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東海東京フィナンシャルホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

東海東京フィナンシャルホールディングスは、東海東京証券を中核子会社とする中堅証券グループ。2000年に東海丸万証券と東京証券が合併して誕生。東海東京という社名を冠するものの、北は仙台から南は福岡まで店舗展開。証券業界では上位10社に数えられる規模。2010年にはトヨタファイナンシャルサービス証券を吸収合併。最近では地方銀行による証券子会社の設立を支援しており、浜銀TT証券・とちぎんTT証券・十六TT証券・西日本シティTT証券などを相次いで設立。

POINT

1.中部地方が地盤の中堅証券会社だが、日本全国に営業支店を展開
2.収益・利益は成長頭打ち、大手地銀との提携で独自路線を模索
3.平均年収758万円だが実力主義による個人差が大

業績動向

✔営業収益と営業利益

東海東京フィナンシャルホールディングスの営業収益は1,000億未満の水準での推移、過去最高は2013年の905億円のため成長性には乏しい*1。営業利益も2013年の302億円から減少、近年は100億円前後での推移が続いている。
*1:東海東京フィナンシャルホールディングスの営業収益に占める顧客年齢別シェアは50代以上が約90%、うち80代以上が約18%と顧客基盤の高齢化が課題(参考:P.9参照)。最近は取引手数料が安価なネット証券が人気を集めている点も、リテールビジネスの拡大に暗雲を落としている。

✔セグメント別の状況

東海東京フィナンシャルホールディングスは投資金融サービス事業(有価証券売買・委託媒介、引受け・売出し・募集など)のみの単一事業会社である。
東海東京フィナンシャルホールディングスは店舗網を全国展開するフルライン総合証券会社ではあるが、大手証券会社に比べれば企業規模は圧倒的に小さい。そのため、有力地方銀行と提携合弁証券会社(〇〇TT証券)を次々設立。大手証券会社やネット証券とは異なる顧客層を開拓して生存を図っている。

✔最終利益と利益率

東海東京フィナンシャルホールディングスの純利益は10~130億円ほどのレンジで横ばい推移*2。営業利益率は不調時を除けば概ね10%以上の水準で推移、そこそこ高めの利益率を誇る。
*2:2017年のみ純利益254億円と傑出しているが、同年は持分法による投資利益として負ののれん発生益111億円を計上。純資産金額未満のディスカウント価格で高木証券を買収したことで特別利益が発生した背景がある。

✔自己資本比率と純資産

東海東京フィナンシャルホールディングスの自己資本比率は直近で16.0%と低いが、これは証券会社の特殊性が理由であり問題はない。顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるためである。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

東海東京フィナンシャルホールディングスの平均年収は直近で758万円とやや高めの水準だが、これは持株会社の145名のみの平均年収。東海東京証券の平均年収は550~750万円程度と推定されるが、証券会社ゆえに営業成績による個人差が大きい点には注意。

✔従業員数と勤続年数

東海東京フィナンシャルホールディングスの従業員数は2,500人~2,800人規模で推移しており、少数精鋭の組織。平均勤続年数は2.58年と極端に短いが、これは持株会社の145名のみの平均勤続年数*3。東海東京証券の平均勤続年数はもう少し長いと推定される。

総合評価

企業格付け:CC

地盤の中部地方ではそこそこ有名な中堅証券会社。企業スローガンでは「国内6大証券の一角を担う存在(Greatest 6)」を掲げるが、世間的には”国内5大証券”が浸透。国内5大証券では最下位の三菱UFJモルガン・スタンレー証券でも営業収益2,500億円規模のため約3倍の差。中堅フルライン証券会社としては上位級の規模を誇るが、顧客基盤の高齢化問題は課題。営業収益の約20%弱を80代に依存しており、若年顧客はネット証券に奪われる状況。大手証券会社にもネット証券にも浸食されていないブルーオーシャンとして大手地方銀行との提携という戦略を打ち出しており一定の成功を収めている点は評価に値する…が、地方銀行の顧客層もまた高齢者であるため根本的な解決になるかは怪しい。2022年には高リスクかつ難解な金融商品である仕組債を一般顧客に販売していた問題が一部で騒がれた(参考リンク)。

就職格付け:A/D

■部門別採用=A
東海東京フィナンシャルホールディングスは部門別コースを用意しており、ウェルス部門・グローバルマーケット部門・投資銀行部門・デジタル部門が個別募集を行っている。中堅とはいえ、フルライン証券会社のの花形部門へ直行できるキャリアパスが描ける点は大きな魅力。支店での転勤を繰り返すことなく本部直行でき、金融マーケットの根幹に関わる経験を積める点は高く評価できるだろう。大手金融機関のブレイン採用枠へ応募する際には併願することを前向きに検討したい。とはいえ、大手証券会社と比較すると規模がかなり小さいため、どうしても投資銀行部門で働きたい意欲がない場合は慎重に判断したい。また、採用後に適性ナシと判断された場合には他部門への異動がありうる点にも注意。

■総合職オープン=D
証券会社とはいえ、業界ポジションは中堅規模のため若手社員の給与水準は中堅メーカーと大差ないと推定される。証券会社は実力主義の気風が強いため実力さえあれば評価はされるが、数字が上がらず会社を去る社員も決して少なくない(こうした事情から就職偏差値ランキングでは評価が低くなりやすい)。対面営業を主力とする為、大手証券以上に対個人の営業素質が問われる。良くも悪くも適性がハッキリと別れる職種であるため、自分の適性をしっかりと判断しておきたい。逆に、営業適性に自信があるならば学歴不問で出世を目指せる人生逆転コースとして就職するのも戦略的か。

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