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電機メーカー

浜松ホトニクスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

浜松ホトニクスは、光電子倍増管・フォトダイオード・半導体レーザーなどの光関連機器を製造する電子部品メーカー。1948年に電子管の製造を目指して創業。光電子倍増管で世界シェア90%以上を占有する事実上の独占企業であり、主力の光電子増倍管にレーザーなどの光源を組み合わせた計測技術を確立。研究開発を重視する企業として知られ、静岡県浜松市の中央研究所では光関連の基礎研究から応用研究に至るまで幅広く深掘。スーパーカミオカンデやCERN大型ハドロン衝突型加速器にも技術貢献。

POINT

1.光関連でグローバルニッチトップを疾走する電子部品メーカー
2.売上高・利益は絶好調、財務も実質無借金経営で超優良
3.平均年収720万円と中堅メーカー上位級、静岡県に拠点集中で転勤リスク小

業績動向

✔売上高と営業利益

浜松ホトニクスの売上高は緩やかな成長基調が継続しており、2022年には売上高2,088億円に到達*1。営業利益は2020年まで200億円台で足踏みしていたが、2022年には営業利益570億円まで増加。
*1:浜松ホトニクスの売上高は長期的な成長が続いている。2009年が売上高719億円であったことを思うと、約13年間で売上高が3倍近く増加した計算となる。

✔セグメント別の状況

浜松ホトニクスは電子管事業(光電子倍増管・イメージ機器など)、光半導体事業(フォトダイオード・イメージセンサ・赤外線検出素子などの光半導体素子)、画像計測機器事業(CMMOSカメラ・CCDカメラ・TDIカメラなどの画像処理・計測装置)、その他事業(半導体レーザー・磐田グランドホテルなど)、の3事業を有する。
浜松ホトニクスの主力製品は世界シェア90%以上を占有する光電子倍増管だが、セグメント別に見ると光半導体事業が売上高の約45%を占めており最大。光半導体事業のコア製品であるフォトダイオードは、医療・分析・科学計測・光通信・民生機器まで幅広い用途に使用されており裾野が広い製品。

✔最終利益と利益率

浜松ホトニクスの純利益は2021年まで100億~200億円レベルで推移してきたが、直近の2022年には純利益413億円を計上して過去最高を更新*2。営業利益率は15%以上の水準で推移しており、直近では営業利益率27%とかなり高い水準。
*2:2022年の浜松ホトニクスは世界的な電気自動車・5G通信機器の生産拡大により、自動車・半導体産業向けの出荷が好調。医療分野もX線CT用など高機能製品が需要拡大を謳歌。為替レートが円安で推移した点も増益要因として寄与。

✔自己資本比率と純資産

浜松ホトニクスの自己資本比率は75%以上の高水準で推移し続けており、財務体質は実質無借金経営となっており極めて良好。純資産も緩やかな増加傾向が続いており、2022年には2,819億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

浜松ホトニクスの平均年収は670万~720万円前後の水準で極めて安定的に推移しており、中堅メーカーとしてはかなりの高水準。課長職に昇進すれば年収900~950万円程度、年功序列化型の給与・昇進制度。社員の平均年齢は40.2歳と高くも低くもない標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

浜松ホトニクスの従業員数は業績好調に比例して微増傾向が続いており、直近の2022年は5,491人に到達。平均勤続年数は16.0年と標準的な勤続年数だが、中堅メーカーとしてはやや長めとも感じられる。

総合評価

企業格付け:C

光分野でグローバルニッチトップを疾走する中堅の電子部品メーカー。業績は絶好調で売上高・利益いずれも過去最高圏で推移している。主要顧客は医療・バイオ分野と産業機器分野だが、近年は売上高の約19%を占める半導体製造装置業界が好況でありその恩恵を享受している。それ以外にも電気自動車・5G通信機器といった分野も浜松ホトニクスの技術を必要とするため、将来性の見込まれる業界からの引き合いが続く間は安泰。財務体質も自己資本比率75%以上で実質無借金経営と極めて堅実、倒産リスクとは当面無縁であろう。

就職格付け:CCC

静岡県が誇る優良企業の1社であり、地元では名の知れた企業。業績・財務いずれも堅実な優等生企業であることに加えて、世界最先端の研究開発に基づく製品開発力は競合他社を突き放す。給与水準は平均年収700万円前後と大手電機メーカーには劣るものの、企業規模を考えれば非常に優秀。更に言えば、浜松ホトニクスの国内拠点は静岡県浜松市の周辺に集中している点は絶大なメリット。同地での生活コストは都心勤務に比べると圧倒的に安価であるうえ、転勤リスクとも無縁であるが故に共働きもしやすい。転勤リスクを抱えた都心勤務で平均年収800~900万程度を貰うよりも、実質的なコストパフォーマンスでは上回るポテンシャルはある。静岡県の出身者・居住者であれば是非検討してみたい1社。

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