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自動車部品メーカー

アイシンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

アイシンは、トヨタグループに属する大手自動車部品メーカー。1943年に陸軍航空本部の命令により、トヨタ自動車と川崎重工業の共同出資で設立された。代表的な製品はトランスミッション・eアクスル・ブレーキシステム・ドアユニットなど。特にオートマチックトランスミッションでは世界シェア首位級。トヨタ自動車が発行済み株式数の約25%を保有する筆頭株主であり、トヨタグループ中核13社のうちの1社。

POINT

1.売上高4兆円規模の大手メーカー、自動車部品業界では世界的企業
2.業績は安定的、財務も自己資本比率40%以上で健全で隙がない。
3.平均年収672万円と大手メーカーとしては凡庸な待遇、勤務地も愛知県集中。

業績動向

✔売上高と営業利益

アイシンの売上高は3~4兆円レベルで推移しており、自動車部品メーカーとしては世界5位に位置する(2021年)。営業利益は2014年を除けば概ね1,500~2,000億円で推移している*1。
*1:2014年はCOVID-19感染拡大によるサプライチェーンの混乱により自動車メーカーの生産台数が減少。売上高の減少および減損損失など事業処理費用の計上により大幅減益。

✔セグメント別の状況

アイシンは日本事業、北米事業、欧州事業、中国事業の4事業を有する。いずれの地域でも自動車部品(トランスミッション・eアクスル・ブレーキシステム・ドアユニット)の製造・販売を主力とする。
アイシンは売上高の約40%を海外市場で稼ぐグローバル企業であるが、利益の約75%は国内市場。アイシンの主要顧客はトヨタグループ・ステランティス・フォルクスワーゲングループ等であるが、トヨタ向け取引の利益率が特に高い。

✔最終利益と利益率

アイシンの純利益は概ね1,000億円前後で推移しており、2021年には1,419億円に到達。自己資本利益率は概ね6~10%レベルで推移しており、大手メーカーとしてはやや高めの水準。

✔自己資本比率と純資産

アイシンの自己資本比率は41.8%と大手メーカーとしてはかなり高めの水準。多少の業績悪化は余裕で耐えられる財務基盤を有している。純資産は2015年頃から右肩上がりで増加が続いており、直近では純資産4兆円を突破。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アイシンの平均年収は直近で672万円と大手メーカーとしてはやや低めの水準。ただしこれは現業職も含めた全社員の平均年収。大卒総合職であれば30歳前後で年収450万円~650万円には到達、課長職レベルで年収1,000万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

アイシンの連結従業員数は直近で11万人を突破しており、大手メーカー並みの規模を誇る。平均勤続年数は長年に渡って15年前後で推移しており、長くも短くもない水準である。

総合評価

企業格付け:B

売上高4兆円規模の大手メーカー、2014年以降は利益水準も概ね安定しており、財務基盤も健全で目につく弱点はない。COVID-19感染拡大期には一時的に業績悪化したが、2021年以降は回復傾向にある。最大の懸念は、電気自動車シフトが進展した場合に、アイシンが最も得意とする主力商品のオートマチックトランスミッションが不要になる点。アイシンはEVシフトに備えてEV向けeアクスルの開発を急いでいるが、日本電産・明電舎・三菱電機などが参入しており競争は激しい。海外勢にも独ZF・加マグナ・独シェフラー・独ヴィステコなどがeアクスルに算入しており、アイシンがオートマチックトランスミッションで築いた業界トップ企業の地位をeアクスルでも得られるかの見通しは現状不明。

就職格付け:CC

BtoBが主力の自動車部品メーカーゆえ知名度は低いが、売上高では三菱重工業・キヤノン・中部電力など日本を代表する超有名企業に匹敵する規模である。愛知県では名の知れた有名企業であるが、トヨタ自動車とデンソーに続く3番手の位置付け。平均年収は600万円台と大手メーカーとしてはそこまで高い水準ではない。大卒総合職であれば30歳前後で年収600万円ほど、35歳前後で年収700万円ほどが目安。最大の注意点は、主力事業所は愛知県の刈谷・安城・岡崎エリアに集中する点。東海三県以外の出身者であれば馴染みやすいが、首都圏や京阪神圏の人材が移住し多売には生活環境に違和感を感じる場合もある。が、業績や財務は健全なので安定性を求める場合には良い選択肢となり得る。BtoBメーカーで知名度が低いことから競争倍率も高くなりにくいため狙いどころと考えることもできる。

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