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ミネベアミツミの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ミネベアミツミは、ベアリング・モーター・電子機器・半導体デバイス・自動車部品などを手掛ける機械メーカー。1951年に満州飛行機製造の帰国技術者が小径ベアリングの製造を目的に設立。1981年以降はミネベアを社名としていたが、2017年にミツミ電機との経営統合を経てミネベアミツミへと社名変更。小径ベアリング・ハードディスク用ピボットアッセンブリ・リチウムイオン電池用保護ICにおいて世界シェア首位。企業買収による規模拡大に強みを持ち、事業多角化が進んでいる。

POINT

1.小径ベアリングに強い機械メーカー、幾多の企業買収で企業規模を拡大
2.売上高・利益いずれも企業買収の連続で急伸、財務体質も優良
3.平均年収729万円とベアリング同業他社より高め、福利厚生はそこそこ

業績動向

✔売上高と営業利益

ミネベアミツミの売上高は急激な成長基調が続いており、2022年には売上高1.29兆円に到達して過去最高を更新*1。営業利益も長期的な増加トレンドにあり、売上高の拡大だけでなく利益もしっかりと伸ばしている。2021年以降は営業利益1,000億円前後まで伸長。
*1:ミネベアミツミは過去8年間でも多数の企業買収を仕掛けており、①2017年のミツミ電機との経営統合・完全子会社化、②2020年のエイブリックの子会社化、③2022年の本多通信工業の買収、などで売上高を伸ばした。2023年にはホンダロックを買収。

✔セグメント別の状況

ミネベアミツミは、機械加工品事業(ベアリング・ハードディスク駆動装置・メカニカルパーツ・航空機用ネジなど)、電子機器事業(液晶用バックライト・計測機器・スピンドルモーター・DCモーターなど)、ミツミ事業(半導体デバイス・光デバイス・機構部品・電源部品など)、ユーシン事業(キーセット・ドアハンドル・産業用部品)、その他事業、の5事業を有する。
ミネベアミツミは事業多角化が進んだ企業であるが、とりわけ祖業の機械加工品事業は営業利益率20%台の高利益率を誇る。同事業は現在においても全社利益の約40%を占めており、この利益を企業買収に投じて規模拡大を果たしてきた。

✔最終利益と利益率

ミネベアミツミは純利益も2021年から増加傾向、直近の2022年には純利益768億円に到達。営業利益率は2019年・2020年を除けば7%~8%前後と良好な水準。祖業の機械加工品事業は営業利益率20%にも達するが、他事業の利益率はそこまでは高くない。

✔自己資本比率と純資産

ミネベアミツミの自己資本比率は長期的に45%~50%前後の水準で推移しており、健全な財務体質を有している。企業買収を繰り返しつつも、無理な規模拡大はすることなく財務健全性にも気を払っている。純資産は右肩上がりで増加しており、直近では6,433億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ミネベアミツミの平均年収は680万~730万円ほどの水準で長期的に安定。ただし平均年齢が45.3歳とやや高めである為、他社比較時には割り引いて見てもよいだろう。大卒総合職は30歳で年収480万~560万円ほど、課長職レベルで年収830万~920万円レベル。

✔従業員数と勤続年数

ミネベアミツミの単体従業員数は長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には4,620人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は8.77万人ほど。平均勤続年数は直近で16.7年と大手メーカーの標準的な水準。

総合評価

企業格付け:B

小径ベアリングメーカーとして創業するも、幾多の企業買収によって規模拡大を果たした機械メーカー。2012年頃には売上高2,824億円であったにも関わらず、たった10年強で一気に売上高1兆円の大台を飛び越えた。売上高の規模感でいえば住友重機械工業・日本精工といった老舗・大手機械メーカーを凌駕しており、日本を代表する機械メーカーと言える領域に到達。利益においても業績好調であり、2022年には営業利益1,000億円の大台を突破。売上高・利益いずれも同時並行で伸ばす経営手腕が巧である。財務体質においても堅実志向であり、自己資本比率50%前後の水準をしっかりと確保できている。強いて言えば、企業買収によって事業多角化が進んでいるが故に、売上高2,000億~5,000億円クラスの事業の連合体と見えなくもない点。買収した企業の業績をしっかりと伸ばしているため業績における問題はまったくないが、企業としての一体感はまだ道半ばといった印象もある。

就職格付け:CC

小径ボールベアリングにおいて世界シェア60%以上を占めるトップ企業。あらゆる機械産業で必要とされるベアリングは「機械産業のコメ」とも呼ばれ、同事業に強みを持つ当社は国内外の機械メーカーを支える重要企業でもある。給与水準はそこそこであり、平均年収は680万~730万円ほど。同じくベアリング大手の日本精工(平均年収711万円)・NTN(同665万円)・ジェイテクト(同680万円)はやや上回っているものの、大手機械メーカーと比較すればやや物足りない印象は拭えないか。福利厚生においてもそこそこレベル。独身寮は5,000円/月ほどで暮らせるため安価ではあるが、家賃補助制度は最大1.5万円/月とそれほど高くはない。給与金額に占める賞与比率がかなり高い企業であるため、業績が悪化した場合には給与水準が落ちるリスクも要警戒。主力事業所は長野県・群馬県・静岡県・神奈川県に所在しており関東~甲信越エリアが地盤。同地域で機械メーカーへの就職・転職を考える場合には有力候補となりうるだろう。

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