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外食会社

日本KFCホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本KFCホールディングスは、日本国内においてケンタッキーフライドチキンを展開するフランチャイズチェーン。1970年に三菱商事と米KFC本社の折半出資により設立され、日本国内に約1,200店舗を展開。2007年に米KFC本社が当社株式をすべて売却したことで、米KFC社との資本関係は解消済。1991年から日本国内においてピザハットも当社が展開していたが、2007年に事業売却している。

POINT

1.三菱商事Gのケンタッキーフライドチキン運営元、国内1,200店舗体制
2.売上高・利益いずれも過去最高圏、財務体質も大いに優良
3.平均年収767万円と業界上位、福利厚生は凡庸だが勤務管理はホワイト

業績動向

✔売上高と営業利益

日本KFCホールディングスの売上高は2017年に減少*1したが、同年以降は緩やかな成長基調が継続。直近の2022年には過去最高となる売上高999億円を達成*2。営業利益は2021年に過去最高となる営業利益63億円を記録。
*1:2017年の売上高の急落は、日本ピザハットを事業売却したことが主要因。
*2:売上高の増加している理由は、①顧客来店頻度を高めるエブリデイブランド戦略のヒット、②ハンバーガー商品群の強化、③新規出店・店舗改装による集客増加、が主要因。

✔セグメント別の状況

日本KFCホールディングスはKFC事業(ケンタッキーフライドチキンの直営店舗運営・フランチャイジーなど)のみの単一事業会社である。
日本国内における約1,200店舗のうち、直営店は約300店舗ほど。当社は直営店舗を自ら運営する一方、フランチャイジーに商品・ノウハウを提供する。フランチャイジーからはロイヤリティー収入を得る一方、米KFC本社に対しては当社がライセンス料を支払っている。

✔最終利益と利益率

日本KFCホールディングスの純利益は2017年頃から増加傾向が続いており、2021年には純利益45.6億円まで増加*3。営業利益率は年度によりまちまちだが、長期的には3%〜5%ほどで推移。
*2:2020年から急激に利益が伸びた理由は、①COVID-19感染拡大期にテイクアウト需要を掴んだ点、②多くの店舗にドライブスルーが備えられていた点、③テイクアウト向け高付加価値商品を巧みに投入した点、に起因。

✔自己資本比率と純資産

日本KFCホールディングスの自己資本比率は長期的に50%以上の水準で推移しており、財務体質は大いに健全。純資産は2019年までは横ばいで安定していたが、2020年頃から増加傾向に転換している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本KFCホールディングスの平均年収は増加傾向が続いており、直近では767万円に到達。ただし、あくまでも持株会社の67人の平均年収であるため、事業会社の従業員はこれより低い。総合職であれば30歳で470万円~550万円ほど、課長職レベルであれば750万~950万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

日本KFCホールディングスの単体従業員数は減少傾向にあり、直近では67人規模。ほとんどの従業員は事業会社に属しており、事業会社の従業員も含めた連結従業員数は907人ほど。平均勤続年数は直近で15.7年と長めだが、これも持株会社の67人の平均である点には注意が必要。

総合評価

企業格付け:CC

■業績動向
2019年頃から業績絶好調。COVID-19感染拡大期にテイクアウト需要を巧みに掴んだことで躍進。2022年には原材料・人件費の高騰を受けて利益は減速したが、売上高は過去最高を更新中。最近では「エブリデイブランド」戦略を掲げ、顧客層の来店頻度の底上げに邁進。チキンは毎日食べる日本人は多くないが、ハンバーガー等の商材開発に注力することで業績拡大を続けている。

■財務体質
自己資本比率50%を上回っており、堅実な体質を維持。保有資産における現金は200億円を上回っており、手元資金の潤沢さは目を見張るものがある。直営店があるとはいえフランチャイズビジネスの規模が大きい為、不用意な固定資産を多く抱えずに済む点もメリット。財務懸念は全くないレベル。

■米KFCと三菱商事との関係
もともとは米KFC本社と三菱商事との合弁会社として設立されたが、2007年に米KFCが保有株式をすべて売却。現在では資本関係のないビジネスパートナーとしての関係となっている。三菱商事は発行済株式数の約35%を保有する筆頭株主。食肉調達や人材確保において同社の支援を得ている。

就職格付け:CC

■給与水準
給与水準は外食業界ではトップクラスに恵まれており、直近の2022年の平均年収は767万円とかなりの高水準。これは持株会社の67人だけの平均年収であるため、事業会社における平均年収は割り引いてみる必要があるが、総合職の平均年収であれば550万〜650万円ほどはある。

■福利厚生
新卒入社であれば独身寮があるが、一律での家賃補助制度はなし。会社都合での転勤であれば家賃補助が支給される。大企業かつ三菱商事グループの企業であるため、外食業界にありがちなブラック労働は皆無。厳格な勤務管理と有給休暇の取得が推進されており安心感がある。

■キャリア
入社後は店長を目指したのち、本社管理部門などへと進んでいくのがロールモデル。本社部門まで進めば転職の潰しも効くが、店長クラスでの転職となると外食業界が中心とならざるを得ない。が、外食業界において当社以上の待遇がある企業は稀であるため転職はしにくい。優秀であれば海外のKFCへの赴任も一部は経験できる。経営層は三菱商事からの天下りが過半数を占めており、現社長も三菱商事の出身である。叩き上げでの出世には限界がある。

■社会的名声
誰もが知るという点においては有名企業だが、勝ち組のイメージはなかなか得られにくいのが辛いところ。そもそも当社が三菱商事グループであること自体がそこまで知られていないうえ、外食業界における優良企業であることの認知も薄い。

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