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外食会社

日本マクドナルドホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本マクドナルドホールディングスは、日本国内におけるマクドナルドを統括・展開するハンバーガーチェーン大手。1970年に東京・銀座に1号店を出店して日本上陸。1980年代からは多店舗展開を加速させ、現在では国内2,900店舗を展開。世界各国のマクドナルドと比較しても米国・中国に続いて第3位の規模。米マクドナルド本社は当社の発行済み株式数の約35%を保有する筆頭株主。

POINT

・日本全国のマクドナルドを統括、筆頭株主は米マクドナルド本社
・売上高は右肩上がりで利益も堅調、財務体質は外食業界トップ級
・総合職の30歳で400万~500万円ほど、年棒制で福利厚生は微妙

業績動向

✔売上高と営業利益

日本マクドナルドの売上高は過去8年間に渡って右肩上がりでの増加傾向が続いており、直近の2022年には過去最高となる売上高3,523億円を達成*1。営業利益は2015年頃は赤字であったものの、同年以降は目覚ましい復活を遂げている。
*1:売上高が長期的な成長を継続している理由は、①マックカフェ・スイーツで女性・高齢者などの新たな客層を開拓した点、②従来のファン層に向けて話題性がある高付加価値ハンバーガーの積極投入を続けた点、③新規出店による商圏の拡大、など。

✔セグメント別の状況

日本マクドナルドホールディングスはハンバーガーレストラン事業(マクドナルドハンバーガーの直営店舗運営・フランチャイジーなど)のみの単一事業会社である。
日本国内における約2,900店舗のうち、直営店は約900店舗ほど。売上高の約45%を直営店売上高が占める反面、残る約55%をフランチャイジーからの収入が占めている。フランチャイジーからの収入には、ロイヤリティ収入・賃貸料・広告宣伝費負担金などがある。

✔最終利益と利益率

日本マクドナルドホールディングスの純利益は2017年から160億〜200億円ほどの水準で安定的。2015年頃には巨額赤字を繰り返していた*2が完全復活を果たしている。営業利益率は2018年から9%〜10%ほどでの推移しており、外食業界ではトップクラスに優良。
*2:2014年・2015年には外食事業で史上最大レベルとなる巨額の純損失を連続計上。当時の業績悪化の要因は、①ビニール片などの異物混入事件、②チキンナゲット消費期限切れ問題、③品質と価格のアンバランス感、などによる客離れであった。

✔自己資本比率と純資産

日本マクドナルドホールディングスの自己資本比率は直近で75%以上にも達しており、財務体質は大いに健全。純資産は2016年から右肩上がりで推移しており、2022年には純資産2,000億円を突破。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本マクドナルドホールディングスの平均年収は非公開。総合職であれば30歳で400万円~500万円ほど、課長職レベルであれば780万~1,000万円ほど*3。
*3:転職市場における日本マクドナルドの求人情報から推定される給与レンジ。

✔従業員数と勤続年数

日本マクドナルドホールディングスの従業員数は2020年から増加傾向に転換、直近では2,500人前後の組織体制*4。平均勤続年数は直近で12.4年となっており、外食業界では長めの部類。
*4:日本マクドナルドの連結従業員数。国内200社以上のフランチャイジーの従業員は別会社であるため含まれない。

総合評価

企業格付け:BB

■業績動向
絶好調。売上高は右肩上がりで増加しており、過去8年間でほぼ倍増レベルにまで達している。外食業界が大打撃を受けたCOVID-19感染拡大期にさえ業績悪化せず、飛ぶ鳥を落とす勢い。2013年に社長就任したサラ・カサノバ社長はチキンナゲット問題で厳しく批判されたが、外食業界で史上最悪の赤字を連続計上した状態からここまで再建したのは目覚ましい名経営者ぶりである。

■財務体質
業界断トツ首位の優良性。自己資本比率は75%前後と超高水準であり、他大手のゼンショー(同25.4%)・すかいらーく(同38.5%)と比べても断トツ。現預金も直近で600億円以上を確保しており備えも万全。積極的な新規出店・店舗改装を進めつつ、財務健全性をきっちりと両立。

■業界ポジション
外食業界におけるトップ企業の1社。売上高においてはゼンショーに続いて業界2位であるが、利益率においては傑出。営業利益率10%前後で安定しているのは業界屈指の高水準であり、そのうえ財務体質の優良さも断トツ。外食業界における模範的経営を実践している。

就職格付け:C

■給与水準
非公開。転職市場における求人情報から逆算すると、総合職の場合で30歳で400万円~500万円ほど。課長職レベルで700万~900万円ほどと推定。業界トップ企業の一角であるものの給与水準には抑制的であり、現在の代表取締役への役員報酬は3,100万円に留まっている。他大手の代表取締役が億レベルの役員報酬であることを思うと控え目である。

■福利厚生
家賃補助・社宅制度がない。日本全国の直営店への配属が前提となるため、会社都合の転勤であっても赴任先での住居コストも自己負担である。過去の業績悪化時にはシビアな退職勧告制度によるリストラも展開されており、安定した終身雇用までは期待しにくい。

■キャリア
入社後はまず直営店に配属されてオペレーションを学んだのち、店舗運営部門か本社部門のいずれかへと進む。世界的チェーンだけに社内教育制度は充実しており、社内教育のためにハンバーガー大学が世界各国に設置されている程。社員からフランチャイズオーナーとして独立していくケースも。

■社会的名声
誰もが知るという点においては有名企業だが、勝ち組のイメージはなかなか得られにくい。外食業界におけるトップ企業の一角であることは疑いの余地がないが、そもそも外食業界のイメージ自体が良くない事情もある。少なくとも店長クラス・本社部署までの出世はしっかりと目指したい。

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