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SCSKの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

SCSKは、住友商事グループに属する大手システムインテグレーター(SIer)。2011年に住友商事系の住商コンピューターサービスと独立系のCSKホールディングスが合併して誕生。総合商社のグループ企業であり、特定企業のソフトウェア・ハードウェアに制約されない提案力が強み。顧客企業は8,000社以上、製造業・流通業・金融業などの大手企業が中心、特定業界に依存しない収益構造を構築している。プリペイドカードで高シェアのクオカードを長らく子会社としていたが、2017年に売却。

POINT

1.住友商事Gの大手SIer、自社開発システムも多数
2.売上高は堅調な成長を続けており利益率も良好。財務も堅い。
3.平均年収750万円程度、ただし福利厚生は希薄である点に注意

業績動向

✔売上高と経常利益

SCSKの売上高は緩やかな増加基調が続いており、直近では過去最高となる4,459億円を記録*1。営業利益も売上高に比例して堅調な成長を遂げており、直近では513億円に到達。

✔セグメント別の状況

SCSKは産業IT事業(生産管理・SCM・CRM・ECシステム開発、自動車ECU用ソフトウェアなど)、金融IT事業(金融機関向けシステム開発など)、ITソリューション事業(自社製ERPシステム”ProActive”、SAP・Oracle・Salesforceなど)、ITプラットフォーム事業(CAD・CAEなどなど)、ITマネジメント事業(データセンター運営など)、その他事業の5事業を有する。
SCSKはITサービスに必要となるソフトウェアとハードウェアを網羅した事業領域を有していることが特徴。IT戦略の策定フェーズから導入・検証、ITインフラ構築、導入後の保守サービスまでを一気通貫にサポートできるノウハウがある。

✔最終利益と利益率

SCSKの純利益は緩やかな成長基調が続いているが、年度によっては反落している場合もある*1。自己資本利益率は下落傾向にあるものの、それでも直近では13.7%とかなり優良な利益率となっている。
*1:2018年の最終利益は前年から減少しているが、これは前年の最終利益に子会社のクオカードを事業売却して得た225億円が含まれている反動減である。

✔自己資本比率と純資産

SCSKの自己資本比率は直近で62.4%と高水準であり、安定的な利益体質もあわせて考えれば堅実な財務体質。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では2,046億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SCSKの平均年収は直近で752万円と大手システムインテグレータとしては凡庸な水準。採用の大半が大卒のため総合職の平均年収も同等程度と推定される。平均年齢は40歳を上回っており、社員の年齢構成はかなり高めとなっている。

✔従業員数と勤続年数

SCSKの従業員数は2018年頃までは1.2万人レベルでの安定推移が続いてきたが、2020年以降は従業員数が急増して1.4万人規模へ拡大*2。平均勤続年数は18年前後とかなり長め。
*2:2020年にSCSKは同業のMinoriソリューションズを株式公開買い付けによって完全子会社化。同社の従業員であった約1,300人がSCSKの従業員に新たに加わっていることが理由。

総合評価

企業格付け:CC

システムインテグレータとしては国内トップテンに入る規模を誇る中堅大手の立ち位置。製造業から金融業まで多様な業界をカバーする広範なソリューションを有しているため、特定業界・企業に依存しない安定的な事業展開。OracleやSalesforceなどデファクトスタンダードなパッケージ導入は当然、自社開発したERPやCAD・CAEなどの製品も有しておりソリューションは多彩。業績は堅調な成長基調にあるうえ、利益率もかなり高め。財務も堅いため、昨今のデジタル投資ブームが続く限りは安泰だろう。強いて言えば、事業展開が広範であるが故に、SCSKならではの得意分野が分かりにくい。

就職格付け:CCC

業績と財務は極めて安定的であるため、安定した雇用を望むのであれば優良企業。ただし、大手システムインテグレータとしては給与水準が凡庸であり、平均年収750万円程度に留まる。初任給は月給31万円と大手メーカーを凌駕するが、固定残業20時間/月が含みの給与であるため見掛け程ではない。福利厚生として最も重視すべき家賃補助制度は存在せず、社宅はあるものの通勤2時間以上の社員に限定されるため条件が厳しい。給与水準が凡庸かつ福利厚生による補填も薄いため、その点は大きなネック。とはいえ、平均勤続年数はIT系企業としてはトップクラスに長いため働きやすい環境ではある可能性は期待できるか。

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