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日用品メーカー

ユニ・チャームの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ユニ・チャームは紙おむつ・生理用品・ペット用品などを主力とする大手衛生用品メーカー。1961年に高原慶一朗が建材製造を目的として創業した大成化工を源流とし、1963年に生理用品の製造販売へと進出。以降、女性用衛生用品を主力として化粧パフや幼児用紙おむつへと事業拡大を進めた。1980年代にはアジア圏へと積極進出を進め、紙おむつ・生理用品で日本・インドネシア・タイ・ベトナムで販売シェア1位のグローバル企業である。不織布・吸収体をコア技術とし、特許出願数は業界首位級。愛媛県発祥の企業であり、1988年には香川県綾歌郡に全高158mに及ぶゴールドタワーを建築。

POINT

1.海外売上高比率60%を超える大手衛生用品メーカー、ペット用品も展開
2.売上高・利益いずれも成長基調が継続、財務体質も堅実で隙が無い
3.平均年収843万円と業界首位級、福利厚生は家賃補助・持家奨励金が強い

業績動向

✔売上高と営業利益

ユニ・チャームの売上高は長年に渡って右肩上がりが継続*1、2022年には売上高8,980億円に到達して過去最高を更新。営業利益も微増傾向が続いたことで2021年に営業利益1,225億円に到達したが、直近の2022年には微減。
*1:2016年に売上高が7,387億円から6,047億円へと下落しているが、これは同年にユニ・チャームがIFRS国際会計基準への移行したことによる影響。売上高の認識基準の違いから売上高が一部減少。
*2:2022年は世界的な原材料価格の高騰により利益率が若干の悪化。コスト上昇分の価格転嫁を進めたことで減益幅は抑制したが、原材料価格の高騰ペースに押された格好。

✔セグメント別の状況

ユニ・チャームはパーソナルケア事業(紙おむつ・生理用品・掃除グッズ・消臭用品・クッキングペーパーなどの製造・販売)、ペットケア事業(ペットフード関連商品・ペットトイレタリー関連商品の製造・販売)、その他事業(産業用資材などの製造・販売)の3事業を有する。
ユニ・チャームの主力事業は売上高の約85%を占めるパーソナルケア事業であり、国内外で高いシェアを誇る紙おむつ・生理用品が最主力商品となっている。事業多角化にはそれほど熱心ではないが、ペットケア事業は売上高・利益の約15%を占めており侮れない存在である。

✔最終利益と利益率

ユニ・チャームの純利益は長年に渡って400億~720億円レベルで緩やかな増加傾向が継続。長年に渡って純利益を継続確保し続けている安定企業でもある。営業利益率は10~15%の水準を安定確保できており、大手メーカーとしては優良な利益率を誇る。

✔自己資本比率と純資産

ユニ・チャームの自己資本比率は概ね50%レベルで安定的に推移。直近の2022年は59%と高水準であり、財務体質は極めて健全。純資産も安定的な利益確保によって増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産7,086億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ユニ・チャームの平均年収は長年に渡って850万円前後で安定的、過去8年間に渡って賃上げペースは緩慢だが元々の給与水準が日系衛生用品メーカーとしては首位級である。大卒総合職は30歳前後で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,050万~1,200万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

ユニ・チャームの単体従業員数は2020年まで微増傾向が続いていたが、最近はやや頭打ちで2022年には社員数が微減。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.62万人ほど。平均勤続年数は直近で16.2年と大手企業の標準的な水準よりやや長め。

総合評価

企業格付け:AA

日系トイレタリー・衛生用品メーカーとしては花王・ライオンに並んでよく知られた存在。売上高では花王の約半分とまだまだ大差が広がっているものの、直近の2022年においては営業利益率ではユニ・チャームが優位に。同業界において海外進出に最も成功した企業の1社であり、ユニ・チャームの海外売上高比率60%以上に対して花王は約35%ほどに留まる。売上高は国内人口の減少にも関わらず、緩やかな増加傾向が継続。海外市場ではインドネシア・ベトナムなどの新興国の事業拡大を追い風としつつ、国内市場でも大人向け紙おむつ・ペット用品が業績を牽引。財務体質も自己資本比率60%に迫る堅牢な財務基盤も圧巻であり、安定した高利益率・成長力と相まって優良企業と評価できよう。

就職格付け:AA

日本人ならば幼児から老人になるまで当社製品に関わるであろう大手衛生用品メーカー。生活必需品のBtoC企業かつ安定業界であるため、就職人気企業上位ランク常連。給与水準は平均年収850万円前後と衛生用品メーカーとしては業界首位であるうえ、商品ラインナップが景気動向に左右されず常に安定的である点も強み。大手化学メーカーや大手自動車部品メーカーは景気後退期に業績悪化しがちだが、ユニ・チャームはリーマンショック直後も含めて純利益を常に安定確保している点は見逃せない。福利厚生も充実しており、既婚者であれば最大10万円/月を支給。住宅を購入する際には持家奨励金が支給される制度もあるため、賃貸派・購入派いずれも報われる柔軟な制度設計である。副業制度として社員の副業を認めている他、懇親会費として月5,000円までを支給。

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