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【勝ち組?】SCSKの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

SCSKは、住友商事グループに属する大手システムインテグレーター(SIer)。2011年に住友商事系の住商コンピューターサービスと独立系のCSKホールディングスが合併して誕生。総合商社のグループ企業であり、特定企業のソフトウェア・ハードウェアに制約されない提案力が強み。顧客企業は8,000社以上、製造業・流通業・金融業などの大手企業が中心、特定業界に依存しない収益構造を構築している。プリペイドカードで高シェアのクオカードを長らく子会社としていたが、2017年に売却。

POINT

1.住友商事Gの大手SIer、自社開発システムも多数
2.売上高は堅調な成長を続けており利益率も良好。財務も堅い。
3.平均年収750万円程度、ただし福利厚生は希薄である点に注意

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用人数は年間300人ほどと門戸が広い。数多くの大学から幅広く採用しているが、文系採用枠は30人ほどのため難易度はやや高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・熊本大学・和歌山大学・横浜市立大学・九州工業大学など、【私立】東京理科大学・明治大学・中央大学・法政大学・青山学院大学・成蹊大学など(出典:大学通信ONLINE

業績動向

✔売上高と経常利益

SCSKの売上高は緩やかな増加基調が続いており、直近では過去最高となる4,803億円を記録*1。営業利益も売上高に比例して堅調な成長を遂げており、直近では570億円に到達。
*1:近年におけるデジタル投資の活況が当社業績の追い風となっている。とりわけ、①統合基幹業務システム(ERP)需要の拡大、②顧客企業による自力システム開発のサポートサービスの拡充、③自社エンジニアの継続的育成による規模拡大への対応、が理由。

✔セグメント別の状況

SCSKは産業IT事業(生産管理・SCM・CRM・ECシステム開発、自動車ECU用ソフトウェアなど)、金融IT事業(金融機関向けシステム開発など)、ITソリューション事業(自社製ERPシステム”ProActive”、SAP・Oracle・Salesforceなど)、ITプラットフォーム事業(CAD・CAEなどなど)、ITマネジメント事業(データセンター運営など)、その他事業の5事業を有する。
SCSKはITサービスに必要となるソフトウェアとハードウェアを網羅した事業領域を有していることが特徴。IT戦略の策定フェーズから導入・検証、ITインフラ構築、導入後の保守サービスまでを一気通貫にサポートできるノウハウがある。

✔最終利益と利益率

SCSKの純利益は緩やかな成長基調が続いているが、年度によっては反落している場合もある*1。営業利益率は過去8年以上に渡って10%以上を安定確保。IT企業としては標準的な水準だが、安定性な利益創出力に強みがある。
*1:2018年の最終利益は前年から減少しているが、これは前年の最終利益に子会社のクオカードを事業売却して得た225億円が含まれている反動減である。

✔自己資本比率と純資産

SCSKの自己資本比率は直近で64.1%と高水準であり、安定的な利益体質もあわせて考えれば堅実な財務体質と評価できる。純資産は堅調な増加を継続しており、直近では3,029億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SCSKの平均年収は直近で764万円と大手システムインテグレータとしては標準的な水準。大卒総合職であれば30歳で年収500万~650万円、課長職レベルで年収900万~1,000万円ほど。平均年齢は43歳前後となっており、IT企業としては年齢構成はかなり高め。

✔従業員数と勤続年数

SCSKの単体従業員数は2020年に急増*2、同年以降は8,600人前後での安定推移となっている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は1.62万人ほど。平均勤続年数は18年前後とかなり長め。
*2:2020年にSCSKは同業のMinoriソリューションズを株式公開買い付けによって完全子会社化。同社の従業員であった約1,300人がSCSKの従業員に新たに加わっていることが理由。

総合評価

企業格付け:CC

システムインテグレータとしては国内トップテンに入る規模を誇る中堅大手の立ち位置。製造業から金融業まで多様な業界をカバーする広範なソリューションを有しているため、特定業界・企業に依存しない安定的な事業展開。OracleやSalesforceなどデファクトスタンダードなパッケージ導入は当然、自社開発したERPやCAD・CAEなどの製品も有しておりソリューションは多彩。業績は堅調な成長基調にあるうえ、利益率もかなり高め。財務も堅いため、昨今のデジタル投資ブームが続く限りは安泰だろう。強いて言えば、事業展開が広範であるが故に、SCSKならではの得意分野が分かりにくい。

就職格付け:CCC

業績と財務は極めて安定的であるため、安定した雇用を望むのであれば優良企業。ただし、給与水準は大手システムインテグレータの平均的水準であり、平均年収760万円程度に留まる。初任給は月給31万円と大手メーカーを凌駕するが、固定残業20時間/月が含みの給与であるため見掛け程ではない。福利厚生として最も重視すべき家賃補助制度は存在せず、社宅はあるものの通勤2時間以上の社員に限定されるため条件が厳しい。給与水準が凡庸かつ福利厚生による補填も薄いため、その点は大きなネック。とはいえ、平均勤続年数はIT系企業としてはトップクラスに長いため働きやすい環境ではある可能性は期待できるか。

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出典:SCSK株式会社(有価証券報告書)