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自動車部品メーカー

ジェイテクトの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ジェイテクトは、自動車部品・ベアリング・工作機械などを製造販売するトヨタグループの自動車部品・精密機械メーカー。トヨタ系の部品会社であった光洋精工と豊田工機が2006年に合併して誕生。自動車のパワーステアリング部品において世界シェア1位を誇り、乗用車から大型商用車まで対応できる製品群を有する。日系4大工作機械メーカーの1社でもあり、研削盤・マシニングセンタでも著名。機械部品ではベアリングで世界シェア上位。筆頭株主はトヨタ自動車であり、トヨタグループ主要13社の一角。

POINT

1.トヨタGの自動車部品メーカー、ベアリング・工作機械でもシェア大
2.売上高・利益の停滞が続いたが回復の兆し、財務体質は安定的
3.平均年収680万円だが業績好調だと700万円以上に、福利厚生は手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

ジェイテクトの売上高は1.4兆円前後で推移してきたが、2022年には売上高1.68兆円に達して過去最高を更新*1。営業利益は2018年頃までは600億~800億規模であったが、2019年からは不調気味*2。
*1:2022年はCOVID-19以降の新車生産台数の低迷が改善、自動車部品が販売拡大。為替レートの円安推移も追い風となった他、世界的な原材料価格の高騰を受けた値上げ措置により売上高が拡大。

✔セグメント別の状況

ジェイテクトは自動車事業(電動・油圧パワーステアリング、カップリング、トルセン)、産機・軸受事業(ベアリング)、工作機械事業(研削盤・マシニングセンタ・切削機・制御機器など)の3事業を有する。。
ジェイテクトは売上高の約67%を自動車部品で稼ぐため、自動車部品メーカーとして見做されることが多い。ただし、利益面はベアリングを主力とする産機・軸受事業が約40%を占めており稼ぎ頭。自動車部品のみに依存しない事業ポートフォリオの構築に成功した企業と言えよう。

✔最終利益と利益率

ジェイテクトの純利益は2019~2020年に急速悪化*2したが、2022年は343億円まで回復。営業利益率は1~5%程度の水準で推移、利益率は高くないビジネスモデル。
*2:2019年は世界的景気減速・COVID-19感染拡大により自動車部品・ベアリングが販売失速。2020年以降は世界的なサプライチェーン混乱による新車生産台数の低迷により業績の低空飛行が続いた。

✔自己資本比率と純資産

ジェイテクトの自己資本比率は概ね40%以上の水準で安定推移しており、直近の2022年は自己資本比率46.3%となっている。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2022年には7,007億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ジェイテクトの平均年収は業績好調であった2018年頃は平均年収700万円を越えていたが、直近では680万円ほどに後退。大卒総合職なら30歳前後で年収500~650万円ほどが目安。平均年齢は緩やかな増加基調、直近の平均年齢は40.5歳ほど。

✔従業員数と勤続年数

ジェイテクトの従業員数は4万人規模で推移、2017年のみ4.9万人にまで増加したが最近は微減傾向。平均勤続年数は16.6年と大手メーカーとしては標準的な水準。

総合評価

企業格付け:B

パワーステアリングにおいて世界シェア首位の自動車部品メーカー。売上高の多くを自動車部品事業が占めるが、ベアリング・工作機械でも競争力を有しており、事業多角化に成功した企業でもある。業績は2019年以降は低空飛行が続くが、COVID-19や新車生産台数の低迷などの外的要因による影響が大であり、ジェイテクト自身の失敗によるものではない。業績停滞を招いた外的要因はいずれも2022年に緩和の兆しを見せており、業績も徐々に回復を示しつつある。業績停滞していたとはいえ、財務体質は自己資本比率40%以上と良好な水準をキッチリ維持。特筆すべきは、パワーステアリングは電気自動車であっても必須の装備である点。昨今の急激な電気自動車シフトでエンジン系の部品メーカーは将来的衰退が危ぶまれる状況であるのに対して、ジェイテクトはパワーステアリングが主力であることから将来的にも生存できる可能性が大である。

就職格付け:B

主力製品がいずれもBtoBビジネスのため一般的知名度は低いが、売上高1兆円を越える大手企業。トヨタグループに属するため、地盤の愛知県ではそこそこ知られた存在。給与水準は業績好調ならば平均年収700万円を越えるため、自動車部品・精密機械メーカーとしてはそこそこの水準。福利厚生は意外と良好であり、社宅・独身寮はもちろんのこと家賃補助制度も。家賃補助制度は1~4万円ほどを受給でき、家族構成・年齢に応じて支給額が変動されるため実質的公平を重んじた制度設計。社員向けの保養所・体育館・グラウンドが整備されている他、長期勤続社員には永年勤続旅行も付与。古き良き日本企業の福利厚生モデルを維持していることは評価できる。

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