本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
東京建物は、オフィスビル・商業施設・物流施設・マンションなどの開発・販売・賃貸を手掛ける不動産デベロッパー。1896年に安田財閥総帥・安田善次郎が不動産会社として創業。日本で初めて住宅のローン販売を導入することで、日本における不動産金融の源流の一角を成した。1960年代からはマンション分譲に進出して事業領域を拡大。現在では不動産デベロッパーとしてオフィスビル・商業施設・物流施設・マンションなど幅広い不動産アセットを展開。特に、分譲マンションブランド『Brillia』は都市部において高いブランド認知と資産性評価を形成している。かつての名門・安田財閥系を源流とする、現在も上場を維持する数少ない企業の一つである。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:73(最上位)
不動産業界における『メジャーセブン』の一角、マンション領域では高いブランド力を誇る。給与水準も業界上位でキャリア価値も高いが、平均勤続年数はやや伸び悩む。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:最難関級
総合職の採用人数は年間20人~30人と非常に少なく、他の財閥系大手不動産デベロッパーとの併願者も多い。総合職の出身大学は旧帝大・早慶レベルが大半。
採用大学:【国公立】東京大学・一橋大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・神戸大学・広島大学・横浜国立大学・富山大学・東京外国語大学・名古屋工業大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・同志社大学・関西学院大学・立命館大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
東京建物の売上高は過去10年以上に渡って成長基調が続いている*1。2024年には過去最高となる売上高4,637億円に到達して過去最高を更新*2。営業利益も売上高に比例して緩やかな増加が継続しており、2024年には過去最高となる796億円に到達。
*1:当社の売上高が長期的に成長している理由には、①地盤である関東圏におけるマンション価格の高騰が続いている点、②高所得層への『Brillia』マンションの販売好調、③オフィスビルの新規開業ラッシュによる賃貸収入の増加、など。
*2:2024年に売上高が増加した理由は、①堅調な国内景気によるオフィスビル需要の拡大、②ビル事業における物流施設・ホテル・商業施設の展開拡大、③住宅事業におけるタワーマンション『Brillia Tower』シリーズの販売拡大、など。
✔セグメント別の状況
東京建物は、ビル事業(オフィスビル・商業施設・物流施設などの開発・販売・賃貸・管理)、住宅事業(マンションなどの開発・販売・賃貸・管理)、アセットサービス事業(不動産の売買・仲介・コンサルティング、駐車場開発)、その他事業(ホテル・リゾート・ゴルフ場・介護サービス・海外事業)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、オフィスビル賃貸事業によって安定した収益を確保しつつ、分譲マンション事業で投下資金・利益を短期間で回収することで、「安定性と成長性の両立」を図っている点に特徴がある。オフィスビル事業は、都心主要エリアにおける中規模以上の物件を中心に構成されており、超大型再開発で規模を追う三菱地所や三井不動産と比べると、規模よりも収益効率を重視した運用姿勢を示している。分譲マンション事業では『Brillia』ブランドを軸に、都心・準都心の資産性を重視した住宅開発を行っており、販売数量よりもブランド価値の維持を優先する販売方針を示している。オフィスビル賃貸による収益を基盤としつつ、分譲マンションを開発・販売することで資金と利益を回収し、それを次の開発へ再投資する循環を通じて、事業の成長性を確保している。総じて、オフィス賃貸による安定収益とマンション分譲による資本回転を組み合わせた、バランス型の事業構造を採用していると評価できる。
✔最終利益と利益率
東京建物の純利益は右肩上がりの増加傾向が長期的に続いており、2024年には過去最高となる658億円に到達している。営業利益率は長期的に14%~18%ほどで推移しており、大手不動産会社と比較しても高めの利益率を誇っている*3。
*3:営業利益率においては住友不動産・ヒューリックなどには及ばないが、三菱地所・三井不動産・野村不動産・東急不動産は営業利益率で上回っている(2024年)。
✔自己資本比率と純資産
東京建物の自己資本比率は長期的に24%~25%レベルで安定的に推移している。やや低めにも見受けられるが、これは不動産デベロッパーとしては標準的な水準である*4。純資産は増加傾向が続いており、2024年には5,475億円に到達している。
*4:不動産デベロッパーは土地建物への投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡る。そのため長期借入金などの資金調達で費用を賄うことが多く、自己資本比率が高まりにくい傾向がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
東京建物の平均年収は2023年まで940万~1,020万円で安定的に推移していたが、2024年には1,110万円まで増加している。不動産業界の大手企業としては標準的な水準だが、この平均年収は総合職・住宅専任職・一般職などを合わせた平均値であり、総合職に限った平均年収はより高い。総合職の場合、30歳前半で1,100万~1,200万円ほど、課長職レベルで1,500万~1,700万円ほどが目安。
✔従業員数と勤続年数
東京建物の単体従業員数は長期的な増加傾向が続いており、直近では830人規模の組織となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,925人ほど。平均勤続年数は11.5年(2024年)に留まっているが、不動産業界は人材の流動性が高いためやむを得ない。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
✓
大手・有名企業550社の実力と就職序列を
SSS~Fランクの21段階で格付しています。
✓
1社あたり平均800文字超で「企業としての実力」と「就職先としての魅力」を深掘り、企業理解を格上げします。
✓
いつでも登録解除可能です。期間の縛りはありません。
※登録方法・Q&Aはこちら
