安定的に推移している。総じて、業績が極めて安定的な企業である。
*1:2016年に小林製薬は決算月を3月から12月に変更。そのため同年のみ4月から12月までの9ヵ月分の決算となっている。数値上は業績悪化に見えるが、本業には何ら問題がない会計上のみの変化。

✔セグメント別の状況

小林製薬は国内事業(国内におけるヘルスケア製品・日用品・スキンケア製品・カイロの製造販売など)、海外事業(アメリカ・中国・東南アジアにおける事業展開)、通販事業(栄養補助食品・スキンケア製品の通信販売)の3事業を有する。
小林製薬は売上高の約75%を国内事業に依存する内需型企業だが、最近は海外展開を模索。2018年には江蘇中丹製薬を買収、2020年には米アルバアムコファーマカルカンパニーズを買収。頭打ちの国内市場に代わる成長市場での足掛かりを築こうと試行錯誤を重ねる状況。

✔最終利益と利益率

小林製薬の純利益は2019年以降は200億円規模で極めて安定的に推移。成長ペースは緩慢であるが、2022年も過去最高益を更新している。営業利益率は13~17%レベルでの推移が続いており、利益水準は大手メーカーを凌駕する。

✔自己資本比率と純資産

小林製薬の自己資本比率は概ね70%前後の水準で推移しており、実質無借金経営。財務体質としては極めて健全な水準を維持している*2。純資産は長期的な増加傾向が続いており、直近では1,979億円に到達。
*2:小林製薬は純利益を安定的に確保し続けており、20年以上に渡って黒字確保が続いている。景気後退局面でも純利益を着実に確保し続けたことで健全な財務体質になっている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

小林製薬の平均年収は緩やかな増加基調が続いており、直近では平均年収733万円に到達。大手製薬メーカーと比較すると少ないが、日用品・トイレタリーメーカーとしては標準的な給与水準。平均年齢は直近で40.9歳とこちらも標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

小林製薬の従業員数は緩やかな増加傾向が続いていたが、2018年以降は停滞気味。直近の2022年には3,495人となっており、知名度の割には少数精鋭の組織規模である。平均勤続年数は12.9年と大手企業と比較すると若干短めの水準。

総合評価

企業格付け:BB

ニッチ需要を突く商品開発と独特のネーミングセンスで知られる有名企業。テレビCMでもお馴染みかつ”製薬”がつく社名ゆえに大手製薬メーカーの一角のようにも感じられるが、売上高1,500億円・従業員数3000人レベルと企業規模はそこまで大きくはない。業績は安定的すぎるほどに安定的であり、売上高・利益いずれも上下変動が少ない点が特徴。生活必需品を多く扱う内需企業ゆえに業績変動には見舞われにくい。とはいえ、営業利益率は15%以上をキープしており、安定的に高い利益率を確保できている。財務体質は極めて堅牢であり、自己資本比率70%以上かつ実質無借金経営。まったく隙のない模範的経営を貫いている点は称賛に値する。強いて言えば、アメリカや中国における海外展開の成否がどうなるかが気がかりだが、あり余る内部留保がある限りは倒産リスクとは無縁。

就職格付け:BB

日本人ならば知らない者がいない有名企業。製薬メーカーの様にも思われるが、どちらかといえば日用品・ヘルスケア製品が主力のトイレタリーメーカーである。給与水準は平均年収733万円と可もなく不可もなしのライン、著名企業の割には普通と感じられるが雇用の安定性とバーターと考えて妥協できる範疇。上述の通り、業績・財務体質は安定的すぎるほどに安定しているため、そこそこの年収を確実に得たい場合には優良かもしれない。福利厚生も中堅企業としてはそこそこ恵まれており、入社5年目までは月1万円で1LDKの借上げ社宅に居住できる。その後も家賃の50%までが一定条件で支給される為、若手社員の経済的恩恵は大きい。

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