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ファーストリテイリングの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ファーストリテイリングは、カジュアル衣料品のユニクロ・ジーユーなどを展開するファストファッション企業。1949年に柳井政雄が創業したメンズショップ小郡商事から発展、1984年にユニクロ1号店が出店。創業当初は個人商店の紳士服店であったが、柳井正の入社以降は急速に自社企画商品を拡充。現在では流行に左右されないアイテムを主力としつつ、設計・材料調達・製造・物流・販売までを自社で行うことで高品質・低価格を実現。現在ではカジュアル衣料品の売上高でZara・H&Mと世界首位を争う関係。

POINT

1.世界首位級のファストファッション企業、ユニクロやジーユーなどを展開
2.売上高は成長基調が続き2兆円を突破、利益率も高いうえ財務も堅い
3.平均年収959万円程度と高待遇、ただし平均勤続年数が4.75年に留まる

業績動向

✔営業収益と営業利益

ファーストリテイリングの売上高は成長基調が続いており、2013年に売上高1兆円を突破した5年後には売上高2兆円に到達*1。営業利益も売上高に比例して遂げており、直近では2,973億円に到達。
*1:ファーストリテイリングの売上高の成長は、中国市場での躍進に支えられている。同社はグレーターチャイナ市場と呼称。中国で好まれる機能性やデザインを採用、巨大市場での勢力拡大を続けている。

✔セグメント別の状況

ファーストリテイリングは国内ユニクロ事業(日本国内のユニクロ事業)、海外ユニクロ事業(海外のユニクロ事業)、ジーユー事業(日本国内・海外のジーユー事業など)、グローバルブランド事業(セオリー・プラステ・コントワーデコトニエ・プリンセネスタムタムなど)、その他事業の5事業を有する。

✔最終利益と利益率

ファーストリテイリングの純利益は売上高に連動して成長基調ではあるが、年度による好不調が激しい。ただし、2020年以降は好調が続いており、直近では2,733億円を記録*2。自己資本利益率は直近で17.5%とかなり高い利益率となっている。
*2:2022年はCOVID-19の感染収束により国内外での衣料需要が急回復、店舗・ブランディングの強化による販促効果、急激な円安進行も利益の追い風となった。

✔自己資本比率と純資産

ファーストリテイリングの自己資本比率は長期的には微減しているが、過去8年間は概ね40%近傍で推移*2。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では1.62兆円に到達。
*2:ファーストリテイリングは事業拡大の為の社債発行を2015年と2018年にそれぞれ約2,500億円規模で実施。これにより自己資本比率が横這いとなっている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ファーストリテイリングの平均年収は増加傾向にあり、直近で959万円に到達。採用職種はグローバルリーダーと地域正社員の2種類、前者は平均年収900~1,200万円程度と推定。平均年齢は38歳となっており社員の年齢構成はやや若めである。

✔従業員数と勤続年数

ファーストリテイリングの従業員数は右肩上がりで増加を続けて2022年には5.75万人。平均勤続年数は4.75年と著しく短い水準に留まっているが、店舗配属の社員の離職率が全体の平均勤続年数を落としている可能性がある。

総合評価

企業格付け:AA

グローバル衣料業界で世界首位級の存在であり、近年は海外市場における成長が著しい。SPAと呼ばれる垂直統合型サプライチェーンを構築、企画・生産・物流・販売までのプロセスを自社一貫化することで高い競争力を完成させている。売上高の成長スピードも著しいが、成長フェーズにありながら営業利益率10%以上の高水準を確保している利益率も圧巻。成長に向けた資金調達を繰り返しているものの、財務体質も安定的な水準をキッチリ確保。総じて隙が無い。

就職格付け:BBB

利益率の低さから待遇が悪くなりがちな衣料業界にあって、持ち前の高収益体質によってグローバルで通用する給与水準を実現。平均年収は増加基調が続いており、直近では959万円と大手メーカーを優に超える水準を実現。実質的な総合職であるグローバルリーダー職であれば更に平均年収は高く、新卒初任給も30万円/月を確約。強いて言えば、平均勤続年数が4.75年と極端に短いことが気がかり。地域正社員の離職率も込みの数字であるが、それにしても短いか。労働環境については2010年代にブラック企業として取り沙汰され、各種メディアや書籍にて記事化されているため参考にしたい。昨今では労働改革に取り組んでいる状況ではあるが、こうした過去の経緯から世間体がやや微妙なのが惜しい。

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