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住友重機械工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

住友重機械工業は、精密機械・船舶・物流設備・半導体製造装置などを製造する総合機械メーカー。1888年に設立された別子銅山の採鉱機械部門を源流とする名門企業。多岐に渡る事業領域を持っているが、それぞれの事業部門で世界的シェアを有する製品も多い。変速/減速機で国内シェア1位、射出成型機で国内シェア首位級、バイオマス発電向け蒸気タービンで世界シェア首位級、循環流動層ボイラで国内シェア1位。2018年には伊ラファ―ト社を買収して、産業用モータ事業を強化。

POINT

1.極めて広範な事業領域を持つ、住友グループの重厚長大メーカー
2.売上高は緩やかな増加傾向、利益体質と財務体質は安定的
3.平均年収800万円程度、家賃補助制度が非常に手厚い

業績動向

✔売上高と経常利益

住友重機械工業の売上高は7,000億~8,000億円レベルでの横ばい推移となっているが、緩やかな増加傾向はある*1。営業利益は400億円以上を安定的に確保しており、重厚長大な総合機械メーカーとしては安定的な業績。
*1:2022年は売上高8,541億円に留まったが、これは決算期変更の関係で9ヵ月のみの売上高。他年度よりも3ヵ月短い影響がなかったとすれば、売上高9,000億円レベルとなった見込み。

✔セグメント別の状況

住友重機械工業はメカトロニクス事業(モータ・減/変速機・インバータ・位置決め装置など)、インダストリアルマシナリー事業(プラ/フィルム加工機・冷凍機・半導体製造装置・工作機械・防衛装備品など)、ロジスティクス&コンストラクション事業(油圧ショベル/クレーン、物流/駐車場システム、運搬荷役機械など)、エネルギー&ライフライン事業(造船、ポンプ、タービン、発電装置、大気汚染防止装置など)、その他事業の5事業を有する。
住友重機械工業の事業領域は非常に多岐に渡っており、機械技術と電気電子技術をベースに幅広く事業展開していることが特徴。超微細加工を行う半導体製造装置から大型タンカーをはじめとする船舶建造までを事業領域としており、ここまで多角的な事業展開を行う会社も珍しい。

✔最終利益と利益率

住友重機械工業の純利益は200億~400億円レベルで推移してきたが、2022年には旧失速して58億円に縮小*2。自己資本利益率は7~10%で長年に渡って推移してきたが、直近は1.02%に留まった。
*2:2022年は住友重機械工業の業績は堅調であったが、業績不振に陥った海外子会社の減損損失が発生。2017年に買収した蘭FWエナジー社で減損損失177億円を計上、2020年に買収した伊ラファ―ト社で減損損失30億円を計上。この減損損失で207億円の下振れとなり、純利益が急減した。

✔自己資本比率と純資産

住友重機械工業の自己資本比率は直近で49.5%とかなり高めの水準。純利益を安定確保してきた過去の蓄積が幸いして財務健全性は優良。純資産も堅調な増加を示しており、直近で5769億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

住友重機械工業の平均年収は直近で808万円と大手メーカーとしては普通の水準。大卒総合職の平均年収は850万円程度と推定される。平均年齢は40歳を上回っているが、過去8年間に渡って横這いで推移しているため、若手も順次採用されていると推定。

✔従業員数と勤続年数

住友重機械工業の従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2017年以降は2万人以上の水準で推移。平均勤続年数はやや減少傾向にあり、直近では14.4年程度。大手メーカーとしてはやや短くも感じる。

総合評価

企業格付け:A

住友グループに属する極めて広い事業領域を有する重厚長大系メーカーであり、大手メーカーの典型的企業。売上高の成長性は微妙とはいえ、世界的シェアの製品多数。景気変動に弱いメーカーでありながら、堅調に利益を確保し続ける力があり海外子会社の減損損失が相次いだ2022年も純利益をキッチリ確保して赤字転落を回避。財務体質も優良であり、自己資本比率50%に迫る水準。安定的な利益体質も加味すれば、当面は極めて安泰。

就職格付け:BB

安定した終身雇用を期待するならば断トツの優良企業。財務体質の堅さと安定的な利益確保から、潰れる心配は無用。事業ポートフォリオが極めて広範ゆえ、一部製品で競争力を失っても他事業部が支えられる。特筆すべきは家賃補助制度、最大6.5万円かつ家賃の65%を”終身”受給できるうえ、社宅や独身寮も充実。生活費に占める支出が大きい住宅費を手厚くサポートして貰える制度は、安定した雇用と生活を保障する日本企業の鏡か。給与水準は平均年収800万円ほどと大手メーカーの中では凡庸だが、安定性を考えれば妥協できる水準。BtoB製品ば主力のため一般知名度は微妙だが、「住友」「重機械工業」なる壮大かつ財閥系の社名を聞いて軽んじる人間はまずいないだろう。

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