本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
SCSKは、住友商事グループに属する大手システムインテグレーター(SIer)。1969年に住友商事がIT子会社・住商コンピュータサービスとして設立。1990年代には基幹システム開発・業務システム構築へと事業領域を拡大。2011年には独立系SIer・CSKと合併し、現社名へと社名変更。住友商事系SIerとしての安定性と、独立系SIerとしての顧客基盤・提案力を併せ持つ大手ITサービス企業となった。2025年にはネットワンシステムズを買収し、ネットワーク・インフラ・セキュリティ領域を大きく強化した。現在では顧客企業は1万社以上に及び、製造業・流通業・金融業など幅広い大手企業を顧客基盤としている。プリペイドカードで高シェアのクオカードを長らく子会社としていたが、2017年に売却している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:65(中堅上位)
SIerとしては業界上位レベルの事業規模を持ち、業績の安定性も高い。給与水準は大手SIerの標準的水準であるが、平均勤続年数は業界上位レベルで従業員の定着が良い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用人数は年間300人ほどと門戸が広い。数多くの大学から幅広く採用しているが、文系採用枠は30人ほどのため難易度はやや高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・千葉大学・熊本大学・和歌山大学・横浜市立大学・電気通信大学・九州工業大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・中央大学・青山学院大学・法政大学・同志社大学・関西学院大学・立命館大学・成蹊大学・東京理科大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と経常利益
SCSKの売上高は長期的な増加基調が続いており、2025年には過去最高となる5,960億円に到達している*1。営業利益は緩やかな増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる661億円に到達。景気後退局面にも上下変動は限定的であり、業績の安定性は高い。
*1:売上高・利益が長期的に増加している理由は、顧客企業によるデジタル投資の活況が主要因。とりわけ、①統合基幹業務システム(ERP)需要の拡大、②顧客企業による自力システム開発のサポートサービスの拡充、③自社エンジニアの継続的育成による規模拡大への対応、が理由。
✔セグメント別の状況
SCSKは、産業IT事業(生産管理・SCM・CRM・ECシステム開発、自動車ECU用ソフトウェアなど)、金融IT事業(金融機関向けシステム開発など)、ITソリューション事業(自社製ERPシステム『ProActive』、SAP・Oracle・Salesforceなど)、ITプラットフォーム事業(CAD・CAEなど)、ITマネジメント事業(データセンター運営・システム保守運用など)、その他事業、の5事業を有する。
当社の事業構造は、製造・流通・金融・通信・公共など幅広い業界向けに、システム開発・システム運用保守・クラウド・セキュリティ・BPOを一体で提供する総合ITサービス事業にある。もともとは住友商事グループの情報システム会社を源流とし、現在でも住友商事グループとの関係を持ちながら、外部顧客向けのITサービスを主力とする独立系に近い大手SIerとして展開している。製造業向けにはSCM・CRM・基幹システム、自動車業界向けには車載ソフトウェアや検証サービス、金融業界向けには銀行・保険・証券・リース向けシステム、流通・サービス業向けには販売管理・EC・業務効率化ソリューションを提供している。顧客の業務プロセスに深く入り込み、開発後の保守運用まで継続的に担うため、一度取引関係を築くと長期安定収益につながりやすい構造である。
✔最終利益と利益率
SCSKの純利益は2021年から緩やかな成長基調が続いており、2025年には過去最高となる450億円に到達している*1。営業利益率は過去8年以上に渡って10%以上で推移しており、景気後退局面にも安定的に利益を確保している。
✔自己資本比率と純資産
SCSKの自己資本比率は2024年まで60%レベルで推移していたが、2025年には32.9%まで急落している*2。一時的に負債が増加したとはいえ、利益体質の安定性を考慮すれば特段の問題にはならない。純資産は2021年から増加傾向がみられ、2024年には3,029億円に到達。
*2:2025年に自己資本比率が急落した理由は、ネットワンシステムズの買収(参考リンク)に向けた資金を有利子負債によって調達したことが主要因。株式公開買付に約2,848億円を投じるため、有利子負債が739億円(2024年)から3,154億円(2025年)に急増した経緯がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
SCSKの平均年収は787万円(2025年)と大手SIerとしては普通の水準となっている。総合職の場合、30歳で年収530万~650万円ほど、課長職レベルで年収900万~1,000万円ほどが目安。平均年齢は42.9歳(2025年)と、大手企業の標準的な水準を僅かに上回る。
✔従業員数と勤続年数
SCSKの単体従業員数は2020年まで7,300人ほどで推移していたが、同年以降は8,300人~8,600人ほどで推移している*3。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は2.02万人となっており、かなりの大所帯である。平均勤続年数は17.1年(2025年)とIT業界としてはかなり長めの水準。
*3:2021年に従業員数が増加した理由は、同年に連結子会社のJIECを吸収合併したことが主要因。事業拡大に伴う自然増というより、グループ内子会社の人員が本体へ移管されたことによる増加である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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