本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
ブラザー工業は、プリンタ・複合機・ミシン・工作機械などを製造する電機メーカー。1908年に安井兼吉がミシン修理店として創業。1928年に『ブラザー』ブランドでの自社製ミシンを発売。1950年代からはミシンで培ったモーター技術などを生かし、洗濯機・扇風機・オートバイなど事業多角化を強烈に進めた。1970年代にはドットプリンタを開発、電子制御技術を活かしてミシンなど既存製品の電子化を推進。1980年代にはレーザープリンタやファックスにも進出。現在ではプリンタ・複合機・ミシン・工作機械・歯車・カラオケ機器など広範な製品ラインナップを誇り、祖業のミシン分野では世界シェア1位に君臨。海外売上高比率が85%にも達するグローバル企業でもあり、世界40ヶ国以上で事業展開。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(上位)
大手電機メーカーに給与水準はやや劣るが、業績の安定性と財務体質の健全性は優れる。地盤の愛知県の出身者にとっては、地元で働きながら地元上位の待遇を得られる優良企業となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間80人~100人ほどと多いが、うち事務系採用枠は15人前後のみ。地盤である中部地方では有名企業ということもあり、同地方の出身者からは多大な人気を集めている。
採用大学:【国公立】名古屋大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・横浜国立大学・静岡大学・岐阜大学・三重大学・大阪公立大学・東京外国語大学・国際教養大学・名古屋工業大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・立命館大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
ブラザー工業の売上高は2021年に6,318億円まで減少したが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる8,765億円に到達している*1。営業利益は2022年に過去最高となる855億円に到達したが、同年を除けば420億~720億円レベルで横ばい。
*1:2025年に売上高が増加した理由は、①欧米市場におけるプリンタ消耗品類の販売好調、②中国・アジア市場における産業機器類の販売好調、③原材料価格・労務費の高騰を受けた値上げ対応の進展、④為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2022年に営業利益が急増した理由は、①COVID-19感染拡大の終息によるオフィス向けプリンタ・複合機の復調、②中国における自動車産業向け産業機器の販売好調、など。
✔セグメント別の状況
ブラザー工業は、プリンティング・アンド・ソリューション事業(プリンタ・複合機・スキャナー・タイプライターなど)、マシナリー事業(工作機械・工業用ミシンなど)、ドミノ事業(英ドミノ社の産業用プリンティング機器など)、ニッセイ事業(減速機・歯車など)、パーソナル・アンド・ホーム事業(家庭用ミシン)、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業(業務用カラオケ機器)、その他事業、の7事業を有する。
当社の事業構造は、プリンティング事業を主力にしつつ、産業機器・産業用印字・精密駆動部品へ領域を広げることで成立している。主力製品としては、プリンター・複合機・ラベルプリンター・ラベルライター・スキャナーなどを展開しており、主要顧客は家庭向けというよりも業務用途である。実際、オフィス・店舗・物流・医療・各種現場業務など幅広いオペレーション領域で採用が進んでおり、情報表示・識別・帳票出力といった業務インフラの一端を担っている。一方で、次の柱として育成しているのがマシナリー事業・ニッセイ事業・ドミノ事業などの産業用領域である。これらは、工作機械・減速機・産業用印字機器などを通じて、生産現場・包装工程・自動化設備に深く入り込む事業群であり、従来のプリンティング事業とは異なる収益基盤の拡張を担っている。当社は2030年までに産業用領域を売上高の50%以上にまで高める方針を掲げており、プリンティング事業への依存低減を図っている。総じて、キャッシュ創出力を持つプリンティング事業を土台としながら、その資金と技術を使って産業用領域へ重心を移そうと試みている段階にある。
✔最終利益と利益率
ブラザー工業の純利益は2021年に245億円に急減*3したが、2022年には過去最高となる610億円まで回復。その後は横ばい傾向が続いているが、景気後退局面にも赤字転落しない安定性は強みであろう。営業利益率は長期的に6%〜12%ほどで推移しており、電機メーカーとしては優良な水準。
*3:2021年にはCOVID-19感染拡大による在宅勤務の世界的普及により、多くのプリンタ・複合機メーカーが大打撃を受けた。その時期にも当社は黒字を確保しており、底堅い利益確保力を示した。
✔自己資本比率と純資産
ブラザー工業の自己資本比率は長期的な増加傾向が続いており、2025年には74.1%と大いに良好な水準にある。利益が安定しているのみならず、実質無借金経営を達成している。純資産も長期的な増加傾向が続いており、2025年には6,914億円に到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ブラザー工業の平均年収は740万〜780万円ほどで長期的に推移していたが、2025年には803万円にやや上振れ。大手電機メーカーには及ばない水準ではあるが、地盤の愛知県内では上位クラスの待遇であろう。総合職の場合、30歳で年収550万~630万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円ほどが目安。
✔従業員数と勤続年数
ブラザー工業の単体従業員数は長年に渡って3,800人~3,900人ほどで横ばいの推移が続いている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4.28万人ほど。平均勤続年数は14.2年(2025年)と大手企業の標準的な水準を僅かに下回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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