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リンナイの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

リンナイは、給湯器・コンロ・乾燥機・ヒーターなどを販売する国内最大手の総合ガス機器メーカー。1920年に名古屋ガス(現・東邦ガス)の林兼吉・内藤秀次郎が石油コンロ卸売業者として創業。創業当時はスウェーデン製の機器輸入を事業としていたが、戦前にはガス機器の自社開発に着手。戦時中は航空機部品メーカーに転身したが、戦後はガス機器メーカーに回帰。同業のパロマと長年に渡って競合関係にあるが、1990年代以降はリンナイがシェアを伸長。現在では総合ガス機器メーカーとして国内首位。

POINT

1.国内シェア首位のガス機器メーカー、パロマの永遠のライバル
2.売上高は海外展開の加速で緩やかに成長、利益は非常に安定的
3.平均年収653万円と夢はないが、平均勤続年数が長いホワイト企業

業績動向

✔売上高と営業利益

リンナイの売上高は緩やかな成長基調を維持しており、2022年には過去最高となる3,662億円に到達*1。営業利益も売上高に比例して緩やかな成長基調にあるうえ、安定的に確保できている。
*1:リンナイの国内事業は成熟市場ゆえに停滞しており、海外販売を積極拡大することで業績を伸ばしている。2015年の海外売上高1,499億円に対して2021年は海外売上高2,077億円に拡大。

✔セグメント別の状況

リンナイは日本事業(日本国内)、米国事業(アメリカ・メキシコ・カナダ)、豪州事業(オーストラリア・マレーシア)、中国事業、韓国事業、インドネシア事業、その他事業(台湾・ベトナム・タイ・ニュージーランド)の7事業を有する。
リンナイは日本国内が成熟市場であることを見越して、1967年からグローバル展開を開始。現在では世界19カ国にグループ会社を持ち、世界80カ国で販売を行っている。

✔最終利益と利益率

リンナイの純利益は200億円レベルで極めて安定的、2020年のみ純利益276億円を記録したがこれは特殊要因に起因*2。営業利益率は10%前後の水準で安定しており、中堅メーカーとしては良好な水準。
*2:2020年の好決算はCOVID-19感染拡大による巣ごもり需要により、オート調理機能付きガスコンロやガス衣類乾燥機などの高付加価値商品の特需が発生したことに起因。

✔自己資本比率と純資産

リンナイの自己資本比率は60~70%台での推移が続いており、直近は66.9%に位置。絶対値としても高めであるうえ、リンナイの安定的な利益体質も加味すると極めて堅実な財務体質。純資産は順調な右肩上がり、2021年には3,789億円を記録。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

リンナイの平均年収は直近で653万円と普通の水準。大卒総合職であれば35歳頃に700万円を超える。平均年齢は過去8年間で右肩上がりの推移、直近では39.6歳に到達。

✔従業員数と勤続年数

リンナイの従業員数は1万人レベルの水準で安定。平均勤続年数は右肩上がりで伸長して直近では17.7年に到達。大手メーカーに勝るとも劣らない長さであり、ホワイト企業であることを伺わせる。

総合評価

企業格付け:CC

業績安定かつ堅実な中堅メーカー、生活必需品であるガス機器を扱っている背景から安定的に利益を確保できている点は優秀。財務体質は自己資本比率60%レベルと、倒産の心配はまずないレベル。意外と海外展開が進んでいるメーカーであり、海外売上高比率は既に50%を超える水準に到達。愛知県に本社を持つパロマとは長年に渡る良きライバル関係、国内シェアはリンナイが強いが海外展開ではパロマが先行。2007年に湯沸器死亡事故が発生し一大スキャンダルとなりかけたが、調査により通常の使用方法の範疇であれば起こり得ない事故であるとして起訴処分は見送られた(奇しくも同時期にパロマも湯沸器死亡事故がスキャンダル化、こちらは会長辞任と国内シェア首位陥落にまで至る大事件となった)。

就職格付け:CC

中堅メーカー界隈における優良ホワイト企業の1社。平均勤続年数が右肩上がりで直近では17.7年と大手メーカーに匹敵する長期勤続を実現。業績が極めて安定的かつ財務も堅いため、安定して長く働けるメーカーを探す場合には候補たりうるポテンシャルがある。ただし、平均年収653万円と給与水準の魅力はそこまでないため、安定とバーターと割り切れるかがポイントとなるだろう。営業支店は日本全国にある一方、本社・研究所・工場は愛知県の地方部に集中している。愛知県出身者であれば転勤リスクが少ない安心要素だが、中部地方以外の出身者からすると、同地に骨を埋める覚悟ができるか要検討。

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