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東映アニメーションの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

東映アニメーションは、東映グループのアニメ製作会社。1948年に日本初のアニメ会社として設立され、終戦後の混乱期からアニメ製作へ進出。1956年には東映の傘下入りを果たし、劇場アニメ・テレビアニメへと進出。現在では日本アニメ業界におけるトップ企業群の一角を占め、企画・製作・編集・メディア展開までを一気通貫で手掛ける。世界的知名度を誇る「ドラゴンボール」「ワンピース」「スラムダンク」などのコンテンツが多数揃えており、海外売上高比率は55%にも達する。

POINT

・アニメ業界における最大手企業、世界的コンテンツを多数保有
・売上高•利益いずれも急増、無借金経営で手元資金潤沢
・平均年収802万円と業界首位級、福利厚生も整ったホワイト企業

業績動向

✔売上高と営業利益

東映アニメーションの売上高は右肩上がりで成長しているが、2022年には更なる急増を果たして売上高875億円に到達*1。営業利益も長期的な成長が続いているが、2022年には桁違いの急増を果たして287億円に到達。
*1:2022年に業績急伸した理由は、劇場大型作品「ドラゴンボール」「ワンピース」「スラムダンク」がいずれも大ヒット。とりわけ「ワンピース」は国内興行収入197億円に到達して自社作品として過去最高記録を更新、邦画興行収入ランキングでも歴代第8位に食い込む大ヒットとなった。

✔セグメント別の状況

東映アニメーションは、映像制作・販売事業(劇場・テレビ向けアニメ作品の企画・制作、ビデオ化権販売、映像配信サービスなど)、版権事業(キャラクター商品化許諾など)、商品販売事業(キャラクター商品の開発・販売など)、その他事業(イベント事業など)、の4事業を有する。
当社はアニメ制作会社として知られるが、映像制作・販売事業は売上高の約42%に過ぎない。売上高・利益における最主力事業は版権事業となっており、キャラクタービジネスが業績の柱となっている。大ヒット作品となれば長期的にゲーム・グッズ販売が見込めるため、利益率・安定性が高いこともキャラクタービジネスの特徴。

✔最終利益と利益率

東映アニメーションの純利益は長期的に右肩上がりで推移しているが、大ヒット作品に恵まれた2022年は驚異的な大幅増益を果たして純利益209億円に到達。営業利益率も右肩上がりで上昇しているうえ、2022年には32%と大いに優秀な高利益率を誇る。

✔自己資本比率と純資産

東映アニメーションの自己資本比率は長期的に75~80%の超高水準で安定的。無借金経営であるうえ、手元の現預金は600億円を優に上回っており、財務健全性は鉄壁。純資産は右肩上がりで増加し続けており、2022年には1,145億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

東映アニメーションの平均年収は2022年に802万に到達、アニメーション業界にありながら大手優良企業に匹敵する給与水準を提供している。総合職の場合、30歳で年収500万円は超え、課長職レベルで年収950万~1,050万円が目安。作画・演出・色彩などを手掛ける芸術職であっても給与水準は高く、初任給も総合職と同等。

✔従業員数と勤続年数

東映アニメーションの単体従業員数は増加傾向が続いているが、2022年でも616人ほどの組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は900人規模。平均勤続年数は直近で10年前後で伸び悩むが、過去8年間に渡って人員増強を継続しているため当然である。

総合評価

企業格付け:BB

■業績動向
絶好調。売上高•利益いずれも右肩上がりでの成長が長期的に続いているが、2022年には桁違いの増収増益を達成。ヒット作の有無で業績変動するビジネスモデルとはいえ、ここまで急激な業績拡大も珍しい。流石に2023年は売上高•利益いずれも反動減となる予想だが、純利益155億円は確保する見通し。営業利益率も30%前後の高水準を維持しており、高利益率なビジネスモデルを構築している。

■財務体質
鉄壁。有利子負債に依存しない無借金経営を貫いているうえ、高い利益率によって潤沢なキャッシュフローを確保。手元の現預金は600億円を上回っており、過剰なほどのキャッシュリッチぶりを示す。アニメ業界はヒット作品の有無で業績が乱高下する特徴があるが、業績が安定的な版権事業を拡大することで業績安定性も担保。

■ビジネス動向
中長期戦略として「IP(知的財産)を戦略の軸に据えたグローバル事業展開」を掲げる。版権事業が売上高・利益の核であるため、コンテンツを長期的財産として稼ぐビジネスモデルを志向。作品ファン層を拡充するため、親子2世代・3世代で楽しめる作品づくりも優先。欧州・中国ではコンテンツの現地制作を推進、現地の嗜好・価値観にマッチした作品を生み出す方針。

就職格付け:BBB

■給与水準
平均年収802万円。アニメ業界における最高峰の給与水準であることは当然、ゲーム会社などのエンタメ産業全体を見渡してもトップクラスの給与水準。通常の賞与とは別に、業績に応じた特別報奨金(年3回)を支給しており、ヒット作に恵まれた年には従業員の収入も増える。

■福利厚生
良い。家賃補助制度では全員に3万円/月を一律支給。昼食補助制度があるため、平日の食事代も浮くのは有り難い制度設計。年間休日も125日と多めであり、有給休暇もしっかり取れる。新作アニメ作品の劇場チケットを配布する制度も。アニメ業界としては最高峰の待遇である。

■キャリア
総合職•芸術職の2職種制。総合職は企画•製作進行•総務•人事などをローテーションを重ねながら経験、ビジネスサイドから会社を支えながら経営幹部を目指す。芸術職はクリエイターとして作画•演出•背景•色彩などからアニメ作りに直接携わり、アニメ監督•ディレクターなどを目指す。

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