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損害保険ジャパンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

損害保険ジャパンは、損害保険事業を主力とする大手金融グループ。2002年に安田火災海上・日産火災海上・大成火災海上が合併して誕生、2010年に日本興亜損保が合併してSOMPOホールディングスを形成した。2015年にはアメリカ損保業界で第5位のエンデュランスを買収して傘下に収めた。バブル全盛期の1987年にゴッホ作「ひまわり」を58億円で落札、現在もSOMPO美術館の目玉として所有している。

POINT

1.損害保険業界の始祖、現在までリーディングカンパニーの地位を占有
2.経常収益は緩やかな拡大基調、直近では5兆円を優に超える規模
3.総合職なら30代で年収1000万円越えは堅いが、新車購入圧や頻繁な転勤は課題

業績動向

✔売上高と経常利益

SOMPOホールディングスの経常収益は緩やかな成長基調、2021年には経常収益2兆円を突破*1。経常利益は概ね2000億レベルだが、直近では過去最高益となる3155億円を記録*2。
*1:2020年にアメリカの農業保険会社ダイバーズフィールドを買収、同社の保険料収入が加わったことが追い風(参考資料)。
*2:COVID-19感染拡大による外出自粛で事故が激減して保険金の支払いが少なかったうえ、金融マーケットの好調による有価証券売却益や利配収入も好調であった。

✔セグメント別の状況

SOMPOホールディングスは国内損害保険事業(損保ジャパン・セゾン自動車火災保険・Mysuranceほか)、国内生命保険事業(SOMPOひまわり生命保険)、海外保険事業(海外支店・海外現地法人・海外子会社)、介護シニア事業(SOMPOケアほか)の4事業を有する。
海外事業が利益に占める割合は20%程度、殆どの利益を日本国内で稼いでいる。2015年に介護業界のメッセージとワタミの介護を傘下に収め、介護事業を主力事業の1つとしている。

✔最終利益と利益率

SOMPOホールディングスは純利益を概ね1000億円台で推移しているが、直近では過去最高益となる純利益2248億円を記録*3。
*3:COVID-19感染拡大による外出自粛で事故が激減、保険金の支払いが少なかったことで利益拡大。さらに金融マーケットの好調による有価証券売却益や利配収入も好調であった。

✔自己資本比率と純資産

SOMPOホールディングスの自己資本比率は14.7%と低めだが、損害保険会社であれば健全な水準。損害保険会社は顧客から保険料を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。
純資産が2019年から増加傾向だが、これは①COVID-19感染拡大による業績好転、②金融マーケットの好況でMS&ADインシュアランスグループが保有する有価証券評価額の上昇が主な理由である。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SOMPOホールディングスの平均年収は直近で1128万円と高水準だが、これは持株会社の877名のみの平均年収。損保ジャパンの平均年収は700~850万円程度と推定されるが、総合職であれば40代までに年収1000万円を越える。

✔従業員数と勤続年数

SOMPOホールディングスの連結従業員数は4万人レベルで横這い。平均勤続年数は15年前後の水準だが、これは持株会社の877名のみの平均勤続年数である点には注意が必要。

総合評価

企業格付け:BB

国内三大メガ損保の一角だが、三大メガ損保の中では経常収益が最も少ない。現在こそ三大メガ損保の一角だが、元々は中堅損保6社(安田火災・日産火災・大成火災・日本火災・興亜火災・太陽火災)が合併した連合体であり、ブランドイメージは他2社に及ばない。しかし、利益率の1点においてはMS&ADインシュアランスグループを上回ることも多く、東京海上ホールディングスには遠く及ばないとはいえ健闘していると評価できる。

就職格付け:A/B

■総合職(ジョブ型)=A
新卒初任給は総合職と同額だが、配属先にアクチュアリー・グローバル・金融IT部門などの花形部門を確約。東京都内の事業所がメインの部門を確約されるため、大手損保就職のリスクである「営業ドサ周りと転勤リスク」を抑制できる点は魅力。採用数が少ないブレイン採用であるため、学生時代に専門性・語学スキルを磨く必要があるが、堅実なキャリアパスを歩める点は魅力。とはいえ、大手証券会社ブレイン採用や外資系金融・コンサルは初任給600万円以上でのオファーも珍しくないため、その点では不利か。

■総合職=B
大手金融グループではあるが、就職格付けは高くない。東京海上ホールディングスと比べると年収面で劣り、総合職での年収1000万円越えは40歳前後。国内外1000拠点以上での定期的な転勤があるため共働きには向かないが、片働きで共働き夫婦の世帯の生涯所得を越えることは至難。そのうえ、損保業界には「新車の購入・数年おきの買替」の文化もあるため、金銭的にリッチな暮らしは期待し難い。転職先の幅も限られるため、大手金融グループへの志望度が高くない場合には慎重に判断したい。

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